グロースターの仕立屋 1/13
グロースターのまちにひとりの年寄りの仕立屋が住んでいた
ピーター・ラビットのお話 15
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問題文
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(ひとびとがまだ、けんやかつらや、えりにはなかざりのある)
人々がまだ、剣やかつらや、襟に花飾りのある
(ながいうわぎをみにつけていたころ。)
長い上着を身につけていたころ。
(しんしがたがそでぐちをひだかざりでかざり、)
紳士方が袖口を襞飾りでかざり、
(きんしのししゅうのぱでゅそいやたふたのちょっきをきたころのこと。)
金糸の刺繍のパデュソイやタフタのチョッキを着たころのこと。
(ぐろーすたーのまちに、ひとりのしたてやがすんでいた。)
グロースターの町に、ひとりの仕立屋が住んでいた。
(したてやは、にしもんどおりにちいさなみせをもち、)
仕立屋は、西門通りに小さな店を持ち、
(あさからばんまでしごとだいのうえにあぐらをかいて、みせのまどべにすわっていた。)
朝から晩まで仕事台の上にあぐらをかいて、店の窓辺に座っていた。
(いちにちじゅう、ひのあるかぎり、したてやは、はりをはこび、はさみをつかい、)
一日中、陽のある限り、仕立屋は、針を運び、ハサミを使い、
(さてんやぽんぱどーるや)
サテンやポンパドールや
(りゅーとすとりんぐなどというぬのをぬいあわせた。)
リュートストリングなどという布を縫い合わせた。
(そのころのぬのやれーすには、きみょうななまえがついていて、)
そのころの布やレースには、奇妙な名前がついていて、
(そういうものはこうかだった。)
そういうものは高価だった。
(ところが、したてやはこうしてひとびとのため、)
ところが、仕立屋はこうして人々のため、
(りっぱなふくをぬいはしたけれど、)
りっぱな服を縫いはしたけれど、
(じぶんはめがねをかけた、ちいさなひんそうなおとこで、)
自分はメガネをかけた、小さな貧相な男で、
(しなびたゆびはまがり、ふくはすりきれ、たいへんまずしかった。)
しなびた指は曲がり、服は擦り切れ、たいへん貧しかった。
(したてやは、ししゅうのついたじょうとうなぬのを、もようをだいじに、むだなくたった。)
仕立屋は、刺繍のついた上等な布を、模様を大事に、無駄なく裁った。
(あたりにちらばるたちくずは、たいへんちいさくて、)
あたりにちらばる裁ちクズは、たいへん小さくて、
(「これでは、なにをつくるにもたりぬ。)
「これでは、何を作るにも足りぬ。
(つくるとすれば、ねずみのちょっきか」と、したてやはいうのだった。)
作るとすれば、ねずみのチョッキか」と、仕立屋は言うのだった。
など
(くりすますまえのさむさのきびしいひ、)
クリスマス前の寒さの厳しい日、
(したてやはいちまいのうわぎをつくりはじめた。)
仕立屋は一枚の上着を作り始めた。
(ぬのはうねおりのべにいろのきぬで、ぱんじーとばらのししゅうがしてあった。)
布はうね織のべに色の絹で、パンジーとバラの刺繍がしてあった。
(ちょっきはぴんくのさてんで、)
チョッキはピンクのサテンで、
(しゃとみどりのもーるいとでかざられていた。)
紗と緑のモール糸で飾られていた。
(これはぐろーすたーのしちょうどののふくだった。)
これはグロースターの市長どのの服だった。