星の王子さま 24 (27/32)

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投稿者投稿者ヤマセミいいね1お気に入り登録
プレイ回数1655難易度(4.2) 4032打 長文
井戸を探しに
サン=テグジュペリ作 内藤濯訳 
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 ヤス 7125 7.4 95.6% 538.1 4018 184 86 2024/04/13
2 ゆゆゆ 3072 E++ 3.3 91.9% 1196.8 4030 353 86 2024/04/14

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問題文

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(ぼくのひこうきが、さばくのなかでこしょうしてからようかめ、)

ぼくの飛行機が、砂漠の中で故障してから八日め、

(もう、ひとしずくしかのこっていないたくわえのみずをのみながら、)

もう、一しずくしか残っていない貯えの水をのみながら、

(がんやくしょうにんのはなしにみみをすましたぼくは、)

丸薬商人の話に耳をすましたぼくは、

(おうじさまにむかって、こういいました。)

王子さまに向かって、こういいました。

(「じつにおもしろいはなしだ。 だけど、まだひこうきのしゅうぜんができていないし、)

「じつにおもしろい話だ。 だけど、まだ飛行機の修繕ができていないし、

(それにのみみずが、もういってきもない、このありさまなんだ。)

それに飲み水が、もう一滴もない、このありさまなんだ。

(だから、ぼくも、どこかのいずみのほうへ、ゆっくりゆっくりあるいていけたら、)

だから、ぼくも、どこかの泉の方へ、ゆっくりゆっくり歩いていけたら、

(うれしんだがなあ!」)

うれしんだがなあ!」

(「ぼくのともだちのきつねがね・・・」 と、おうじさまは、ぼくにいいました。)

「ぼくの友だちのキツネがね・・・」 と、王子さまは、ぼくにいいました。

(「ぼっちゃん、もう、きつねどころじゃないんだよ」)

「ぼっちゃん、もう、キツネどころじゃないんだよ」

(「なぜ?」 「だって、のどがかわいてしにそうだもの・・・」)

「なぜ?」 「だって、のどがかわいて死にそうだもの・・・」

(おうじさまは、ぼくのいうことがのみこめなくて、こう、ぼくにこたえました。)

王子さまは、ぼくのいうことがのみこめなくて、こう、ぼくに答えました。

(「しにそうになっても、ひとりでもともだちがいるのは、いいものだよ。)

「死にそうになっても、ひとりでも友だちがいるのは、いいものだよ。

(ぼくはね、きつねとともだちになれて、ほんとにうれしいよ・・・」)

ぼくはね、キツネと友だちになれて、ほんとにうれしいよ・・・」

(このぼっちゃん、どんなにあぶないことになってるか、わかっていないんだ。)

このぼっちゃん、どんなにあぶないことになってるか、わかっていないんだ。

(ひもじいおもいをしたためしもないし、のどがかわいたためしもないんだ。)

ひもじい思いをした試しもないし、のどが乾いた試しもないんだ。

(ほんのちょっと、ひのひかりがさしてくれば、それでまんぞくしてるんだ、)

ほんのちょっと、日の光がさしてくれば、それで満足してるんだ、

(と、ぼくはかんがえました。)

と、ぼくは考えました。

(が、おうじさまは、じっとぼくをみました。)

が、王子さまは、じっとぼくを見ました。

(そして、ぼくのこころのうちをおもいやったらしく、こういいました。)

そして、ぼくの心のうちを思いやったらしく、こういいました。

など

(「ぼくもみずがのみたいから・・・いどをさがそうよ・・・」)

「ぼくも水がのみたいから・・・井戸をさがそうよ・・・」

(ぼくは、つかれたようなみぶりをしました。)

ぼくは、つかれたような身ぶりをしました。

(こんなはてしないさばくのなかで、いきあたりばったりいどをさがすなんて、)

こんな果てしない砂漠の中で、いきあたりばったり井戸を探すなんて、

(ばかげたことだとおもったからです。)

ばかげたことだと思ったからです。

(それでも、ぼくたちはあるきだしました。)

それでも、僕たちは歩き出しました。

(ぼくたちが、なんじかんかだまってあるいていると、ひがくれて、)

ぼくたちが、何時間かだまって歩いていると、日が暮れて、

(ほしがひかりはじめました。)

星が光りはじめました。

(ぼくは、のどがかわいて、すこしねつがあるようなので、)

ぼくは、のどがかわいて、少し熱があるようなので、

(まるで、ゆめでもみているように、ほしをながめていました。)

まるで、夢でも見ているように、星をながめていました。

(おうじさまのいったことが、ぼくのきおくのなかでおどっていました。)

王子さまの言ったことが、ぼくの記憶の中でおどっていました。

(「みずがのみたいの、きみも?」 と、ぼくはおうじさまにききました。)

「水がのみたいの、きみも?」 と、ぼくは王子さまにききました。

(が、おうじさまは、ぼくのきいたことには、こたえません。)

が、王子さまは、ぼくのきいたことには、答えません。

(ただ、こういったきりでした。)

ただ、こういったきりでした。

(「みずは、こころにもいいものかもしれないな・・・」)

「水は、心にもいいものかもしれないな・・・」

(おうじさまが、なぜそういうへんじをしたのか、わからなかったのでしたが、)

おうじさまが、なぜそういう返事をしたのか、わからなかったのでしたが、

(それでも、ぼくはくちをつぐみました・・・。)

それでも、ぼくは口をつぐみました・・・。

(おうじさまに、そのわけをきいてもしようがないことが、)

王子さまに、そのわけを聞いてもしようがないことが、

(よくわかっていたからです。)

よくわかっていたからです。

(おうじさまはくたびれていました。)

王子さまはくたびれていました。

(こしをおろしました。)

腰をおろしました。

(ぼくはそのそばにこしをおろしました。)

ぼくはそのそばに腰をおろしました。

(すると、おうじさまは、しばらくだまっていたあとで、また、こういいました。)

すると、王子さまは、しばらく黙っていたあとで、また、こういいました。

(「ほしがあんなにうつくしいのも、めにみえないはながひとつあるからなんだよ・・・」)

「星があんなに美しいのも、目に見えない花が一つあるからなんだよ・・・」

(ぼくは、<そりゃあ、そうだ>とこたえました。)

ぼくは、<そりゃあ、そうだ>と答えました。

(それから、なんにもいわずに、)

それから、なんにもいわずに、

(でこぼこのすながつきのひかりをあびているのをながめました。)

でこぼこの砂が月の光を浴びているのをながめました。

(「さばくはうつくしいな・・・」 と、おうじさまはつづいていいました。)

「砂漠は美しいな・・・」 と、王子さまはつづいていいました。

(まったくそのとおりでした。 ぼくは、いつもさばくがすきでした。)

まったくそのとおりでした。 ぼくは、いつも砂漠がすきでした。

(すなやまのうえにこしをおろす。)

砂山の上に腰をおろす。

(なんにもみえません。なんにもきこえません。)

なんにも見えません。なんにもきこえません。

(だけれど、なにかが、ひっそりとひかっているのです・・・)

だけれど、なにかが、ひっそりと光っているのです・・・

(「さばくがうつくしいのは、どこかにいどをかくしているからだよ・・・」)

「砂漠が美しいのは、どこかに井戸を隠しているからだよ・・・」

(と、おうじさまが、いいました。)

と、王子さまが、いいました。

(とつぜん、ぼくは、すながそんなふうに、ふしぎにひかるわけがわかっておどろきました。)

突然、ぼくは、砂がそんなふうに、ふしぎに光るわけがわかって驚きました。

(ほんのこどもだったころ、ぼくは、あるふるいうちにすんでいたのですが、)

ほんの子どもだったころ、ぼくは、ある古い家に住んでいたのですが、

(そのうちには、なにかたからがうめられているという、いいつたえがありました。)

その家には、なにか宝が埋められているという、いいつたえがありました。

(もちろん、だれもまだ、そのたからをはっけんしたこともありませんし、)

もちろん、だれもまだ、その宝を発見したこともありませんし、

(それをさがそうとしたひともいないようです。)

それをさがそうとした人もいないようです。

(でも、うちじゅうが、そのたからで、うつくしいまほうにかかっているようでした。)

でも、家中が、その宝で、美しい魔法にかかっているようでした。

(ぼくのうちは、そのおくに、ひとつのひみつをかくしていたのです・・・)

ぼくの家は、そのおくに、一つの秘密をかくしていたのです・・・

(「そうだよ、うちでもほしでもさばくでも、そのうつくしいところは、めにみえないのさ」)

「そうだよ、家でも星でも砂漠でも、その美しいところは、目に見えないのさ」

(と、ぼくはおうじさまにいいました。)

と、ぼくは王子さまにいいました。

(「うれしいな、きみが、ぼくのきつねとおんなじことをいうんだから」)

「うれしいな、きみが、ぼくのキツネとおんなじことを言うんだから」

(と、おうじさまがいいました。)

と、王子さまがいいました。

(おうじさまがねむりかけたので、ぼくはりょううででかかえてあるきだしました。)

王子さまが眠りかけたので、ぼくは両腕でかかえて歩きだしました。

(ぼくはこころをゆすぶられていました。)

ぼくは心をゆすぶられていました。

(まるで、こわれやすいたからを、てにもっているようでした。)

まるで、こわれやすい宝を、手に持っているようでした。

(ちきゅうのうえに、これよりこわれやすいものは、)

地球の上に、これよりこわれやすいものは、

(なにもないようにさえ、かんじられるのでした。)

なにもないようにさえ、感じられるのでした。

(ぼくは、つきのひかりで、おうじさまのあおじろいかおをみていました。)

ぼくは、月の光で、王子さまの青白い顔を見ていました。

(ふさいでいるめをみていました。)

ふさいでいる目を見ていました。

(ふさふさしたかみのけが、かぜにふるえているのをみていました。)

ふさふさした髪の毛が、風にふるえているのを見ていました。

(そして、いま、こうしてめのまえにみているのは、)

そして、いま、こうして目の前に見ているのは、

(にんげんのそとがわだけだ、いちばんたいせつのものは、めにみえないのだ・・・)

人間の外側だけだ、一番たいせつのものは、目に見えないのだ・・・

(と、おもっていました。)

と、思っていました。

(おうじさまのくちびるが、こころもちひらいて、どこともなしにえがおがみえるのです。)

王子さまのくちびるが、心もち開いて、どこともなしに笑顔が見えるのです。

(ぼくはまたこうおもいました。)

ぼくはまたこう思いました。

(<このおうじさまのねがおをみると、ぼくはなみだのでるほどうれしいんだが、)

<この王子さまの寝顔を見ると、ぼくは涙の出るほどうれしいんだが、

(それも、このおうじさまが、いちりんのはなをいつまでもわすれずにいるからなんだ。)

それも、この王子さまが、一輪の花をいつまでも忘れずにいるからなんだ。

(ばらのはなのすがたが、ねむっているあいだも、らんぷのひのように)

バラの花のすがたが、ねむっているあいだも、ランプの灯のように

(このおうじさまのこころのなかにひかっているからなんだ・・・>)

この王子さまの心の中に光っているからなんだ・・・>

(すると、ぼくは、おうじさまが、いよいよこわれやすいひとのようにみえてきました。)

すると、ぼくは、王子さまが、いよいよ壊れやすい人のように見えてきました。

(ともしびは、たいせつにしましょう。)

ともし火は、たいせつにしましょう。

(かぜがさっとふいてきたら、そのひがきえるかもしれませんからね・・・)

風がさっと吹いてきたら、その灯が消えるかもしれませんからね・・・

(こんなことをかんがえながらあるいていくうちに、ぼくはよるがあけるころ、)

こんなことを考えながら歩いていくうちに、ぼくは夜が明けるころ、

(とうとういどをはっけんしました。)

とうとう井戸を発見しました。

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