耳なし芳一 1 /9

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今より七百年あまり昔、下関の壇ノ浦で源平の戦いがありました。
小泉八雲/原作

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(いまをさることななひゃくねんあまりむかし、しものせきのだんのうらでげんぺいのたたかいがありました。) 今を去ること七百年あまり昔、下関の壇ノ浦で源平の戦いがありました。 (へいしとげんじとのながいあらそいに、けっちゃくをつけるべきさいごのいっせんでした。) 平氏と源氏との長い争いに、決着をつけるべき最後の一戦でした。 (このだんのうらのかっせんで、へいけいちもんはおとこばかりかおんなこどもにいたるまで、) この壇ノ浦の合戦で、平家一門は男ばかりか女子どもにいたるまで、 (みずからのほうずるようていーーこうせいにあんとくてんのうとして、) 自らの奉ずる幼帝ーー後世に安徳天皇として、 (きおくされているおかたもろともに、) 記憶されているお方もろともに、 (せめほろぼされたのであります。) 攻め滅ぼされたのであります。 (いらいななひゃくねんというもの、だんのうらいったいのうみときしには、) 以来七百年というもの、壇ノ浦一帯の海と岸には、 (へいけのおんりょうがしゅつぼつすることとなりました。) 平家の怨霊が出没することとなりました。 (さて、べつのところで、このはまにすむへいけがににふれておきましたが、) さて、別のところで、この浜にすむ平家蟹に触れておきましたが、 (これはまことにきみょうなかにで、こうらがにんげんのかおのかたちをしており、) これは誠に奇妙な蟹で、甲羅が人間の顔の形をしており、 (じつはそれがへいけのぶしたちのれいこんなのだとつたえられているのです。) じつはそれが平家の武士たちの霊魂なのだと伝えられているのです。 (ところが、このうみべいったいでは、) ところが、この海辺一帯では、 (いまもなおいろいろとふしぎなことがみききされるのであります。) 今もなおいろいろと不思議なことが見聞きされるのであります。 (つきのないやみよに、ぼうれいのひのたまがいくせんとなくうみべをさまよったり、) 月のない闇夜に、亡霊の火の玉が幾千となく海辺をさまよったり、 (なみまをかすめとんだりいたします。) 波間をかすめ飛んだりいたします。 (そのあおじろいひかりを、とちのりょうしたちは<おにび>つまり、) その青白い光を、土地の漁師たちは<鬼火>つまり、 (ようかいのひとよんでおります。) 妖怪の火と呼んでおります。 (かぜのでるときにはきまって、) 風の出るときにはきまって、 (うみのあたりからかっせんのおたけびにもにた、) 海のあたりから合戦の雄叫びにも似た、 (すさまじいかんせいがきこえてくるのです。) すさまじい喚声が聞こえてくるのです。
など
(かつてへいけいちもんのぼうれいは、いまよりもひどいろうぜきをはたらきました。) かつて平家一門の亡霊は、今よりもひどい狼藉を働きました。 (よなかにとおりかかるふねがあると、) 夜中に通りかかる船があると、 (すがたをあらわしては、しずめようとしたり、) 姿を現しては、沈めようとしたり、 (およいでくるものがあるのをまちうけて、) 泳いでくるものがあるのを待ちうけて、 (うみのそこにひきずりこんだりしたものです。) 海の底に引きずりこんだりしたものです。 (あかまがせき(げんざいのしものせき)にあみだじがこんりゅうされたのは、) 赤間ヶ関(現在の下関)に阿弥陀寺が建立されたのは、 (こうしたおんりょうをしずめるためでした。) こうした怨霊を鎮めるためでした。 (ちかくのはまにはぼちももうけられ、) 近くの浜には墓地も設けられ、 (じゅすいしたあんとくてんのうのなと、) 入水した安徳天皇の名と、 (そのかしんたちのなをきざんだせきひがたてられました。) その家臣たちの名を刻んだ石碑が建てられました。 (そして、へいけいちぞくのめいふくをいのって、そこでねんきごとにほうえがいとなまれたのです。) そして、平家一族の冥福を祈って、そこで年忌ごとに法会が営まれたのです。 (てらがこんりゅうされ、ぼちがもうけられると、) 寺が建立され、墓地が設けられると、 (へいけのぼうれいはいぜんほどにはたたりをしなくなりました。) 平家の亡霊は以前ほどには祟りをしなくなりました。 (が、それでもなお、ときとしてきかいなことがたえませんでした。) が、それでもなお、ときとして奇怪なことが絶えませんでした。 (ーーそれらおんりょうはいまだかんぜんなあんそくをえてはいなかったわけであります。) ーーそれら怨霊はいまだ完全な安息を得てはいなかったわけであります。
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