闇の結婚相談所 2
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問題文
(いえにかえってからのやましたはねっとつうはんでてにいれたほしくてほしくて)
家に帰ってからの山下はネット通販で手に入れた欲しくて欲しくて
(たまらなかったねんがんのいかなごしょうゆ3ぼんといかなごだししょうゆ3ぼんが)
たまらなかった念願のいかなご醤油3本といかなごだし醤油3本が
(はいっているはこをごまんえつそうにかいふうをしはじめる)
入っている箱をご満悦そうに開封をし始める
(「かがわのでんとうしょくひんともいうべき、このいかなごしょうゆが2しゅるいも)
「香川の伝統食品ともいうべき、このいかなご醤油が2種類も
(てにはいってうれしい。くろわっさんぎょうざいらいだなあ)
手に入って嬉しい。クロワッサン餃子以来だなあ
(ながねんまちにまってちゅうもんしたしょうひんがやっととどいた。ってなったときは)
長年待ちに待って注文した商品がやっと届いた。ってなったときは
(うれしさのあまりにとびはねちゃったよ)
嬉しさのあまりに飛び跳ねちゃったよ
(いかなごしょうゆでなにをつくろうかな?)
いかなご醤油で何を作ろうかな?
(にものでもつくってひとあじちがったりょうりをたんのうしたいなあ」)
煮物でも作ってひと味違った料理を堪能したいなあ」
(ひとりぐらしのやましたにはおかねによゆうがありなかでもちいきのでんとうのしょくひんや)
一人暮らしの山下にはお金に余裕があり中でも地域の伝統の食品や
(そのちいきでしかたべられないにんきのしょうひんにはめがなくねっとつうはんで)
その地域でしか食べられない人気の商品には目がなくネット通販で
(たのんではとどくのをくびをながくしてまっているのがやましたのたのしみのひとつだ)
頼んでは届くのを首を長くして待っているのが山下の楽しみの一つだ
(あくるひ、やましたとのうとみはかとうけいぶによばれけいぶがすわるですくのまえにいた)
明くる日、山下と納富は加藤警部に呼ばれ警部が座るデスクの前にいた
(「やましたくん、のうとみくん、きてそうそうわるいね。これからけいじとしてきみにまかせたい)
「山下君、納富君、来て早々悪いね。これから刑事として君に任せたい
(じゅうようなしごとがあるんだ」かとうけいぶにそうよばれたやましたは)
重要な仕事があるんだ」加藤警部にそう呼ばれた山下は
(「いったいなんでしょうか?」とたずねた)
「いったい何でしょうか?」と尋ねた
(「きみはまだうまれていないからわからないかもしれない)
「君はまだ生まれていないからわからないかもしれない
(1979ねんから1988ねんのあいだにれんぞくしておきたじょせいのれんぞくさつがいじけんについて)
1979年から1988年の間に連続して起きた女性の連続殺害事件について
(そうさにあたってほしい。そうさほんぶはいちどはうちきられたが2010ねんに)
捜査に当たってほしい。捜査本部は一度は打ち切られたが2010年に
(さつじんじけんのじこうがなくなりこのじけんもひきつづきそうさのたいしょうとして)
殺人事件の時効がなくなりこの事件も引き続き捜査の対象として
(けいぞくとしてはんにんそうさをつづけられることがせいしきにきまったんだよ)
継続として犯人捜査を続けられることが正式に決まったんだよ
(こんかい、きみにたのんだのはほかでもないきみがきょうとみやこまちのこうばんじゅんさとして)
今回、君に頼んだのはほかでもない君が京都みやこ町の交番巡査として
(ひびのぎょうむをまじめにつとめていたとははなしはうかがっていたし、そんなやましたくんなら)
日々の業務を真面目に勤めていたとは話は伺っていたし、そんな山下君なら
(われわれがつかまえたくてもつかまえられないはんにんをつかまえてくれるんじゃないかと)
我々が捕まえたくても捕まえられない犯人を捕まえてくれるんじゃないかと
(かんがえたんだよ」そういいだすととうじほうどうされたばかりのしんぶんをみせたのであった)
考えたんだよ」そう言いだすと当時報道されたばかりの新聞を見せたのであった
(「はんにんのあしどりはとらえたのだがはんこうにつかわれたであろうきょうきやてぶくろなどは)
「犯人の足取りは捉えたのだが犯行に使われたであろう凶器や手袋などは
(そのばではっけんされたにもかかわらず、いまだにはんにんにつながるてがかりすら)
その場で発見されたにも関わらず、いまだに犯人に繋がる手掛かりすら
(つかめないままときがすぎてしまった。)
掴めないまま時が過ぎてしまった。
(そのあいだにもひがいしゃのじょせいがふえにふえて、1988ねんをさかいにはんにんのあしどりが)
その間にも被害者の女性が増えに増えて、1988年を境に犯人の足取りが
(とだえたんだ。われわれはげんばにのこされたしょうこなどからかこにしゅうようされた)
途絶えたんだ。我々は現場に残された証拠などから過去に収容された
(はんにんのdnaさんぷるをさんこうにさがしてみたががいとうがない)
犯人のDNAサンプルを参考に探してみたが該当がない
(ころされたひがいしゃのうちふたりはあるしやくしょのしょくいんのあいじんだったとも)
殺された被害者のうち二人はある市役所の職員の愛人だったとも
(かれのなまえはうちやまじゅんいちろうだ)
彼の名前は内山潤一郎だ
(うちやまはぜいむかにきんむしていてしごとでてにいれたぜいきんのおうりょうぎわくが)
内山は税務課に勤務していて仕事で手に入れた税金の横領疑惑が
(もちあがっていたのだがかれにははんこうとうじつにみおものつまといっしょにいたという)
持ち上がっていたのだが彼には犯行当日に身重の妻と一緒にいたという
(ありばいがせいりつしておりつかまえることはできなかった。)
アリバイが成立しており捕まえることはできなかった。
(かれはあと、とんねるないでじこをおこししんだ」)
彼は後、トンネル内で事故を起こし死んだ」
(「われわれのすいりではおそらくとおりまてきなはんこうとはいいがたい)
「我々の推理では恐らく通り魔的な犯行とはいいがたい
(かおみしりのはんこうであることにまちがいないだろう)
顔見知りの犯行であることに間違いないだろう
(どのひがいしゃのじょせいもきょうつうしていえるのは「ふじもりけっこんそうだんしょ」というところで)
どの被害者の女性も共通して言えるのは「藤森結婚相談所」というところで
(はなよめしゅぎょうをしていたぐらいだ。)
花嫁修業をしていたぐらいだ。
(おーなーであるまだむるみこことおおすがるみこにもじじょうちょうしゅは)
オーナーであるマダム・ルミコこと大須賀留美子にも事情聴取は
(おこなったがかのじょにはきょうしつであしたのじゅぎょうをおこなうためのじゅんびのため)
行ったが彼女には教室で明日の授業を行うための準備のため
(こうしとしてやとっていたさわいのりことともにしょっぴんぐせんたーへ)
講師として雇っていた澤井法子とともにショッピングセンターへ
(かいだしにいっていたためはんこうはほぼふかのうだ)
買い出しに行っていたため犯行はほぼ不可能だ
(はんにんがいったいだれなのか、われわれはつかむことができないままときがすぎている)
犯人がいったい誰なのか、我々は掴むことが出来ないまま時が過ぎている
(このままではころされたひがいしゃのむねんをはらすことができない)
このままでは殺された被害者の無念を晴らすことができない
(なんとしてでも、このちでねむりつづけているみかいけつじけんを)
何としてでも、この地で眠り続けている未解決事件を
(のうとみとともにかいけつしてほしい」)
納富と共に解決してほしい」
(やましたとのうとみはこえをあわせるようなかたちでかとうけいぶに「はい」と)
山下と納富は声を合わせるような形で加藤警部に「はい」と
(おおきくへんじをした)
大きく返事をした
(「じけんのがいよう」)
「事件の概要」
(やましたが1979ねんにれんぞくしておこったれんぞくさつじんじけんにあるぎもんをいだいた)
山下が1979年に連続して起こった連続殺人事件にある疑問を抱いた
(「どうして1979ねんから1988ねんの9ねんかんにれんぞくしておこったさつじんじけんなら)
「どうして1979年から1988年の9年間に連続して起こった殺人事件なら
(ひがいのぱたーんだってとういつかされてあるはずなのに)
被害のパターンだって統一化されてあるはずなのに
(どうしてはんにんをたいほできないんですか?」)
どうして犯人を逮捕できないんですか?」
(やましたはかとうけいぶにしつもんをぶつけた)
山下は加藤警部に質問をぶつけた
(かとうけいぶはしつもんにこたえ、そしてじけんのがいようをせつめいした)
加藤警部は質問に答え、そして事件の概要を説明した
(「さつがいがいまのところはんめいしているのは3けんのみで)
「殺害が今のところ判明しているのは3件のみで
(いまのじてんでわかっているのはくるめしないにあったふじもりけっこんそうだんしょのかいいんだった)
今の時点で分かっているのは久留米市内にあった藤森結婚相談所の会員だった
(じょせいがつぎつぎとゆくえふめいになっているということだけだ」)
女性が次々と行方不明になっているということだけだ」
(「さいしょのひがいしゃは、ほすてすをつとめる27さいのさとうかおりさん。)
「最初の被害者は、ホステスを務める27歳の佐藤香織さん。
(ぜいきんのおうりょうぎわくとしてようぎしゃとしてふじょうしているうちやまじゅんいちろうの)
税金の横領疑惑として容疑者として浮上している内山潤一郎の
(ふくすういたとされるあいじんのうちのひとりだ)
複数いたとされる愛人のうちの一人だ
(かのじょはしんけんにけっこんをかんがえてふじもりけっこんそうだんしょで1ねんものあいかよいつづけていたそうだ)
彼女は真剣に結婚を考えて藤森結婚相談所で1年もの間通い続けていたそうだ
(そのあいだにおみあいもうけていただがどのあいてもけっこんにはいたらなかったようだ)
その間にお見合いも受けていたがどの相手も結婚には至らなかったようだ
(じけんがおきたのは1979ねんの9がつ9にちのゆうがた17じ30ふんごろだ)
事件が起きたのは1979年の9月9日の夕方17時30分頃だ
(さとうさんはしゅっきんまえでじしつのあぱーとでなにものかにくびをしめられて)
佐藤さんは出勤前で自室のアパートで何者かに首を絞められて
(さつがいされているところをみせにれんらくもなくけっきんしたことを)
殺害されているところを店に連絡もなく欠勤したことを
(しんぱいしたしょくばのどうりょうがはっけんした」)
心配した職場の同僚が発見した」