闇の結婚相談所 10

背景
投稿者投稿者おりついいね0お気に入り登録1
プレイ回数107難易度(5.0) 60秒 長文

関連タイピング

問題文

ふりがな非表示 ふりがな表示

(やまもときしゃとのはなしをおえたふたりは、ふたたびくるめべいだいにしょないにある)

山本記者との話を終えた二人は、再び久留米第2署内にある

(しょこへやってきたのだった。)

書庫へやってきたのだった。

(「もういちど、ころされたひがいしゃのみならず、ゆくえふめいになられたほうもふくめ)

「もう一度、殺された被害者のみならず、行方不明になられた方も含め

(みつめなおすひつようせいがありそうですね」)

見つめなおす必要性がありそうですね」

(やましたがのうとみにはなすと、「そうだなあ。ひとまずはもういちどみなおしてみるか」)

山下が納富に話すと、「そうだなあ。一先ずはもう一度見直してみるか」

(というのみであった。)

というのみであった。

(「せっかくですから、ここのしょこにおいてあるぼっくすにだれがみても)

「せっかくですから、ここの書庫に置いてあるボックスに誰が見ても

(どんなしょるいがはいっているかがわかりやすいように)

どんな書類が入っているかが分かりやすいように

(ますきんぐてーぷでせいりしましょう」)

マスキングテープで整理しましょう」

(やましたがのうとみにきりだすと「そうだなあ、じかんもあることだし)

山下が納富に切り出すと「そうだなあ、時間もあることだし

(ねんだいべつにせりりしようか」とうごきだしたのであった。)

年代別にセリりしようか」と動きだしたのであった。

(ふたりがまさにしょこのせいりをしていたときだった。)

二人がまさに書庫の整理をしていた時だった。

(やまだしょちょうがふたりをきにしてこえをかけた。)

山田署長が二人を気にして声をかけた。

(「いままでほったらかしにしていたしょこのせいりをしてくれてありがとうね。)

「今までほったらかしにしていた書庫の整理をしてくれてありがとうね。

(せいりせいとんがめんどうくさかったんだよ。)

整理整頓が面倒くさかったんだよ。

(さしいれおいておくからふたりでたべてね」)

差し入れ置いておくから二人で食べてね」

(そういって、いりぐちからはいってすぐのところにあるですくに)

そういって、入口から入ってすぐのところにあるデスクに

(ぼうふぁすとふーどちぇーんてんでおなじみのふらいどちきんの6ぴーすを)

某ファストフードチェーン店でお馴染みのフライドチキンの6ピースを

(おいてしょこをあとにしたのだった。)

置いて書庫を後にしたのだった。

(「ああ?せいりせいとんがめんどうくさかったってか?)

「ああ?整理整頓が面倒くさかったってか?

など

(それがりゆうでしてこなかったってどういうことだ」)

それが理由でしてこなかったってどういうことだ」

(やましたがおもわずいかりそうになった。)

山下が思わず怒りそうになった。

(のうとみが「もういい、もういい。だれもしなかったのはじじつなんだから。)

納富が「もういい、もういい。誰もしなかったのは事実なんだから。

(これもしごとだとおもってしよう」といったのであった。)

これも仕事だと思ってしよう」と言ったのであった。

(「のうとみさん、さめないうちにおりじなるちきんをたべましょう」)

「納富さん、冷めないうちにオリジナルチキンを食べましょう」

(やましたがのうとみをよんで、ふたりでおりじなるちきんをたべはじめるのであった。)

山下が納富を呼んで、二人でオリジナルチキンを食べ始めるのであった。

(「ひさしぶりにたべるのも、またちがうね。かくべつだね」)

「久しぶりに食べるのも、また違うね。格別だね」

(のうとみがやましたにはなしはじめた。やましたは、あることをのうとみにたずねた。)

納富が山下に話し始めた。山下は、あることを納富に訪ねた。

(「のうとみさんにはごかぞくがいるんですよね。)

「納富さんにはご家族がいるんですよね。

(ぼくがここにきてからぼくとばんごはんをともにしていますけど)

僕がここにきてから僕と晩御飯を共にしていますけど

(ごかぞくとのじかんはたいせつにされていますか?」)

ご家族との時間は大切にされていますか?」

(のうとみがこたえはじめた。「つまとふたりぐらしだよ。)

納富が答え始めた。「妻と二人暮らしだよ。

(ただつまはびょういんできんきゅうがいらいのかんごしをしているのでほぼほごやきんづとめで)

ただ妻は病院で緊急外来の看護師をしているのでほぼほご夜勤勤めで

(ねるじかんもいっしょにいるじかんもまったくことなるから、つまとふたりですごすこともない。)

寝る時間も一緒にいる時間も全く異なるから、妻と二人で過ごすこともない。

(むすこがひとりいるんだけどむすこはどくりつして、ひとりぐらしをはじめたもんだから)

息子が一人いるんだけど息子は独立して、一人暮らしを始めたもんだから

(おれがいえにかえったとしても、ばんごはんはいつもできあいのものをかってきては)

俺が家に帰ったとしても、晩御飯はいつも出来合いのものを買ってきては

(ひとりでたべているんだよ」)

一人で食べているんだよ」

(「それはそれで、さびしいですね」やましたははなしたのだった。)

「それはそれで、寂しいですね」山下は話したのだった。

(せいりはじめて、2じかんはけいかしたころだった。)

整理始めて、2時間は経過したころだった。

(あるていどのせいりができたところでおめあての1979ねんから1988ねんにかけて)

ある程度の整理が出来たところでお目当ての1979年から1988年にかけて

(おこったじょせいのれんぞくさつじんおよびゆくえふめいじけんについてのちょうさのしょるいを)

起こった女性の連続殺人及び行方不明事件についての調査の書類を

(さいしょにひがいしゃとなったあいばあいさん、そして1988ねん3がつ11にちにおきた)

最初に被害者となった相場愛さん、そして1988年3月11日に起きた

(3ばんめのひがいしゃとされるほりごめあすかさんのちょうさしりょうだ。)

3番目の被害者とされる堀込明日香さんの調査資料だ。

(ならびにふじもりけっこんそうだんしょのかいいんであといゆくえふめいになったじょせいのりすとも)

並びに藤森結婚相談所の会員で後い行方不明になった女性のリストも

(じけいれつごとにあがっているので、それもあらためてみてみましょう、と)

時系列ごとにあがっているので、それも改めて見てみましょう、と

(やましたがとりだしてきてですくへともってきたのだった。)

山下が取り出してきてデスクへと持ってきたのだった。

(のうとみさん、みてください。ふじもりけっこんそうだんしょにかよいはじめてゆくえふめいになった)

納富さん、見てください。藤森結婚相談所に通い始めて行方不明になった

(じょせいだけでも13にんいますよ。しかもどのじょせいもしょくばからいえに)

女性だけでも13人いますよ。しかもどの女性も職場から家に

(かえってくるとちゅうにおそわれてから、そのままゆくえがわからなくなっていますよ」)

帰ってくる途中に襲われてから、そのまま行方が分からなくなっていますよ」

((ゆくえふめいになったじょせいのりすと))

(行方不明になった女性のリスト)

(1980ねん3がつ20にちかいしゃいんしいなあゆみさん25さい)

1980年3月20日 会社員 椎名歩美さん 25歳

(1980ねん11がつ20にちかいしゃいんしんかわよしこさん27さい)

1980年11月20日 会社員 新川良子さん 27歳

(1981ねん7がつ20にちかいしゃいんこんどうさちこさん30さい)

1981年7月20日 会社員 近藤祥子さん 30歳

(1982ねん5がつ5にちかいしゃいんいいづかまさみさん27さい)

1982年5月5日 会社員 飯塚雅美さん 27歳

(1982ねん10がつ10にちかいしゃいんきたさゆりさん25さい)

1982年10月10日 会社員 喜多小百合さん 25歳

(1983ねんねん2がつ11にちかいしゃいんあらいさちさん26さい)

1983年年2月11日 会社員 新井佐智さん 26歳

(1984ねん1がつ20にちかいしゃいんふくだあすこさん28さい)

1984年1月20日 会社員 福田明日子さん 28歳

(1984ねん6がつ6にちかいしゃいんよしださつきさん33さい)

1984年6月6日 会社員 吉田さつきさん 33歳

(1985ねん4がつ4にちかいしゃいんのくぼみさとさん30さい)

1985年4月4日 会社員 野久保美里さん 30歳

(1986ねん1がつ11にちかいしゃいんつづきのりこさん32さい)

1986年1月11日 会社員 都築紀子さん 32歳

(1986ねん8がつ8にちかいしゃいんとどあきこさん34さい)

1986年8月8日 会社員 百々亜希子さん 34歳

(1988ねん1がつ31にちかいしゃいんささきけいこさん35さい)

1988年1月31日 会社員 佐々木啓子さん 35歳

(いずれのじょせいも、ふじもりけっこんそうだんしょのかいいんではあるいがいのきょうつうこうがなく)

いずれの女性も、藤森結婚相談所の会員ではある以外の共通項が無く

(またかおみしりではない。)

また顔見知りではない。

(えんこんのせんをのぞいてしらべるひつようがあるときさいがされてあるのみだった。)

怨恨の線を覗いて調べる必要があると記載がされてあるのみだった。

(のうとみもやましたにいわれてみるのだったが)

納富も山下に言われて見るのだったが

(「かずがすうでおおすぎる、これならはんざいぱたーんがよめるはずなのになぜだ?)

「数が数で多すぎる、これなら犯罪パターンが読めるはずなのに何故だ?

(どうしてはんにんがつかまらない?ますますなぞだ、なぞがおおすぎる」)

どうして犯人が捕まらない?ますます謎だ、謎が多すぎる」

(とこまりはてた。やましたはおもわずかとうけいぶにぎもんだとおもったゆくえふめいしゃの)

と困りはてた。山下は思わず加藤警部に疑問だと思った行方不明者の

(りすとをみせつけて「なんでこんなにもゆくえふめいしゃがいるにもかかわらず)

リストを見せつけて「何でこんなにも行方不明者がいるにも関わらず

(はんにんのあしどりがつかめないってどういうことですか?)

犯人の足取りがつかめないってどういうことですか?

(りゆうをおしえてくださいよ。これがおおやけにされたますめでぃあからは)

理由を教えてくださいよ。これが公にされたマスメディアからは

(けいさつのそうさのたいまんといわれてもしょうがないとおもいますよ」)

警察の捜査の怠慢と言われてもしょうがないと思いますよ」

(いいだしたのであった。)

言い出したのであった。

(かとうけいぶはおもいくちょうでこたえはじめた。)

加藤警部は重い口調で答え始めた。

問題文を全て表示 一部のみ表示 誤字・脱字等の報告