銀河鉄道の夜 12
五、天気輪の柱 (2/2)
宮沢賢治 作
宮沢賢治 作
ジョバンニは町のはずれから遠く黒くひろがった野原を見わたしました。
そこから汽車の音が聞こえてきました。
そこから汽車の音が聞こえてきました。
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問題文
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(かぜがとおくでなり、おかのくさもしずかにそよぎ、)
風が遠くで鳴り、丘の草もしずかにそよぎ、
(じょばんにのあせでぬれたしゃつもつめたくひやされました。)
ジョバンニの汗でぬれたシャツもつめたく冷やされました。
(じょばんにはまちのはずれから)
ジョバンニは町のはずれから
(とおくくろくひろがったのはらをみわたしました。)
遠く黒くひろがった野原を見わたしました。
(そこからきしゃのおとがきこえてきました。)
そこから汽車の音が聞こえてきました。
(そのちいさなれっしゃのまどはいちれつちいさくあかくみえ、)
その小さな列車の窓は一列小さく赤く見え、
(そのなかにはたくさんのたびびとが、)
その中にはたくさんの旅人が、
(りんごをむいたり、わらったり、)
りんごをむいたり、わらったり、
(いろいろなふうにしているとかんがえますと、)
いろいろなふうにしていると考えますと、
(じょばんには、もうなんともいえずかなしくなって、)
ジョバンニは、もうなんともいえずかなしくなって、
(まためをそらにあげました。)
また目を空にあげました。
(あああのしろいそらのおびがみんなほしだというぞ。)
あああの白い空の帯がみんな星だというぞ。
(ところがいくらみていても、)
ところがいくら見ていても、
(そのそらは、ひるせんせいのいったような、)
その空は、ひる先生のいったような、
(がらんとしたつめたいとこだとはおもわれませんでした。)
がらんとした冷たいとこだとは思われませんでした。
(それどころでなく、みればみるほど、)
それどころでなく、見れば見るほど、
(そこはちいさなはやしやぼくじょうやらある)
そこは小さな林や牧場やらある
(のはらのようにかんがえられてしかたなかったのです。)
野原のように考えられてしかたなかったのです。
(そしてじょばんにはあおいことのほしが、)
そしてジョバンニは青い琴の星が、
(みっつにもよっつにもなって、ちらちらまたたき、)
三つにも四つにもなって、ちらちらまたたき、
など
(あしがなんべんもでたりひっこんだりして、)
足がなんべんも出たり引っこんだりして、
(とうとうきのこのようにながくのびるのをみました。)
とうとうきのこのように長くのびるのを見ました。
(またすぐめのしたのまちまでが)
またすぐ目の下のまちまでが
(やっぱりぼんやりしたたくさんのほしのあつまりか、)
やっぱりぼんやりしたたくさんの星の集まりか、
(ひとつのおおきなけむりかのようにみえるようにおもいました。)
一つの大きな煙かのように見えるように思いました。