俺とお前とあなたと私5

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(おれとわたしのばあい3)

俺と私の場合3

(けんしゅう2つかめ。)

研修2日目。

(きんりんのほいくえんやじどうふくししせつへわかれけんしゅう。)

近隣の保育園や児童福祉施設へわかれ研修。

(「ほいくえんにいくはんと、しせつへいくはんとはぼーどをみてください。」)

「保育園に行く班と、施設へ行く班とはボードを見てください。」

(ほわいとぼーどのまえにかくはんのだいひょうがあつまりかくにんしてもどってきた。)

ホワイトボードの前に各班の代表が集まり確認して戻ってきた。

(「うちのはんはじどうしせつにいくことになってます。」)

「うちの班は児童施設に行くことになってます。」

(「しせつにいるこどもたちはむずかしそうね。」)

「施設にいる子供たちは難しそうね。」

(「おやのあいじょうがふそくしているこや、ぎゃくたいされているこなんかがいるからね。」)

「親の愛情が不足している子や、虐待されている子なんかがいるからね。」

(「でも、こどもはこどもですよ。」)

「でも、子供は子供ですよ。」

(「たけうちせんせいはぽじてぃぶっていうか、あついっていうか」)

「竹内先生はポジティブって言うか、熱いって言うか」

(「たのもしいじゃない?ひとりくらいそういうせんせいがいないと。」)

「頼もしいじゃない?一人くらいそういう先生がいないと。」

(けんしゅうは10じからはじまるのでじかんまでにしせつへいどうする。)

研修は10時から始まるので時間までに施設へ移動する。

(わたしたちがけんしゅうにむかったしせつは、ねんれいは5さいから18さいまでの)

私たちが研修に向かった施設は、年齢は5歳から18歳までの

(こどもたちがにゅうしょしているふくししせつ。)

子供達が入所している福祉施設。

(まずしせつちょうからせつめいをうけた。)

まず施設長から説明を受けた。

(「ここにいるこどもたちは、おやがふくえきちゅうのこども、)

「ここにいる子供たちは、親が服役中の子供、

(にちじょうてきにおやからぼうりょくをうけているこども、)

日常的に親から暴力を受けている子供、

(いくじほうきでそふぼのもとでそだったが、よういくしていた)

育児放棄で祖父母のもとで育ったが、養育していた

(そふぼがなくなってしまったこどもなどさまざまです。)

祖父母が無くなってしまった子供など様々です。

(こどもたちのこころにかかえているものはふかく、)

子供達の心に抱えているものは深く、

など

(ここへきてからいちどもわらったことのないこもいます。)

ここへ来てから一度も笑ったことのない子もいます。

(はなしをしないこどももいます。)

話をしない子供もいます。

(しょくいんとのかかわりをきょひするこども。)

職員との関りを拒否する子供。

(ただそのなかでひとつだけみなきょうつうしていることがあります。)

ただその中で一つだけみな共通していることがあります。

(それは、じぶんよりとししたのものをまもるというきもちです。)

それは、自分より年下の者を守るという気持ちです。

(ほんもののきょうだいいじょうのなにかきずながあるのでしょう。)

本物の兄弟以上の何か絆があるのでしょう。

(われわれがまいにちせっしているなかで、そういうばめんによくでくわします。)

我々が毎日接している中で、そういう場面によく出くわします。

(ここにいるしょくいんすべてはこどもたちのめをみてはなす、)

ここにいる職員すべては子供たちの目を見て話す、

(めをみながらはなしをきくということをてっていしていっています。)

眼を見ながら話を聞くという事を徹底して行っています。

(いっぽうてきなはんだんはぜったいにしません。)

一方的な判断は絶対にしません。

(ここにいるこどもたちにはみらいにぜつぼうしてほしくはない。)

ここにいる子供達には未来に絶望してほしくはない。

(しょくいんいちどうおなじおもいでせっしています。)

職員一同同じ思いで接しています。

(みなさんはがっこうのせんせいやようちえんほいくえんのせんせいたちです、)

皆さんは学校の先生や幼稚園保育園の先生たちです、

(こどもたちをとくべつなめでみないでください。)

子供達を特別な目で見ないで下さい。

(おねがいします。」)

お願いします。」

(かなりおもいないようのはなしだった。)

かなり重い内容の話だった。

(わたしにはこどもたちとかかわることにたいしてふあんしかなかった。)

私には子供達と関わることに対して不安しかなかった。

(「きはらせんせい、すまいる、すまいる、くらいかおしてたらこどもにつたわりますよ。」)

「木原先生、スマイル、スマイル、暗い顔してたら子供につたわりますよ。」

(そういってたけうちせんせいにかたをぽんとたたかれた。)

そう言って竹内先生に肩をポンと叩かれた。

(「そ、そうですよね。ありがとうございます。」)

「そ、そうですよね。ありがとうございます。」

(たけうちせんせいのことばにあんがいしっかりしてるんじゃない?とすこしみなおした。)

竹内先生の言葉に案外しっかりしてるんじゃない?と少し見直した。

(しせつちょうのあんないでこどもたちのところへあんないされたわたしたち。)

施設庁の案内で子供たちのところへ案内された私たち。

(「みんなあつまって。」)

「みんな集まって。」

(こどもたちがこちらへはしってあつまってきた。)

子供達がこちらへ走って集まってきた。

(「しょうかいする、きょう1にちきみたちといっしょにここですごすせんせいたちだ。)

「紹介する、今日1日君たちと一緒にここで過ごす先生たちだ。

(ではみんなにじこしょうかいをしてもらえますか。」)

ではみんなに自己紹介をしてもらえますか。」

(「ぼくはたけうちあおいです、しょうがく2ねんのたんにんです。よろしくおねがいします。」)

「僕は竹内葵です、小学2年の担任です。よろしくお願いします。」

(「わたしはきはらまきです。ほいくしです、よろしくおねがいします。」)

「私は木原真樹です。保育士です、よろしくお願いします。」

(「わたしはなかのゆうこです、ほいくしです、よろしくおねがいします。」)

「私は中野裕子です、保育士です、よろしくお願いします。」

(「ぼくはきたもりしょうごです、しょうがく1ねんのたんにんです、よろしくおねがいします。」)

「僕は北森省吾です、小学1年の担任です、よろしくお願いします。」

(「ぼくはおのしんやです、ようちえんのせんせいです、よろしくおねがいします。」)

「僕は小野信也です、幼稚園の先生です、よろしくお願いします。」

(「わたしはおのゆみです、ようちえんのせんせいです、よろしくおねがいします。」)

「私は小野由美です、幼稚園の先生です、よろしくお願いします。」

(「わたしはかじわらみどりです、ほいくしです、よろしくおねがいします。」)

「私は梶原みどりです、保育士です、よろしくお願いします。」

(「わたしはみやもとあすかです、しょうがく3ねんのたんにんです、よろしくおねがいします。」)

「私は宮本明日香です、小学3年の担任です、よろしくお願いします。」

(「みんなきょう1にちせんせいたちとたのしくすごしてください。」)

「みんな今日1日先生たちと楽しく過ごしてください。」

(「はーい。」)

「はーい。」

(がくねんのちいさなこどもたちはげんきよくへんじをしてくれた。)

学年の小さな子供たちは元気よく返事をしてくれた。

(だかがくねんのこどもたちはわたしたちのことをかんさつしているようだった。)

高学年の子供達は私たちの事を観察しているようだった。

(ちいさなこどもたちがすうにんではしってきた。)

小さな子供たちが数人で走ってきた。

(「ねえきてきて。」)

「ねえ来て来て。」

(そういってひとりはわたしのてを、もうひとりはたけうちせんせいのてをつかんで)

そう言って一人は私の手を、もう一人は竹内先生の手を掴んで

(はしりはじめた。)

走り始めた。

(「さあ、なにしようかな~。」)

「さあ、何しようかな~。」

(たけうちせんせいはそういいながらこどもたちといっしょにはしっている。)

竹内先生はそう言いながら子供たちと一緒に走っている。

(わたしのてをつかんでいるおとこのこは)

私の手を掴んでいる男の子は

(「せんせい、くちがたい?」)

「先生、口堅い?」

(そうきいてきた。)

そう聞いてきた。

(「ないしょのはなしならぜったいにはなさないよ。」)

「内緒の話なら絶対に話さないよ。」

(「ならよかった。みんなしんようしてくれないんだ。」)

「なら良かった。みんな信用してくれないんだ。」

(そういうとおとこのこはまたはしりだした。)

そう言うと男の子はまた走り出した。

(わたしとたけうちせんせいはしせつのにしがわにあるかだんのわきにあるうさぎごやへきた。)

私と竹内先生は施設の西側にある花壇の脇にあるウサギ小屋へ来た。

(「よし、いいな。」)

「よし、いいな。」

(そういうとこどもたちはかおをみてうなずいた。)

そう言うと子供たちは顔を見て頷いた。

(「いまからはなすことはぜったいにないしょだよ。」)

「今から話すことは絶対に内緒だよ。」

(「わかった、だれにもいわない、やくそくだ。」)

「わかった、誰にも言わない、約束だ。」

(そういうとたけうちせんせいはこゆびをだした、そしてわたしのかおをみた。)

そう言うと竹内先生は小指を出した、そして私の顔を見た。

(わたしにもそうしろといっているようだったので、こゆびをだした。)

私にもそうしろと言っているようだったので、小指を出した。

(「まず、なまえをおしえてもらおうかな。」)

「まず、名前を教えてもらおうかな。」

(「うん、おれ、かずま。いしがみかずま。しょうがっこう4ねん。」)

「うん、おれ、一馬。石上一馬。小学校4年。」

(「ぼくは、かなもりまさとも4ねんせい。」)

「僕は、金森正人も4年生。」

(「かずまにまさとだな、よろしくな。」)

「一馬に正人だな、よろしくな。」

(「あのさ、せんせいたちはじぶんとはなせる?」)

「あのさ、先生たちは自分と話せる?」

(なにいってるの?このこたち。)

何言ってるの?この子たち。

(「どういうこと?」)

「どういう事?」

(「わらわない?」)

「笑わない?」

(「ぜったいにわらったりしない。」)

「絶対に笑ったりしない。」

(「わたしも。」)

「私も。」

(「おれたちふたりとも、じぶんとはなせるんだ。」)

「俺達二人とも、自分と話せるんだ。」

(「うん、ぼくもはなせるよ。」)

「うん、僕も話せるよ。」

(「このあいだいっしょにおふろにはいったんだけどさ、そのときさきにはいってた、)

「この間一緒にお風呂に入ったんだけどさ、その時先に入ってた、

(かずまがおふろではなしをしてたんだ、ひとりではなしていかったり、わらったりさ。」)

一馬がお風呂で話をしてたんだ、一人で話して怒ったり、笑ったりさ。」

(「おれやばいっておもってだまったら、まさとがぼくにもきこえるよっていったんだ。」)

「俺やばいって想って黙ったら、正人が僕にも聞こえるよって言ったんだ。」

(そのとき、)

その時、

(「おまえとおなじだな。」)

「お前と同じだな。」

(「あなたとおなじね。」)

「あなたと同じね。」

(こえがきこえた。)

声が聞こえた。

(すると、)

すると、

(「えっ!せんせいたちはなせるの?」)

「えっ!先生たち話せるの?」

(こどもたちがおどろいたかおをしてわたしたちをみた。)

子供達が驚いた顔をして私たちを見た。

(わたしとたけうちせんせいもおたがいのかおをみあわせた。)

私と竹内先生もお互いの顔を見合わせた。

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