銀河鉄道の夜 34

(沈没船の乗客2/6)
腰かけたばかりの男の子は顔をへんにして、燈台看守の向こうの席にすわったばかりの青年にいいました。
関連タイピング
-
自作小説
プレイ回数72長文1966打 -
プレイ回数2224短文254打
-
自作小説
プレイ回数27長文1550打 -
自作小説
プレイ回数17長文2060打 -
岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ 第八話
プレイ回数445長文2187打 -
岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ
プレイ回数630長文2757打 -
岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ 第八話
プレイ回数427長文2125打 -
岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ 第八話
プレイ回数424長文1707打
問題文
(「ぼく、おおねえさんのとこへいくんだよう。」)
「ぼく、大ねえさんのとこへ行くんだよう。」
(こしかけたばかりのおとこのこはかおをへんにして)
腰かけたばかりの男の子は顔をへんにして
(とうだいかんしゅのむこうのせきにすわったばかりのせいねんにいいました。)
燈台看守の向こうの席にすわったばかりの青年にいいました。
(せいねんはなんともいえずかなしそうなかおをして、)
青年はなんともいえず悲しそうな顔をして、
(じっとそのこの、ちぢれてぬれたあたまをみました。)
じっとその子の、ちぢれてぬれた頭を見ました。
(おんなのこは、いきなりりょうてをかおにあてて)
女の子は、いきなり両手を顔にあてて
(しくしくないてしまいました。)
しくしく泣いてしまいました。
(「おとうさんやきくよねえさんは)
「お父さんやきくよ姉さんは
(まだいろいろおしごとがあるのです。)
まだいろいろお仕事があるのです。
(けれどももうすぐあとからいらっしゃいます。)
けれどももうすぐあとからいらっしゃいます。
(それよりも、)
それよりも、
(おっかさんはどんなにながくまっていらっしゃったでしょう。)
おっかさんはどんなに長く待っていらっしゃったでしょう。
(わたしのだいじなただしはいまどんなうたをうたっているだろう、)
わたしのだいじなタダシはいまどんな歌をうたっているだろう、
(ゆきのふるあさにみんなとてをつないで)
雪の降る朝にみんなと手をつないで
(ぐるぐるにわとこのやぶをまわってあそんでいるだろうかとかんがえたり、)
ぐるぐるニワトコの藪をまわってあそんでいるだろうかと考えたり、
(ほんとうにまってしんぱいしていらっしゃるんですから、)
ほんとうに待って心配していらっしゃるんですから、
(はやくいっておっかさんにおめにかかりましょうね。」)
早く行っておっかさんにお目にかかりましょうね。」
(「うん、だけどぼく、ふねにのらなきゃよかったなあ。」)
「うん、だけどぼく、船に乗らなきゃよかったなあ。」
(「ええ、けれど、ごらんなさい。)
「ええ、けれど、ごらんなさい。
(そら、どうです、あのりっぱなかわ、)
そら、どうです、あのりっぱな川、
(ね、あすこはあのなつじゅう、)
ね、あすこはあの夏中、
(ついんくる、りとる、すたーをうたってやすむとき、)
ツインクル、リトル、スターを歌って休むとき、
(いつもまどからぼんやりしろくみえていたでしょう。)
いつも窓からぼんやり白く見えていたでしょう。
(あすこですよ。ね、きれいでしょう、あんなにひかっています。」)
あすこですよ。ね、きれいでしょう、あんなに光っています。」
(ないていたあねもはんけちでめをふいてそとをみました。)
泣いていた姉もハンケチで目をふいて外を見ました。