銀河鉄道の夜 48

(渓谷と高原3/3)
「ええ、ええ、川までは二千尺から六千尺あります。もうまるでひどい峡谷になっているんです。」
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問題文
(すきとおったがらすのようなふえがなって、きしゃはしずかにうごきだし、)
すきとおったガラスのような笛が鳴って、汽車はしずかに動き出し、
(かむぱねるらもさびしそうに、ほしめぐりのくちぶえをふきました。)
カムパネルラもさびしそうに、星めぐりの口笛を吹きました。
(「ええ、ええ、もうこのへんはひどいこうげんですから。」)
「ええ、ええ、もうこのへんはひどい高原ですから。」
(うしろのほうでだれかとしよりらしいひとの)
うしろの方で誰かとしよりらしい人の
(いまめがさめたというふうで、はきはきはなしているこえがしました。)
いま目がさめたというふうで、はきはきはなしている声がしました。
(「とうもろこしだってぼうでにしゃくもあなをあけておいて、)
「とうもろこしだって棒で二尺もあなをあけておいて、
(そこへまかないとはえないんです。」)
そこへまかないと生えないんです。」
(「そうですか。かわではよほどありましょうかねえ。」)
「そうですか。川ではよほどありましょうかねえ。」
(「ええ、ええ、かわまではにせんしゃくからろくせんしゃくあります。)
「ええ、ええ、川までは二千尺から六千尺あります。
(もうまるでひどいきょうこくになっているんです。」)
もうまるでひどい峡谷になっているんです。」
(そうそうここはころらどのこうげんじゃなかったろうか、)
そうそうここはコロラドの高原じゃなかったろうか、
(じょばんにはおもわずそうおもいました。)
ジョバンニは思わずそう思いました。
(かむぱねるらはまださびしそうにひとりくちぶえをふき、)
カムパネルラはまださびしそうにひとり口笛を吹き、
(おんなのこはまるできぬでつつんだりんごのようなかおいろをして)
女の子はまるで絹でつつんだりんごのような顔いろをして
(じょばんにのみるほうをみているのでした。)
ジョバンニの見る方を見ているのでした。
(とつぜんとうもろこしがなくなって)
突然とうもろこしがなくなって
(おおきなくろいのはらがいっぱいひらけました。)
大きな黒い野原がいっぱいひらけました。