何気ない朝(愚者の正位置)

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投稿者投稿者死神の嫁いいね1お気に入り登録
プレイ回数581難易度(4.6) 2018打 長文 長文モードのみ
タロットカードを題材にした、オリジナル小説です
別サイトにて投稿している小説をタイピングにしてみました!
最初のカード、愚者の正位置との話です。
面白いと思ってもらえたり、カードのことを知っていただけると嬉しいです!

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問題文

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(そのひ、わたしはいつもどおりめざましがなるまえに、おきていた。)

その日、私はいつも通り目覚ましが鳴る前に、起きていた。

(いや、せいかくにはおこされていた。)

いや、正確には起こされていた。

(「あるじ~、おきろって!」)

「主~、起きろって!」

(とあるじんぶつの、こえによって。)

とある人物の、声によって。

(かれはたろっとかーどのいちまい、「ぐしゃ」のせいいちとよばれるかーどである。)

彼はタロットカードの一枚、『愚者』の正位置と呼ばれるカードである。

(わたしのしょゆうするたろっとかーどは、ぜんいんで78まい。)

私の所有するタロットカードは、全員で78枚。

(ぐしゃはそのうちのいっぱんてきにだいあるかなとよばれている22まいにしょぞくしている。)

愚者はそのうちの一般的に大アルカナと呼ばれている22枚に所属している。

(かれらとかいわができるようになったのは、はじめてであったときだった。)

彼らと会話ができるようになったのは、初めて出会った時だった。

(さいしょこそはおどろいたものの、こうまいにちかいわをすればなれてしまう。)

最初こそは驚いたものの、こう毎日会話をすれば慣れてしまう。

(「はいはい、きょうもきみのおかげですっきりおきれました」)

「はいはい、今日も君のおかげでスッキリ起きれました」

(「へへ、だろ?」)

「へへ、だろ?」

(ぐしゃはなまえにあわないほどげんきだ。)

愚者は名前に合わないほど元気だ。

(いつもこのちょうしで、わたしをきまったじかんにおこす。)

いつもこの調子で、私を決まった時間に起こす。

(りゆうをきいてみると)

理由を聞いてみると

(「はやおきはさんもんのとくであり、あさのかぎられたここちいいせかいをたいかんしてほしいから」)

『早起きは三文の徳であり、朝の限られた心地いい世界を体感してほしいから』

(だそうだが、こちらのつごうはいっさいはいりょしてくれない。)

だそうだが、こちらの都合は一切配慮してくれない。

(「ほかのみんなはもうおきてるの?」)

「他の皆はもう起きてるの?」

(「せいいちぐみはな!」)

「正位置組はな!」

(「やっぱりか」)

「やっぱりか」

(たろっとかーどには、せいいちとぎゃくいちがそんざいする。)

タロットカードには、正位置と逆位置が存在する。

など

(かーどのむきによって、いみがぎゃくてんしてしまうのだ。)

カードの向きによって、意味が逆転してしまうのだ。

(たとえばぐしゃのばあい、ぐしゃのせいいち(いまはなしをしているぐしゃ)のいみは)

例えば愚者の場合、愚者の正位置(今話をしている愚者)の意味は

(「ちょうせん」「はっけん」など。)

『挑戦』『発見』など。

(かーどがさかさまになったじょうたい、ぎゃくいちのいみは)

カードがさかさまになった状態、逆位置の意味は

(「うらぎり」「しっぱい」などになる。)

『裏切り』『失敗』などになる。

(それによってかーどのじんかくにもえいきょうがあり)

それによってカードの人格にも影響があり

(いちまいのかーどに2りいるといったぐあいになるのである。)

一枚のカードに2人いるといった具合になるのである。

(「ぐしゃははやおきなんだね、ねむくないの?」)

「愚者は早起きなんだね、眠くないの?」

(「こっちのせかいではならねえな、じぶんのせかいにかえったらねむいけど」)

「こっちの世界ではならねえな、自分の世界に帰ったら眠いけど」

(「へぇ、べんりだね~」)

「へぇ、便利だね~」

(かれらはそれぞれ、じぶんのせかいをもっている。)

彼らはそれぞれ、自分の世界を持っている。

(わたしがうらないをしたりするときいがいは、じぶんたちのせかいにもどっているそうだ。)

私が占いをしたりするとき以外は、自分たちの世界に戻っているそうだ。

(かーどによって、せかいのかたちはさまざま。)

カードによって、世界の形は様々。

(なんどかあんないされたことがあるが、いついってもふしぎである。)

何度か案内されたことがあるが、いつ行っても不思議である。

(「んなこともねえよ。どのせかいであっても、たいりつがおこるし。)

「んなこともねえよ。どの世界であっても、対立が起こるし。

(けどな、たいりつってのはあんがいいいもんだぜ?)

けどな、対立ってのは案外いいもんだぜ?

(じぶんではきづかない、おもいつかないはっそうがみつかるしな!」)

自分では気づかない、思いつかない発想が見つかるしな!」

(ぐしゃはときどきいいことをいう。)

愚者は時々いいことを言う。

(それはかれのつかさどる「はっけん」がえいきょうしているのだろう。)

それは彼の司る『発見』が影響しているのだろう。

(ひととかかわるからたいりつがうまれる、そこからひとはせいちょうしていくのだと、かれはいう。)

人と関わるから対立が生まれる、そこから人は成長していくのだと、彼は言う。

(「ひとって、ひとりじゃいきられないもんね」)

「人って、一人じゃ生きられないもんね」

(「ああ。じぶんじゃないだれかがいるから、ひとはいきられるんだ。)

「ああ。自分じゃない誰かがいるから、人は生きられるんだ。

(それをわすれるなよ?」)

それを忘れるなよ?」

(いつものむじゃきなえがおでぐしゃはわたしのあたまをわしゃわしゃとなでた。)

いつもの無邪気な笑顔で愚者は私の頭をワシャワシャと撫でた。

(いつものあさ、ふしぎでここちいいじかん。)

いつもの朝、不思議で心地いい時間。

(わたしはこのじかんとぐしゃにかんしゃをし、ちょうしょくをとるためにしんしつをでたのだった。)

私はこの時間と愚者に感謝をし、朝食を摂るために寝室を出たのだった。

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