グロースターの仕立屋 5/13

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プレイ回数957難易度(4.5) 1134打 長文
茶碗の下から出てきた紳士ねずみは、仕立屋にお辞儀をした
ピーター・ラビットのお話 15
ベアトリクス・ポター 作

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問題文

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(したてやは、またまたひのそばにすわって、)

仕立屋は、またまた火のそばに座って、

(つめたいてをあたため、ひとりごとした。)

冷たい手をあたため、一人言した。

(「ちょっきはぴんくのさてんでたった・・・)

「チョッキはピンクのサテンで裁った・・・

(うつくしいかまいとで、ばらのつぼみがさしてある。)

美しいかま糸で、薔薇のつぼみが刺してある。

(さいごのぎんかをしんぷきんにわたしたのは、まちがいではなかったかな?)

最後の銀貨をシンプキンにわたしたのは、間違いではなかったかな?

(べにいろのあないとでかがるぼたんほーるは、20とひとつ!」)

べに色の穴糸でかがるボタン・ホールは、20とひとつ!」

(ところが、そのときとつぜん、またしょっきだなからちいさなおとがきこえてきた。)

ところが、そのとき突然、また食器棚から小さな音が聞こえてきた。

(かたこと、かたこと、かたことかた!)

カタコト、カタコト、カタコトカタ!

(「これは、またふしぎな!」としたてやはいって、)

「これは、また不思議な!」と仕立屋はいって、

(ふせてあったちゃわんを、もうひとつあけた。)

ふせてあった茶碗を、もう一つ開けた。

(すると、でてきたのは、ちいさなしんしねずみで、)

すると、出てきたのは、小さな紳士ねずみで、

(ねずみは、したてやにこしをかがめてえしゃくした。)

ねずみは、仕立屋に腰をかがめて会釈した。

(ところが、こうなると、しょっきだなのうえじゅうに、)

ところが、こうなると、食器棚の上じゅうに、

(かたことかたのがっしょうがはじまって、いっしょにひびかせ、またうけこたえて、)

カタコトカタの合唱が始まって、いっしょにひびかせ、また受け応えて、

(おとをたてるところは、むしにくわれたふるいよろいどで、)

音をたてるところは、虫にくわれた古い鎧戸で、

(かちかちむしがなきたてるのに、にていた。)

カチカチ虫が鳴きたてるのに、似ていた。

(かたこと、かたこと、かたことかた!)

カタコト、カタコト、カタコトカタ!

(そして、どのちゃわんからも、どんぶりからも、)

そして、どの茶碗からも、どんぶりからも、

(ちいさなねずみがつぎつぎにあらわれて、たなをとびおり、)

小さなねずみがつぎつぎに現れて、棚を飛び降り、

(はめいたのあなにはいっていった。)

羽目板の穴に入っていった。

など

(したてやは、いっそうひのちかくにすわってなげいた。)

仕立屋は、いっそう火の近くに座ってなげいた。

(「べにいろのあないとで、かがるぼたんほーるは20とひとつ!)

「べに色の穴糸で、かがるボタン・ホールは20とひとつ!

(どようびのひるまでに、しあげにゃならぬ。)

土曜日の昼までに、仕上げにゃならぬ。

(そして、きょうはかようびだ。)

そして、今日は火曜日だ。

(あのねずみたちをにがしてやったのは、まちがいではなかったか。)

あのねずみたちを逃してやったのは、間違いではなかったか。

(あれは、たしかにしんぷきんのもちものだ。)

あれは、たしかにシンプキンの持ち物だ。

(やれやれ、わしももうおしまいだ。あないとがたりぬ」)

やれやれ、わしももうおしまいだ。穴糸が足りぬ」

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