オオカミ王ロボ 7

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投稿者投稿者ヤマセミいいね1お気に入り登録
プレイ回数661難易度(4.2) 1517打 長文 かな
シートン動物記
アーネスト・トムソン・シートン作
偕成社文庫

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問題文

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(なつのあさ、まだよるがあけきらぬころ、いったいはいさみたってしゅっぱつした。)

夏の朝、まだ夜が明けきらぬ頃、一隊は勇み立って出発した。

(ほどなく、このおおきないぬたちは、うれしそうなさけびごえをあげはじめた。)

ほどなく、この大きな犬たちは、嬉しそうな叫び声を上げ始めた。

(はやくも、えもののにおいをかぎつけたのだ。)

早くも、獲物の匂いを嗅ぎつけたのだ。

(さんきろもいかないうちに、)

三キロもいかないうちに、

(からんぽーのむほうものどものはいいろがかったすがたが、めにうつった。)

カランポーの無法者どもの灰色がかった姿が、目にうつった。

(りょうけんとひとはいよいよあしをはやめ、もうれつなついげきにうつった。)

猟犬と人はいよいよ足を早め、猛烈な追撃にうつった。

(うるふはうんどのしごとというのは、ただおおかみをおいつめるまでで、)

ウルフハウンドの仕事というのは、ただオオカミを追い詰めるまでで、

(あとは、しゅじんがかけつけてじゅうでうちとるのをまっていればよい。)

後は、主人が駆けつけて銃で打ち取るのを待っていれば良い。

(これはてきさすのだいへいげんでは、いともたやすくできた。)

これはテキサスの大平原では、いともたやすくできた。

(ところがここでは、すこしようすがちがう。ちけいがものをいうのである。)

ところがここでは、少し様子が違う。地形がものをいうのである。

(だいたいろぼがこのちをすみかにしたことが、すでにおどろくべきことなのである。)

だいたいロボがこの地を住処にしたことが、すでに驚くべきことなのである。

(かれはたくみに、このちけいをりようした。)

彼は巧みに、この地形を利用した。

(ここからんぽーでは、いわだらけのたにまとしりゅうのむれが、)

ここカランポーでは、岩だらけの谷間と支流の群れが、

(あらゆるところでへいげんをさえぎっている。)

あらゆるところで平原をさえぎっている。

(ろぼは、そうゆうもののいちばんちかいところをめざしてかけつけ、)

ロボは、そうゆうものの一番近いところを目指して駆けつけ、

(あっさりわたって、ばじょうのにんげんをひきはなしてしまうのだ。)

あっさり渡って、馬上の人間を引き離してしまうのだ。

(それからおおかみのいったいはちりぢりにわかれる。)

それからオオカミの一隊は散り散りに分かれる。

(そこでいぬのほうもわかれるのだが、)

そこで犬の方も分かれるのだが、

(とおくへいってからまたおおかみどもがあつまると、もちろんそのときには、)

遠くへ行ってからまたオオカミどもが集まると、もちろんそのときには、

(ぜんぶのいぬがそろうというわけにはいかない。)

全部の犬が揃うという訳にはいかない。

など

(こうなるとおおかみのほうは、かずでもまけないから、)

こうなるとオオカミの方は、数でも負けないから、

(たちまちはんげきにうつって、あいてをころしたり、ひどいきずをおわせるのだ。)

たちまち反撃にうつって、相手を殺したり、ひどい傷をおわせるのだ。

(そのよるたなりーがいぬをよびあつめてみると、もどったのはわずかろくとうで、)

その夜タナリーが犬を呼び集めてみると、もどったのはわずか六頭で、

(しかも、なかのにとうはみるもむざんなかききずをおっていた。)

しかも、なかの二頭は見るも無残な掻き傷をおっていた。

(それでも、このおおかみおうのくびをとろうとして、)

それでも、このオオカミ王の首をとろうとして、

(たなりーはもうにどほどがんばった。)

タナリーはもう二度ほど頑張った。

(だが、そのけっかは、はじめのときとすこしもかわりばえがしなかったようだ。)

だが、その結果は、初めの時と少しも代り映えがしなかったようだ。

(おまけにさいごのときには、たいせつなうまをころばせてころしてしまった。)

おまけに最後のときには、大切な馬を転ばせて殺してしまった。

(こんなわけで、たなりーはこのしごとにつくづくいやけがさし、)

こんなわけで、タナリーはこの仕事につくづく嫌気がさし、

(あきらめて、てきさすへかえってしまったのだ。)

あきらめて、テキサスへ帰ってしまったのだ。

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