半七捕物帳 弁天娘14

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投稿者投稿者さうっちゃんいいね0お気に入り登録
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岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ 第13話
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 すもさん 6154 A++ 6.3 96.4% 338.8 2164 79 35 2024/04/15
2 kkk4015 4968 B 5.1 97.4% 406.8 2076 55 35 2024/04/10

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問題文

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(「なにかこころあたりがありますかえ」)

四 「なにか心当りがありますかえ」

(はんしちはりへえのくらいかおをのぞきながらきくと、こんどはかれのかたるばんになった。)

半七は利兵衛の暗い顔をのぞきながら訊くと、今度は彼の語る番になった。

(「じつはきょねんのふゆでございました。いんきょがかぜをひいてはんつきばかり)

「実は去年の冬でございました。隠居が風邪を引いて半月ばかり

(ふせっていたことがございます。そのかんびょうにてがたりないので、)

臥(ふ)せっていたことがございます。その看病に手が足りないので、

(みせのほうからこぞうをひとりよこしてくれということでしたから、あのおときちを)

店の方から小僧を一人よこしてくれと云うことでしたから、あの音吉を

(やりましたところが、あれはおうちゃくでいけないというのでいちにちでかえされまして、)

やりましたところが、あれは横着でいけないというので一日で帰されまして、

(そのかわりにとくじろうをやりますと、こんどはたいそうおこのさんのきにいりまして、)

その代りに徳次郎をやりますと、今度は大層お此さんの気に入りまして、

(びょうにんのおきるまでいんきょじょのほうにつめきりでございました。)

病人の起きるまで隠居所の方に詰め切りでございました。

(そのあともなにかいんきょじょのほうにようがあると、いつでもとくじろうをよこせと)

その後もなにか隠居所の方に用があると、いつでも徳次郎をよこせと

(いうことでしたが、まえのことがありますのでべつにふしぎにもおもって)

云うことでしたが、前のことがありますので別に不思議にも思って

(いませんでした。しょうがつのやぶいりのときにも、おこのさんからべつにいくらか)

いませんでした。正月の藪入りの時にも、お此さんから別にいくらか

(こづかいをやったようでした。それからこのにがつのはじめごろでございました。)

小遣いをやったようでした。それからこの二月の初め頃でございました。

(よなかににわぐちのあまどをまいばんゆすぶるものがあるといって、こおんなのおくまが)

夜なかに庭口の雨戸を毎晩ゆすぶる者があるといって、小女のお熊が

(こわがりますので、みせのほうでもしんぱいしておこのさんにきいてみますと、)

怖がりますので、店の方でも心配してお此さんに訊いてみますと、

(それはおくまがなにかねぼけたので、そんなことはちっともないと)

それはお熊がなにか寝ぼけたので、そんなことはちっとも無いと

(かたくいいきりましたから、こちらでもあんしんしてそのままにいたして)

堅く云い切りましたから、こちらでも安心してその儘(まま)にいたして

(しまいましたが、いまとなってはそれやこれやをおもいあわせますと、)

しまいましたが、今となってはそれやこれやを思いあわせますと、

(なるほどおまえさんのごかんていがまちがいのないところでございましょう。)

なるほどお前さんの御鑑定が間違いのないところでございましょう。

(まったくおそれいりました。てまえどもがそばにおりながら、しょうばいにかまけて)

まったく恐れ入りました。手前どもがそばに居りながら、商売にかまけて

(いっこうそのあたりのことにこころづきませんで、まことにめんぼくしだいもないことで)

一向その辺のことに心づきませんで、まことに面目次第もないことで

など

(ございます。そこで、おやぶんさん。このことはしゅじんにだけはないないで)

ございます。そこで、親分さん。このことは主人にだけは内々で

(はなしておくほうがよろしゅうございましょうね」)

話して置く方がよろしゅうございましょうね」

(「だんなにだけはうちあけておくほうがいいでしょう。またあとのことも)

「旦那にだけは打ち明けて置く方がいいでしょう。又あとのことも

(ありますからね」)

ありますからね」

(「おおきにさようでございます。どうもいろいろありがとうございました」)

「大きに左様でございます。どうもいろいろありがとうございました」

(ここのかんじょうはりへえがはらうというのをむりにことわって、はんしちはつれだって)

ここの勘定は利兵衛が払うというのを無理にことわって、半七は連れだって

(おもてへでると、あめあがりのはるのよいはあたたかいもやにつつまれていた。)

表へ出ると、雨あがりの春の宵はあたたかい靄(もや)につつまれていた。

(ちっとばかりのさけのよいにうすらねむくなって、もうおまつりでもないとおもったが、)

ちっとばかりの酒の酔いに薄ら眠くなって、もうお祭りでもないと思ったが、

(どうしてもかおだしをしなければぎりのわるいところがあるので、)

どうしても顔出しをしなければ義理の悪いところがあるので、

(おそくもこれからちょっとまわってこようと、はんしちはここでりへえとわかれた。)

遅くもこれからちょっと廻って来ようと、半七はここで利兵衛と別れた。

(あさくさのなみきでいっけん、ひろこうじでいっけん、ゆくさきざきでまつりのさけをしいられて、)

浅草の並木で一軒、広小路で一軒、ゆくさきざきで祭りの酒をしいられて、

(げこのはんしちはいよいよよいつぶれたので、ひろこうじからかごを)

下戸(げこ)の半七はいよいよ酔い潰れたので、広小路から駕籠を

(たのんでもらって、そのばんのよっつ(ごごじゅうじ)すぎにかんだのうちへかえった。)

頼んで貰って、その晩の四ツ(午後十時)過ぎに神田の家へ帰った。

(かえると、すぐにねどこへころげこんで、あしたのあさまでしょうたいもなしに)

帰ると、すぐに寝床へころげ込んで、あしたの朝まで正体も無しに

(ねてしまった。)

寝てしまった。

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