103 ヘンデルの『メサイア』

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(1741ねん、じょーじふりでりっくへんでるは、)

1741年、ジョージ・フリデリック・ヘンデルは、

(あいるらんどそうとくからだぶりんでのじぜんこんさーとように)

アイルランド総督からダブリンでの慈善コンサート用に

(がくきょくをつくってほしいとのいらいをうけた。)

楽曲を作ってほしいとの依頼を受けた。

(8がつ22にちからの24にちかん、へんでるはもうすぴーどで)

8月22日からの24日間、ヘンデルは猛スピードで

(しごとをすすめ、のちにかれのもっともゆうめいなさくひんとなる)

仕事を進め、のちに彼の最も有名な作品となる

(おらとりお「めさいあ」をかんせいさせた。)

オラトリオ『メサイア』を完成させた。

(すでにろんどんではゆうめいだったへんでるだが、)

すでにロンドンでは有名だったヘンデルだが、

(この「めさいあ」をさっきょくしたことで、かれのなは)

この『メサイア』を作曲したことで、彼の名は

(みらいえいごう、ふきゅうのものとなった。げんざいでも、)

未来永劫、不朽のものとなった。現在でも、

(くりすますのきせつになるとせかいじゅうのがっしょうだんが)

クリスマスの季節になると世界中の合唱団が

(このきょくをうたってくりすますをいわう。)

この曲を歌ってクリスマスを祝う。

(おらとりおというじゃんるは、17せいきにはじまる。)

オラトリオというジャンルは、17世紀に始まる。

(もともと「おらとりお」とは、16~17せいきの)

もともと「オラトリオ」とは、16~17世紀の

(かとりっくきょうかいにふぞくしていたきとうじょをさす)

カトリック教会に付属していた祈祷所を指す

(ことばで、こうしたがっきょくが、ふっかつさいまえのかいしゅんの)

言葉で、こうした楽曲が、復活祭前の悔悛の

(きせつにげきじょうがへいさされているあいだきとうじょで)

季節に劇場が閉鎖されているあいだ祈祷所で

(えんそうされていたことから、がっきょくそのものも)

演奏されていたことから、楽曲そのものも

(おらとりおとよばれるようになった。)

オラトリオと呼ばれるようになった。

(おらとりおは、せいがくとおーけすとらによって)

オラトリオは、声楽とオーケストラによって

(えんそうされるきょくで、どくしょうぶとがっしょうぶがこうごに)

演奏される曲で、独唱部と合唱部が交互に

など

(とうじょうし、ほとんどのばあい、とうじょうじんぶつとすじがきの)

登場し、ほとんどの場合、登場人物と筋書きの

(あるものがたりふうのかしがつけられている。)

ある物語風の歌詞がつけられている。

(おぺらからえんげきとしてのようそをとりさったもの)

オペラから演劇としての要素を取り去ったもの

((いしょうはなく、えんぎもせず、こんさーとほーるで)

(衣装はなく、演技もせず、コンサートホールで

(えんそうする)とかんがえればいいだろう。)

演奏する)と考えればいいだろう。

(いっぱんてきなおらとりおとはちがって、)

一般的なオラトリオとは違って、

(「めさいあ」はすとーりーがちょくせんてきにはしんこうしない。)

『メサイア』はストーリーが直線的には進行しない。

(きりすとのこうたんじゅなんふっかつが、せいしょちゅうの)

キリストの降誕・受難・復活が、聖書中の

(よげんもとりいれながらだんぺんてきにかたられる。)

預言も取り入れながら断片的に語られる。

(こうしたないようは、おもにせぞくてきなきょくをつくって)

こうした内容は、おもに世俗的な曲を作って

(きたへんでるにはめずらしいものだった。)

きたヘンデルには珍しいものだった。

(ゆうめいながっしょう「はれるや」は、もっともひろくしられて)

有名な合唱『ハレルヤ』は、最も広く知られて

(いるばろっくさくひんのひとつであり、それいがいにも、)

いるバロック作品のひとつであり、それ以外にも、

(「われわれはみなひつじのようにまよって」や)

『われわれはみな羊のように迷って』や

(「ひとりのみどりごがわれわれのために)

『ひとりのみどりごがわれわれのために

(うまれた」などのがっしょうきょくもゆうめいだ。)

生まれた』などの合唱曲も有名だ。

(1742ねんだぶりんでのしょえんでだいせいこうをおさめたことで、)

1742年ダブリンでの初演で大成功を収めたことで、

(へんでるのめいせいはきゅうげきにあがり、しょうぎょうさっきょくかとしての)

ヘンデルの名声は急激に上がり、商業作曲家としての

(ちいはかっこたるものとなった。かれじしんのひょうばんは)

地位は確固たるものとなった。彼自身の評判は

(しじょうもっともゆうめいなおらとりお「めさいあ」ほどには)

史上最も有名なオラトリオ『メサイア』ほどには

(ならなかったが、かれは、じぶんのなはれきしにのこる)

ならなかったが、彼は、自分の名は歴史に残る

(だろうとかくしんしながら、ろんどんでしょうがいをとじた。)

だろうと確信しながら、ロンドンで生涯を閉じた。

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