吾輩は猫である13

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プレイ回数103難易度(4.5) 300秒 長文 長文モードのみ
読書初心者向け 短めです
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順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 りく 5240 B+ 5.5 95.0% 300.0 1658 86 22 2024/04/10
2 スヌスムムリク 4783 B 4.8 97.9% 300.0 1466 31 19 2024/04/23
3 sada 3256 D 3.4 95.6% 300.0 1024 47 13 2024/04/26

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問題文

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(あるひれいのごとくわがはいとくろはあたたかいちゃばたけのなかでねころびながらいろいろとざつだんを)

或る日例のごとく吾輩と黒は暖かい茶畠の中で寝転びながらいろいろと雑談を

(していると、かれはいつものじまんばなしをさもあたらしそうにくりかえしたあとで、わがはい)

していると、彼はいつもの自慢話しをさも新しそうに繰り返したあとで、吾輩

(にむかってしものごとくしつもんした。「おめえはいままでにねずみをなんびきとったことがある」)

に向って下のごとく質問した。「御めえは今までに鼠を何匹とった事がある」

(ちしきはくろよりもよほどはったつしているつもりだがわんりょくとゆうきとにいたってはとうていくろの)

智識は黒よりも余程発達しているつもりだが腕力と勇気とに至っては到底黒の

(ひかくにはならないとかくごはしていたものの、このといにせっしたるときはさすがに)

比較にはならないと覚悟はしていたものの、この問に接したる時はさすがに

(きまりがよくはなかった。けれどもじじつはじじつでいつわるわけにはいかないから、わがはい)

極りが善くはなかった。けれども事実は事実で詐る訳には行かないから、吾輩

(は「じつはとろうとろうとおもってまだとらない」とこたえた。くろはかれのはなのさきから)

は「実はとろうとろうと思ってまだ捕らない」と答えた。黒は彼の鼻の先から

(ぴんとつっぱっているながいひげをびりびりとふるわせてひじょうにわらった。がんらいくろはじまん)

ぴんと突張っている長い髭をびりびりと震わせて非常に笑った。元来黒は自慢

(をするだけにどこかたりないところがあって、かれのきえんをかんしんしたようにのどを)

をする丈にどこか足りないところがあって、彼の気焔を感心したように咽喉を

(ころころならしてきんちょうしていればはなはだぎょしやすいねこである。わがはいはかれとちか)

ころころ鳴らして謹聴していればはなはだ御しやすい猫である。吾輩は彼と近

(づきになってからすぐにこのこきゅうをのみこんだからこのばあいにもなまじいおのれをべん)

付になってから直にこの呼吸を飲み込んだからこの場合にもなまじい己れを弁

(ごしてますますけいせいをわるくするのもぐである、いっそのことかれにじぶんのてがらばなし)

護してますます形勢をわるくするのも愚である、いっその事彼に自分の手柄話

(をしゃべらしておちゃをにごすにしくはないとしあんをさだめた。そこでおとなしく)

をしゃべらして御茶を濁すに若くはないと思案を定めた。そこでおとなしく

(「きみなどはとしがとしであるからだいぶんとったろう」とそそのかしてみた。かぜんかれは)

「君などは年が年であるから大分とったろう」とそそのかして見た。果然彼は

(しょうへきのけっしょにとっかんしてきた。「たんとでもねえがさんよんじゅうはとったろう」とはとく)

墻璧の欠所に吶喊して来た。「たんとでもねえが三四十はとったろう」とは得

(いげなるかれのこたえであった。かれはなおごをつづけて「ねずみのひゃくやにひゃくはひとりでいつ)

意気なる彼の答であった。彼はなお語をつづけて「鼠の百や二百は一人でいつ

(でもひきうけるがいたちってえやつはてにあわねえ。いちどいたちにむかってひどいめ)

でも引き受けるがいたちってえ奴は手に合わねえ。一度いたちに向って酷い目

(にあった」「へえなるほど」とあいづちをうつ。くろはおおきなめをぱちつかせてい)

に逢った」「へえなるほど」と相槌を打つ。黒は大きな眼をぱちつかせて云

(う。)

う。

(「きょねんのおおそうじのときだ。うちのていしゅがいしばいのふくろをもってえんのしたへはいこんだら)

「去年の大掃除の時だ。うちの亭主が石灰の袋を持って椽の下へ這い込んだら

など

(おめえおおきないたちのやろうがめんくらってとびだしたとおもいねえ」「ふん」とかんしん)

御めえ大きないたちの野郎が面喰って飛び出したと思いねえ」「ふん」と感心

(してみせる。「いたちってけどもなにねずみのすこしおおきいぐれえのものだ。こん)

して見せる。「いたちってけども何鼠の少し大きいぐれえのものだ。こん

(ちきしょうってきでおっかけてとうとうどぶのなかへおいこんだとおもいねえ」「うまく)

畜生って気で追っかけてとうとう泥溝の中へ追い込んだと思いねえ」「うまく

(やったね」とかっさいしてやる。「ところがおめえいざってえだんになるとやつめ)

やったね」と喝采してやる。「ところが御めえいざってえ段になると奴め

(さいごっぺをこきゃがった。くせえのくさくねえのってそれからってえものはいたち)

最後っ屁をこきゃがった。臭えの臭くねえのってそれからってえものはいたち

(をみるとむねがわるくならあ」かれはここにいたってあたかもきょねんのしゅうきをいまなおかんず)

を見ると胸が悪くならあ」彼はここに至ってあたかも去年の臭気を今なお感ず

(るごとくまえあしをあげてはなのあたまをにさんへんなでまわした。わがはいもしょうしょうきのどくなかんじ)

るごとく前足を揚げて鼻の頭をニ三遍なで廻した。吾輩も少々気の毒な感じ

(がする。ちっとけいきをつけてやろうとおもって「しかしねずみならきみににらまれてはひゃく)

がする。ちっと景気を付けてやろうと思って「しかし鼠なら君に睨まれては百

(ねんめだろう。きみはあまりねずみをとるのがめいじんでねずみばかりくうものだからそんなに)

年目だろう。君はあまり鼠を捕るのが名人で鼠ばかり食うものだからそんなに

(ふとっていろつやがよいのだろう」くろのごきげんをとるためのこのしつもんはふしぎにも)

肥って色つやが善いのだろう」黒の御機嫌を取るためのこの質問は不思議にも

(はんたいのけっかをていしゅつした。かれはきぜんとしてたいそくしていう。「かんげえるとつまらね)

反対の結果を呈出した。彼は喟然として大息していう。「考げえるとつまらね

(え。いくらかせいでねずみをとったってーーいってえにんげんほどふてえやつはよのなかにいね)

え。いくら稼いで鼠をとったってーー一てえ人間ほどふてえ奴は世の中にいね

(えぜ。ひとのとったねずみをみんなとりあげやがってこうばんへもっていきゃあがる。こう)

えぜ。人のとった鼠をみんな取り上げやがって交番へ持って行きゃあがる。交

(ばんじゃだれがとったかわからねえからそのたんびにごせんずつくれるじゃねえか。う)

番じゃ誰が捕ったか分らねえからそのたんびに五銭ずつくれるじゃねえか。う

(ちのていしゅなんかおれのおかげでもういちえんごじゅうせんくらいもうけていやがるくせに、ろくなも)

ちの亭主なんか己の御蔭でもう壱円五十銭くらい儲けていやがる癖に、碌なも

(のをくわせたこともありゃしねえ。おいにんげんてものあていのいいどろぼうだぜ」さすが)

のを食わせた事もありゃしねえ。おい人間てものあ体の善い泥棒だぜ」さすが

(むがくのくろもこのくらいのりくつはわかるとみえてすこぶるおこったようすでせなかのけ)

無学の黒もこのくらいの理窟はわかると見えてすこぶる怒った容子で背中の毛

(をさかだてている。わがはいはしょうしょうきみがわるくなったからよいかげんにそのばをごまかし)

を逆立てている。吾輩は少々気味が悪くなったから善い加減にその場を誤魔化

(してうちへかえった。このときからわがはいはけっしてねずみをとるまいとけっしんした。しかしくろ)

して家へ帰った。この時から吾輩は決して鼠をとるまいと決心した。しかし黒

(のこぶんになってねずみいがいのごちそうをあさってあるくこともしなかった。ごちそうをくう)

の子分になって鼠以外の御馳走を猟ってあるく事もしなかった。御馳走を食う

(よりもねていたほうがきらくでいい。きょうしのうちにいるとねこもきょうしのようなせいしつにな)

よりも寝ていた方が気楽でいい。教師の家にいると猫も教師のような性質にな

(るとみえる。ようじんしないといまにいじゃくになるかもしれない。)

ると見える。要心しないと今に胃弱になるかも知れない。

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