吾輩は猫である28

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読書初心者向け
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順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 スヌスムムリク 5000 B+ 5.0 98.4% 436.8 2220 36 38 2024/05/07
2 masuaya 3953 D++ 4.2 94.4% 507.7 2133 126 38 2024/05/03
3 sada 3089 E++ 3.1 97.0% 680.3 2169 67 38 2024/05/02

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問題文

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(わがはいはねこではあるがたいていのものはくう。くるまやのくろのように)

吾輩は猫ではあるが大抵のものは食う。車屋の黒のように

(よこちょうのさかなやまでえんせいをするきりょくはないし、しんみちのにげんきんのし)

横丁の魚屋まで遠征をする気力はないし、新道の二絃琴の師

(しょうのとこのみけのようにぜいたくはむろんいえるみぶんでない。したがって)

匠の所の三毛のように贅沢は無論云える身分でない。従って

(ぞんがいきらいはすくないほうだ。こどものくいこぼしたぱんもくうし、もち)

存外嫌は少ない方だ。小供の食いこぼした麺麭も食うし、餅

(がしのあんもなめる。こうのものはすこぶるまずいがけいけんのため)

菓子の餡もなめる。香の物はすこぶるまずいが経験のため

(たくあんをふたきればかりやったことがある。くってみるとみょうなもので、)

沢庵を二切ばかりやった事がある。食って見ると妙なもので、

(たいていのものはくえる。あれはいやだ、これはいやだというのは)

大抵のものは食える。あれは嫌だ、これは嫌だと云うのは

(ぜいたくなわがままでとうていきょうしのうちにいるねこなどのくちにすべきところ)

贅沢な我儘で到底教師の家にいる猫などの口にすべきところ

(でない。しゅじんのはなしによるとふらんすにばるざっくというしょうせつ)

でない。主人の話しによると仏蘭西にバルザックという小説

(かがあったそうだ。このおとこがだいのぜいたくやでーーもっともこれ)

家があったそうだ。この男が大の贅沢屋でーーもっともこれ

(はくちのぜいたくやではない、しょうせつかだけにぶんしょうのぜいたくをつくしたと)

は口の贅沢屋ではない、小説家だけに文章の贅沢を尽したと

(いうことである。ばるざっくがあるひじぶんのかいているしょうせつちゅう)

いう事である。バルザックが或る日自分の書いている小説中

(のにんげんのなをつけようとおもっていろいろつけてみたが、どう)

の人間の名をつけようと思っていろいろつけて見たが、どう

(してもきにいらない。ところへゆうじんがあそびにきたのでいっ)

しても気に入らない。ところへ友人が遊びに来たのでいっ

(しょにさんぽにでかけた。ゆうじんはもとよりなんにもしらずにつれださ)

しょに散歩に出掛けた。友人は固より何も知らずに連れ出さ

(れたのであるが、ばるざっくはかねてじぶんのくしんしているな)

れたのであるが、バルザックは兼ねて自分の苦心している名

(をめつけようというかんがえだからおうらいへでるとなにもしないでみせさき)

を目付ようという考えだから往来へ出ると何もしないで店先

(のかんばんばかりみてあるいている。ところがやはりきにいった)

の看板ばかり見て歩行いている。ところがやはり気に入った

(ながない。ゆうじんをつれてむやみにあるく。ゆうじんはわけがわからず)

名がない。友人を連れて無暗にあるく。友人は訳がわからず

(にくっついていく。かれらはついにあさからばんまでぱりをたんけんし)

にくっ付いて行く。彼等はついに朝から晩まで巴里を探検し

など

(た。そのかえりがけにばるざっくはふとあるさいほうやのかんばんがめ)

た。その帰りがけにバルザックはふとある裁縫屋の看板が目

(についた。みるとそのかんばんにまーかすというながかいてある。)

についた。見るとその看板にマーカスという名が書いてある。

(ばるざっくはてをうって「これだこれだこれにかぎる。まーか)

バルザックは手を拍って「これだこれだこれに限る。マーカ

(すはよいなじゃないか。まーかすのうえへzというかしらもじをつ)

スは好い名じゃないか。マーカスの上へZという頭文字をつ

(ける、するともうしぶんのないなができる。zでなくてはいかん。)

ける、すると申し分のない名が出来る。Zでなくてはいかん。

(z.marcusはじつにうまい。どうもじぶんでつくったなはうまくつ)

Z.Marcusは実にうまい。どうも自分で作った名はうまくつ

(けたつもりでもなんとなくわざとらしいところがあっておもしろく)

けたつもりでも何となく故意とらしいところがあって面白く

(ない。ようやくのことできにいったなができた」とゆうじんのめいわく)

ない。ようやくの事で気に入った名が出来た」と友人の迷惑

(はまるでわすれて、ひとりうれしがったというが、しょうせつちゅうのにんげんの)

はまるで忘れて、一人嬉しがったというが、小説中の人間の

(なまえをつけるにいちんちぱりをたんけんしなくてはならぬようではずい)

名前をつけるに一日巴里を探検しなくてはならぬようでは随

(ぶんてすうのかかるはなしだ。ぜいたくもこのくらいできればけっこうなもの)

分手数のかかる話だ。贅沢もこのくらいできれば結構なもの

(だがわがはいのようにかきてきしゅじんをもつみのうえではとてもそんな)

だが吾輩のように牡蠣的主人をもつ身の上ではとてもそんな

(きはでない。なんでもいい、くえさえすれば、というきになる)

気はでない。何でもいい、食えさえすれば、という気になる

(のもきょうぐうのしからしむるところであろう。だからいまぞうにがく)

のも境遇のしからしむるところであろう。だから今雑煮が食

(いたくなったのもけっしてぜいたくのけっかではない、なんでもくえる)

いたくなったのも決して贅沢の結果ではない、何でも食える

(ときにくっておこうというかんがえから、しゅじんのくいあましたぞうにがも)

時に食っておこうという考から、主人の食い剰した雑煮がも

(しやだいどころにのこっていはすまいかとおもいだしたからである。)

しや台所に残っていはすまいかと思い出したからである。

(・・・・・・だいどころへまわってみる。)

・・・・・・台所へ廻って見る。

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