太宰治 一問一答
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | yo | 4908 | B | 5.1 | 95.7% | 457.8 | 2351 | 104 | 39 | 2024/11/27 |
2 | yu | 4774 | B | 5.0 | 94.4% | 456.2 | 2315 | 137 | 39 | 2024/12/19 |
3 | LBD | 2871 | E+ | 3.3 | 88.1% | 708.8 | 2352 | 317 | 39 | 2024/11/27 |
関連タイピング
-
プレイ回数2.6万長文かな779打
-
プレイ回数15長文2621打
-
プレイ回数27長文2816打
-
プレイ回数78長文2845打
-
プレイ回数1143長文3595打
-
プレイ回数199長文かな1691打
-
プレイ回数1404長文3463打
-
プレイ回数805長文かな4635打
問題文
(「なにか、さいきんの、ごかんそうをきかせてください。」)
「何か、最近の、御感想を聞かせて下さい。」
(「こまりました。」)
「困りました。」
(「こまりましたでは、わたしのほうでこまります。なにか、きかせてください。」)
「困りましたでは、私のほうで困ります。何か、聞かせて下さい。」
(「にんげんは、しょうじきでなければならない、とさいきんつくづくかんじます。おろかな)
「人間は、正直でなければならない、と最近つくづく感じます。おろかな
(かんそうですが、きのうもみちをあるきながら、つくづくそれをかんじました。)
感想ですが、きのうも道を歩きながら、つくづくそれを感じました。
(ごまかそうとするから、せいかつがむずかしく、ややこしくなるのです。)
ごまかそうとするから、生活がむずかしく、ややこしくなるのです。
(しょうじきにいい、しょうじきにすすんでいくと、せいかつはじつにかんたんになります。)
正直に言い、正直に進んで行くと、生活は実に簡単になります。
(しっぱいということがないのです。しっぱいというのは、ごまかそうとして、)
失敗という事が無いのです。失敗というのは、ごまかそうとして、
(ごまかしきれなかったばあいのことをいうのです。それから、むよくということも)
ごまかし切れなかった場合の事を言うのです。それから、無慾という事も
(だいじですね。よくばると、どうしても、ちょっと、ごまかしてみたくなりますし、)
大事ですね。慾張ると、どうしても、ちょっと、ごまかしてみたくなりますし、
(ごまかそうとすると、いろいろ、ややこしくなって、ついにばきゃくをあらわして、)
ごまかそうとすると、いろいろ、ややこしくなって、遂に馬脚をあらわして、
(つまらないおもいをするようになります。わかりきったかんそうですが、)
つまらない思いをするようになります。わかり切った感想ですが、
(でも、これだけのことをたいとくするのに、さんじゅうよんねんかかりました。」)
でも、これだけの事を体得するのに、三十四年かかりました。」
(「おわかいころのさくひんを、いまよみかえして、どんなきがしますか。」)
「お若い頃の作品を、いま読みかえして、どんな気がしますか。」
(「むかしのあるばむを、くりひろげてみているようなきがします。)
「むかしのアルバムを、繰りひろげて見ているような気がします。
(にんげんはかわっていませんが、ふくそうはかわっていますね。)
人間は変っていませんが、服装は変っていますね。
(そのふくそうを、ほほえましいきでみていることもあります。」)
その服装を、微笑ましい気で見ている事もあります。」
(「なにか、しゅぎ、とでもいったようなものを、もっていますか。」)
「何か、主義、とでもいったようなものを、持っていますか。」
(「せいかつにおいては、いつも、あいということをかんがえていますが、これはわたしにかぎらず、)
「生活に於いては、いつも、愛という事を考えていますが、これは私に限らず、
(だれでもかんがえていることでしょう。ところが、これは、むずかしいものです。)
誰でも考えている事でしょう。ところが、これは、むずかしいものです。
(あいなどというと、あまったるいもののようにおかんがえかもしれませんが、)
愛などと言うと、甘ったるいもののようにお考えかも知れませんが、
(むずかしいものですよ。あいするということは、どんなことだか、わたしにはまだ、)
むずかしいものですよ。愛するという事は、どんな事だか、私にはまだ、
(わからない。めったにつかえないことばのようなきがする。)
わからない。めったに使えない言葉のような気がする。
(じぶんでは、たいへんあいじょうのふかいひとのようなきがしていても、)
自分では、たいへん愛情の深い人のような気がしていても、
(まるで、そのぎゃくだったというばあいもあるのですからね。とにかく、むずかしい。)
まるで、その逆だったという場合もあるのですからね。とにかく、むずかしい。
(さっきのしょうじきということと、すこしつながりがあるようなきもする。あいとしょうじき。)
さっきの正直という事と、少しつながりがあるような気もする。愛と正直。
(わかったような、わからないような、とにかく、わたしには、)
わかったような、わからないような、とにかく、私には、
(まだわからないところがある。しょうじきはげんじつのもんだい、あいはりそう、)
まだわからないところがある。正直は現実の問題、愛は理想、
(まあ、そんなところにわたしのしゅぎ、とでもいったようなものがひそんでいるのかも)
まあ、そんなところに私の主義、とでもいったようなものがひそんでいるのかも
(しれませんが、わたしには、まだ、はっきりわからないのです。」)
知れませんが、私には、まだ、はっきりわからないのです。」
(「あなたは、くりすちゃんですか。」)
「あなたは、クリスチャンですか。」
(「きょうかいにはいきませんが、せいしょはよみます。せかいじゅうで、にほんじんほどきりすときょうを)
「教会には行きませんが、聖書は読みます。世界中で、日本人ほどキリスト教を
(ただしくりかいできるじんしゅはすくないのではないかとおもっています。)
正しく理解できる人種は少いのではないかと思っています。
(きりすときょうにおいても、にほんは、これからせかいのちゅうしんになるのではないかと)
キリスト教に於いても、日本は、これから世界の中心になるのではないかと
(おもっています。さいきんのおうべいじんのきりすときょうはじつに、いいかげんのものです。」)
思っています。最近の欧米人のキリスト教は実に、いい加減のものです。」
(「そろそろてんらんかいのきせつになりましたが、なにか、ごらんになりましたか。」)
「そろそろ展覧会の季節になりましたが、何か、ごらんになりましたか。」
(「まだどこのてんらんかいもみていませんが、このごろ、えをたのしんでかいている)
「まだどこの展覧会も見ていませんが、このごろ、画をたのしんでかいている
(ひとがじつにすくない。すこしも、よろこびがない。せいめいりょくがひんじゃくです。)
人が実に少い。すこしも、よろこびが無い。生命力が貧弱です。」
(ばかに、いばったようなことばかりいって、すみませんでした。」)
ばかに、威張ったような事ばかり言って、すみませんでした。」