紫式部 源氏物語 若紫 7 與謝野晶子訳

順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ヤス | 7737 | 神 | 7.9 | 97.0% | 265.2 | 2117 | 65 | 32 | 2025/02/21 |
2 | やまちゃん | 4698 | C++ | 4.7 | 98.0% | 436.3 | 2091 | 41 | 32 | 2025/03/12 |
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問題文
(「できごころてきなけいそつなそうだんをもちかけるものだとおおもいになるのがかえって)
「出来心的な軽率な相談を持ちかける者だとお思いになるのがかえって
(とうぜんなような、こんなときにもうしあげるのはわたくしのためにふりなんですが、)
当然なような、こんな時に申し上げるのは私のために不利なんですが、
(せいいをもっておはなしいたそうとしておりますことはほとけさまがごぞんじでしょう」)
誠意をもってお話しいたそうとしておりますことは仏さまがご存じでしょう」
(とげんじはいったが、そうとうなねんぱいのきじょがしずかにまえにいることをおもうと)
と源氏は言ったが、相当な年配の貴女が静かに前にいることを思うと
(きゅうにきぼうのけんがもちだされないのである。 「おもいがけぬところで、)
急に希望の件が持ち出されないのである。 「思いがけぬ所で、
(おとまりあわせになりました。あなたさまからごそうだんをうけたまわりますのをぜんしょうにねを)
お泊まり合わせになりました。あなた様から御相談を承りますのを前生に根を
(おいていないこととどうしておもえましょう」 とあまぎみはいった。)
置いていないこととどうして思えましょう」 と尼君は言った。
(「おかあさまをおなくしになりましたおきのどくなにょおうさんを、おかあさまのかわりとして)
「お母様をお亡くしになりましたお気の毒な女王さんを、お母様の代わりとして
(わたくしへおあずけくださいませんでしょうか。わたくしもはやくははやそぼに)
私へお預けくださいませんでしょうか。私も早く母や祖母に
(わかれたものですから、わたくしもじっとおちついたきもちもなくこんにちにいたりました。)
別れたものですから、私もじっと落ち着いた気持ちもなく今日に至りました。
(にょおうさんもおなじようなごきょうぐうなんですから、わたくしたちがしょうらいけっこんすることをいまから)
女王さんも同じような御境遇なんですから、私たちが将来結婚することを今から
(ゆるしておいていただきたいと、わたくしはこんなことをまえからごそうだんしたかったので、)
許して置いていただきたいと、私はこんなことを前から御相談したかったので、
(いまはわるくおとりになるかもしれないときである、おりがよろしくないとおもいながら)
今は悪くおとりになるかもしれない時である、折りがよろしくないと思いながら
(もうしあげてみます」 「それはひじょうにうれしいおはなしではございますが、なにかはなしを)
申し上げてみます」 「それは非常にうれしいお話ではございますが、何か話を
(まちがえてきいておいでになるのではないかとおもいますと、どうおへんじを)
まちがえて聞いておいでになるのではないかと思いますと、どうお返辞を
(もうしあげてよいかにまよいます。わたくしのようなものひとりをたよりにしておりますこどもが)
申し上げてよいかに迷います。私のような者一人をたよりにしております子供が
(ひとりおりますが、まだごくようちなもので、どんなにかんだいなおこころでも、)
一人おりますが、まだごく幼稚なもので、どんなに寛大なお心でも、
(しょうらいのおくさまにおぎしになることはむりでございますから、わたくしのほうでごそうだんに)
将来の奥様にお擬しになることは無理でございますから、私のほうで御相談に
(のせていただきようもございません」 とあまぎみはいうのである。)
乗せていただきようもございません」 と尼君は言うのである。
(「わたくしはなにもかもぞんじております。そんなねんれいのさなどはおかんがえにならずに、)
「私は何もかも存じております。そんな年齢の差などはお考えにならずに、
(わたくしがどれほどそうなるのをのぞむかというねっしんのどをごらんください」)
私がどれほどそうなるのを望むかという熱心の度を御覧ください」
(げんじがこんなにいっても、あまぎみのほうではにょおうのようちなことを)
源氏がこんなに言っても、尼君のほうでは女王の幼稚なことを
(しらないでいるのだとおもうせんにゅうけんがあってげんじのきぼうを)
知らないでいるのだと思う先入見があって源氏の希望を
(もんだいにしようとはしない。そうずがげんじのへやのほうへくるらしいのをきかいに、)
問題にしようとはしない。僧都が源氏の部屋のほうへ来るらしいのを機会に、
(「まあよろしいです。ごそうだんにもうとりかかったのですから、)
「まあよろしいです。御相談にもう取りかかったのですから、
(わたくしはじつげんをきします」 といって、げんじはびょうぶをもとのようになおしてさった。)
私は実現を期します」 と言って、源氏は屏風をもとのように直して去った。
(もうあけがたになっていた。ほっけのざんまいをおこなうどうのとうといせんぼうのこえが)
もう明け方になっていた。法華の三昧を行う堂の尊い懺法の声が
(やまおろしのおとにまじり、たきがそれらとわするひびきをつくっているのである。 )
山おろしの音に混じり、滝がそれらと和する響きを作っているのである。
(ふきまようみやまおろしにゆめさめてなみだもよおすたきのおとかな )
吹き迷ふ深山おろしに夢さめて涙催す滝の音かな
(これはげんじのさく。 )
これは源氏の作。
(「さしぐみにそでぬらしけるやまみずにすめるこころはさわぎやはする )
「さしぐみに袖濡らしける山水にすめる心は騒ぎやはする
(もうなれきったものですよ」 とそうずはこたえた。)
もう馴れ切ったものですよ」 と僧都は答えた。