銀河鉄道の夜 32
宮沢賢治 作
| 順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | sada | 3220 | E++ | 3.3 | 95.9% | 388.1 | 1305 | 55 | 34 | 2025/10/23 |
関連タイピング
-
ひたすらあいうえおです 挑戦者求む!20分掛かりません!
プレイ回数1.8万長文かな4350打 -
夏目漱石
プレイ回数17万長文かな512打 -
シートン動物記
プレイ回数815長文かな1777打 -
九、ジョバンニの切符 30/36
(サザンクロス 3/4)プレイ回数1492長文1257打 -
日没をながめる
プレイ回数2778長文1228打 -
プレイ回数534長文かな1014打
-
森鴎外の舞姫のタイピング
プレイ回数174長文かな852打 -
プレイ回数118かな509打
問題文
(じょばんにはなんだかわけもわからずに、)
ジョバンニはなんだかわけもわからずに、
(にわかにとなりのとりとりがきのどくでたまらなくなりました。)
にわかにとなりの鳥とりが気の毒でたまらなくなりました。
(さぎをつかまえてせいせいしたとよろこんだり、)
サギをつかまえてせいせいしたと喜んだり、
(しろいきれでそれをくるくるつつんだり、)
白いきれでそれをくるくる包んだり、
(ひとのきっぷをびっくりしたようによこめでみてあわててほめだしたり、)
ひとの切符をびっくりしたように横目で見てあわててほめだしたり、
(そんなことをいちいちかんがえていると、)
そんなことをいちいち考えていると、
(もうそのみずしらずのとりとりのために、)
もうその見ず知らずの鳥とりのために、
(じょばんにのもっているものでも)
ジョバンニのもっているものでも
(たべるものでもなんでもやってしまいたい、)
食べるものでもなんでもやってしまいたい、
(もうこのひとのほんとうのしあわせになるなら、)
もうこの人のほんとうのしあわせになるなら、
(じぶんがあのひかるあまのがわのかわらにたって)
自分があの光る天の川の川原に立って
(ひゃくねんつづけてたって)
百年つづけて立って
(とりをとってやってもいいというようなきがして、)
鳥をとってやってもいいというような気がして、
(どうしてももうだまっていられなくなりました。)
どうしてももう黙っていられなくなりました。
(ほんとうにあなたのほしいものはいったいなんですか、)
ほんとうにあなたのほしいものは一体なんですか、
(ときこうとして、)
と聞こうとして、
(それではあんまりだしぬけだから、)
それではあんまり出しぬけだから、
(どうしようかとかんがえてふりかえってみましたら、)
どうしようかと考えて振りかえって見ましたら、
(そこにはもうあのとりとりがいませんでした。)
そこにはもうあの鳥とりがいませんでした。
(あみだなのうえにはしろいにもつもみえなかったのです。)
網棚の上には白い荷物も見えなかったのです。
(またまどのそとであしをふんばってそらをみあげて)
また窓の外で足をふんばって空を見上げて
(さぎをとるしたくをしているのかとおもって、)
さぎをとるしたくをしているのかと思って、
(いそいでそっちをみましたが、)
急いでそっちを見ましたが、
(そとはいちめんのうつくしいすなごとしろいすすきのなみばかり、)
そとはいちめんのうつくしい砂子と白いすすきの波ばかり、
(あのとりとりのひろいせなかもとがったぼうしもみえませんでした。)
あの鳥とりの広いせなかもとがった帽子も見えませんでした。
(「あのひとどこへいったろう。」)
「あの人どこへ行ったろう。」
(かむぱねるらもぼんやりそういっていました。)
カムパネルラもぼんやりそういっていました。
(「どこへいったろう。いったいどこでまたあうのだろう。)
「どこへ行ったろう。一体どこでまた会うのだろう。
(ぼくはどうしてもすこしあのひとにものをいわなかったろう。」)
ぼくはどうしても少しあの人に物を言わなかったろう。」
(「ああ、ぼくもそうおもっているよ。」)
「ああ、ぼくもそう思っているよ。」
(「ぼくはあのひとがじゃまなようなきがしたんだ。)
「ぼくはあの人が邪魔なような気がしたんだ。
(だからぼくはたいへんつらい。」)
だからぼくはたいへんつらい。」
(じょばんにはこんなへんてこなきもちははじめてだし、)
ジョバンニはこんな変てこな気もちははじめてだし、
(こんなこといままでいったこともないとおもいました。)
こんなこと今まで言ったこともないと思いました。