風の又三郎 14

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プレイ回数614難易度(4.2) 2687打 長文
九月七日 さいかち淵
宮沢賢治 作 全文
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 だだんどん 6551 S+ 6.9 94.0% 381.6 2670 170 58 2026/01/22

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(くがつなのか) 九 月 七 日 (つぎのあさはきりがじめじめふって、) 次の朝は霧がじめじめ降って、 (がっこうのうしろのやまも、ぼんやりしかみえませんでした。) 学校のうしろの山も、ぼんやりしか見えませんでした。 (ところがきょうもにじかんめころから、だんだんはれて、) ところが今日も二時間目ころから、だんだん晴れて、 (まもなくそらはまっさおになり、ひはかんかんてって、) 間もなく空はまっ青になり、日はかんかん照って、 (おひるになってさんねんせいからしたがさがってしまうと、) お午になって三年生から下が下ってしまうと、 (まるでなつのようにあつくなってしまいました。) まるで夏のように暑くなってしまいました。 (ひるすぎはせんせいもたびたびきょうだんであせをふき、) ひるすぎは先生もたびたび教壇で汗を拭き、 (よねんせいのしゅうじも、ごねんせいろくねんせいのずがも、まるでむしあつくて、) 四年生の習字も、五年生六年生の図画も、まるでむし暑くて、 (かきながらうとうとするのでした。) 書きながらうとうとするのでした。
(じゅぎょうがすむと、みんなはすぐかわしものほうへそろってでかけました。) 授業が済むと、みんなはすぐ川下の方へそろって出掛けました。 (かすけが、) 嘉助が、 (「またさぶろう、みずあびにいがなぃが。) 「又三郎、水泳(ア)びに行がなぃが。 (ちいさいやづど、いまころみんないってるぞ。」といいましたので、) 小さいやづど、今ころみんな行ってるぞ。」といいましたので、 (またさぶろうもついていきました。) 又三郎もついて行きました。 (そこはこのまえ、うえののはらへいったところよりも、もすこしかりゅうで、) そこはこの前、上の野原へ行ったところよりも、も少し下流で、 (みぎのほうからもひとつのたにがわがはいってきて、すこしひろいかわらになり、) 右の方からも一つの谷川がはいって来て、少し広い河原になり、 (そのすぐかりゅうは、おおきなさいかちのきのはえたがけになっているのでした。) そのすぐ下流は、巨きなさいかちの樹の生えた崖になっているのでした。 (「おおい。」と、さきにきているこどもらが、) 「おおい。」と、さきに来ているこどもらが、 (はだかでりょうてをあげてさけびました。) はだかで両手をあげて叫びました。
など
(いちろうやみんなは、かわらのねむのきのあいだを、まるでときょうそうのようにはしって、) 一郎やみんなは、河原のねむの木の間を、まるで徒競争のように走って、 (いきなりきものをぬぐと、すぐどぶんどぶんとみずにとびこんで、) いきなりきものをぬぐと、すぐどぶんどぶんと水に飛び込んで、 (りょうあしをかわるがわるまげて、だぁんだぁんとみずをたたくようにしながら、) 両足をかわるがわる曲げて、だぁんだぁんと水をたたくようにしながら、 (ななめにならんでむこうぎしへおよぎはじめました。) 斜めにならんで向う岸へ泳ぎはじめました。 (まえにいたこどもらも、あとからおいついておよぎはじめました。) 前に居たこどもらも、あとから追い付いて泳ぎはじめました。 (またさぶろうもきものをぬいで、みんなのあとからおよぎはじめましたが、) 又三郎もきものをぬいで、みんなのあとから泳ぎはじめましたが、 (とちゅうでこえをあげてわらいました。) 途中で声をあげてわらいました。 (するとむこうぎしについたいちろうが、かみをあざらしのようにして、) すると向う岸についた一郎が、髪をあざらしのようにして、 (くちびるをむらさきにしてわくわくふるえながら、) 唇を紫にしてわくわくふるえながら、 (「わあまたさぶろう、なしてわらった。」といいました。) 「わあ又三郎、何(ナ)してわらった。」といいました。 (またさぶろうはやはりふるえながらみずからあがって、) 又三郎はやはりふるえながら水からあがって、 (「このかわつめたいなあ。」といいました。) 「この川冷たいなあ。」といいました。 (「またさぶろうなしてわらった?」いちろうはまたききました。) 「又三郎何してわらった?」一郎はまたききました。 (「おまえたちのおよぎかたはおかしいや。なぜあしをだぶだぶならすんだい。」) 「おまえたちの泳ぎ方はおかしいや。なぜ足をだぶだぶ鳴らすんだい。」 (といいながらまたわらいました。) といいながらまた笑いました。 (「うわあい。」といちろうはいいましたが、なんだかきまりがわるくなったように、) 「うわあい。」と一郎はいいましたが、何だかきまりが悪くなったように、 (「いしとりさなぃが。」といいながら、しろいまるいいしをひろいました。) 「石取りさなぃが。」といいながら、白い円い石をひろいました。 (「するする。」こどもらがみんなさけびました。) 「するする。」こどもらがみんな叫びました。 (おれ、それでぁあのきのうえがらおとすがらな。といちろうはいいながら、) おれ、それでぁあの木の上がら落すがらな。と一郎はいいながら、 (がけのなかごろからでているさいかちのきへ、するするのぼっていきました。) 崖の中ごろから出ているさいかちの木へ、するする昇って行きました。 (そして、) そして、 (「さあおとすぞ、いちにさん。」といいながら、) 「さあ落すぞ、一二三。」といいながら、 (そのしろいいしをどぶーん、とふちへおとしました。) その白い石をどぶーん、と淵へ落しました。 (みんなは、われがちにきしからまっさかさまにみずにとびこんで、) みんなは、われ勝に岸からまっさかさまに水にとび込んで、 (あおじろいらっこのようなかたちをしてそこへもぐって、そのいしをとろうとしました。) 青白いらっこのような形をして底へ潜って、その石をとろうとしました。 (けれどもみんな、そこまでいかないにいきがつまってうかびだしてきて、) けれどもみんな、底まで行かないに息がつまって浮びだして来て、 (かわるがわる、ふうとそらへきりをふきました。) かわるがわる、ふうとそらへ霧をふきました。 (またさぶろうはじっとみんなのするのをみていましたが、) 又三郎はじっとみんなのするのを見ていましたが、 (みんながうかんできてから、じぶんもどぶんとはいっていきました。) みんなが浮んできてから、じぶんもどぶんとはいって行きました。 (けれどもやっぱりそこまでとどかずに、ういてきたので、) けれどもやっぱり底まで届かずに、浮いてきたので、 (みんなはどっとわらいました。) みんなはどっと笑いました。 (そのときむこうのかわらのねむのきのところをおとながよにん、) そのとき向うの河原のねむの木のところを大人が四人、 (はだぬぎになったり、あみをもったりしてこっちへくるのでした。) 肌ぬぎになったり、網をもったりしてこっちへ来るのでした。 (するといちろうはきのうえで、まるでこえをひくくしてみんなにさけびました。) すると一郎は木の上で、まるで声をひくくしてみんなに叫びました。 (「おお、はっぱだぞ。しらないふりしてろ。) 「おお、発破だぞ。知らないふりしてろ。 (いしとりやめではやぐみんなしもささがれ。」) 石とりやめで早ぐみんな下流(シモ)ささがれ。」 (そこでみんなは、なるべくそっちをみないふりをしながら、) そこでみんなは、なるべくそっちを見ないふりをしながら、 (いっしょにしものほうへおよぎました。) いっしょに下流の方へ泳ぎました。
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