風の又三郎 14
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | ばばあ | 2879 | E+ | 3.1 | 93.1% | 864.4 | 2686 | 197 | 58 | 2024/10/13 |
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問題文
(くがつなのか)
九 月 七 日
(つぎのあさはきりがじめじめふって、)
次の朝は霧がじめじめ降って、
(がっこうのうしろのやまも、ぼんやりしかみえませんでした。)
学校のうしろの山も、ぼんやりしか見えませんでした。
(ところがきょうもにじかんめころから、だんだんはれて、)
ところが今日も二時間目ころから、だんだん晴れて、
(まもなくそらはまっさおになり、ひはかんかんてって、)
間もなく空はまっ青になり、日はかんかん照って、
(おひるになってさんねんせいからしたがさがってしまうと、)
お午になって三年生から下が下ってしまうと、
(まるでなつのようにあつくなってしまいました。)
まるで夏のように暑くなってしまいました。
(ひるすぎはせんせいもたびたびきょうだんであせをふき、)
ひるすぎは先生もたびたび教壇で汗を拭き、
(よねんせいのしゅうじも、ごねんせいろくねんせいのずがも、まるでむしあつくて、)
四年生の習字も、五年生六年生の図画も、まるでむし暑くて、
(かきながらうとうとするのでした。)
書きながらうとうとするのでした。
(じゅぎょうがすむと、みんなはすぐかわしものほうへそろってでかけました。)
授業が済むと、みんなはすぐ川下の方へそろって出掛けました。
(かすけが、)
嘉助が、
(「またさぶろう、みずあびにいがなぃが。)
「又三郎、水泳(ア)びに行がなぃが。
(ちいさいやづど、いまころみんないってるぞ。」といいましたので、)
小さいやづど、今ころみんな行ってるぞ。」といいましたので、
(またさぶろうもついていきました。)
又三郎もついて行きました。
(そこはこのまえ、うえののはらへいったところよりも、もすこしかりゅうで、)
そこはこの前、上の野原へ行ったところよりも、も少し下流で、
(みぎのほうからもひとつのたにがわがはいってきて、すこしひろいかわらになり、)
右の方からも一つの谷川がはいって来て、少し広い河原になり、
(そのすぐかりゅうは、おおきなさいかちのきのはえたがけになっているのでした。)
そのすぐ下流は、巨きなさいかちの樹の生えた崖になっているのでした。
(「おおい。」と、さきにきているこどもらが、)
「おおい。」と、さきに来ているこどもらが、
(はだかでりょうてをあげてさけびました。)
はだかで両手をあげて叫びました。
(いちろうやみんなは、かわらのねむのきのあいだを、まるでときょうそうのようにはしって、)
一郎やみんなは、河原のねむの木の間を、まるで徒競争のように走って、
(いきなりきものをぬぐと、すぐどぶんどぶんとみずにとびこんで、)
いきなりきものをぬぐと、すぐどぶんどぶんと水に飛び込んで、
(りょうあしをかわるがわるまげて、だぁんだぁんとみずをたたくようにしながら、)
両足をかわるがわる曲げて、だぁんだぁんと水をたたくようにしながら、
(ななめにならんでむこうぎしへおよぎはじめました。)
斜めにならんで向う岸へ泳ぎはじめました。
(まえにいたこどもらも、あとからおいついておよぎはじめました。)
前に居たこどもらも、あとから追い付いて泳ぎはじめました。
(またさぶろうもきものをぬいで、みんなのあとからおよぎはじめましたが、)
又三郎もきものをぬいで、みんなのあとから泳ぎはじめましたが、
(とちゅうでこえをあげてわらいました。)
途中で声をあげてわらいました。
(するとむこうぎしについたいちろうが、かみをあざらしのようにして、)
すると向う岸についた一郎が、髪をあざらしのようにして、
(くちびるをむらさきにしてわくわくふるえながら、)
唇を紫にしてわくわくふるえながら、
(「わあまたさぶろう、なしてわらった。」といいました。)
「わあ又三郎、何(ナ)してわらった。」といいました。
(またさぶろうはやはりふるえながらみずからあがって、)
又三郎はやはりふるえながら水からあがって、
(「このかわつめたいなあ。」といいました。)
「この川冷たいなあ。」といいました。
(「またさぶろうなしてわらった?」いちろうはまたききました。)
「又三郎何してわらった?」一郎はまたききました。
(「おまえたちのおよぎかたはおかしいや。なぜあしをだぶだぶならすんだい。」)
「おまえたちの泳ぎ方はおかしいや。なぜ足をだぶだぶ鳴らすんだい。」
(といいながらまたわらいました。)
といいながらまた笑いました。
(「うわあい。」といちろうはいいましたが、なんだかきまりがわるくなったように、)
「うわあい。」と一郎はいいましたが、何だかきまりが悪くなったように、
(「いしとりさなぃが。」といいながら、しろいまるいいしをひろいました。)
「石取りさなぃが。」といいながら、白い円い石をひろいました。
(「するする。」こどもらがみんなさけびました。)
「するする。」こどもらがみんな叫びました。
(おれ、それでぁあのきのうえがらおとすがらな。といちろうはいいながら、)
おれ、それでぁあの木の上がら落すがらな。と一郎はいいながら、
(がけのなかごろからでているさいかちのきへ、するするのぼっていきました。)
崖の中ごろから出ているさいかちの木へ、するする昇って行きました。
(そして、)
そして、
(「さあおとすぞ、いちにさん。」といいながら、)
「さあ落すぞ、一二三。」といいながら、
(そのしろいいしをどぶーん、とふちへおとしました。)
その白い石をどぶーん、と淵へ落しました。
(みんなは、われがちにきしからまっさかさまにみずにとびこんで、)
みんなは、われ勝に岸からまっさかさまに水にとび込んで、
(あおじろいらっこのようなかたちをしてそこへもぐって、そのいしをとろうとしました。)
青白いらっこのような形をして底へ潜って、その石をとろうとしました。
(けれどもみんな、そこまでいかないにいきがつまってうかびだしてきて、)
けれどもみんな、底まで行かないに息がつまって浮びだして来て、
(かわるがわる、ふうとそらへきりをふきました。)
かわるがわる、ふうとそらへ霧をふきました。
(またさぶろうはじっとみんなのするのをみていましたが、)
又三郎はじっとみんなのするのを見ていましたが、
(みんながうかんできてから、じぶんもどぶんとはいっていきました。)
みんなが浮んできてから、じぶんもどぶんとはいって行きました。
(けれどもやっぱりそこまでとどかずに、ういてきたので、)
けれどもやっぱり底まで届かずに、浮いてきたので、
(みんなはどっとわらいました。)
みんなはどっと笑いました。
(そのときむこうのかわらのねむのきのところをおとながよにん、)
そのとき向うの河原のねむの木のところを大人が四人、
(はだぬぎになったり、あみをもったりしてこっちへくるのでした。)
肌ぬぎになったり、網をもったりしてこっちへ来るのでした。
(するといちろうはきのうえで、まるでこえをひくくしてみんなにさけびました。)
すると一郎は木の上で、まるで声をひくくしてみんなに叫びました。
(「おお、はっぱだぞ。しらないふりしてろ。)
「おお、発破だぞ。知らないふりしてろ。
(いしとりやめではやぐみんなしもささがれ。」)
石とりやめで早ぐみんな下流(シモ)ささがれ。」
(そこでみんなは、なるべくそっちをみないふりをしながら、)
そこでみんなは、なるべくそっちを見ないふりをしながら、
(いっしょにしものほうへおよぎました。)
いっしょに下流の方へ泳ぎました。