風の又三郎 20(終)

投稿者ヤマセミプレイ回数191
難易度(4.1) 2367打 長文タグ小説 風の又三郎 宮沢賢治
九月十二日 大風の朝②
宮沢賢治 作 全文
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 HAKU 6937 S++ 7.1 96.5% 328.8 2365 84 53 2020/09/01
2 nao 6664 S+ 6.9 95.8% 338.2 2356 102 53 2020/09/09
3 じゃじゃ 6649 S+ 6.8 97.8% 342.9 2332 52 53 2020/09/15
4 おっ 6531 S+ 6.8 95.4% 342.2 2348 113 53 2020/09/08
5 でこ 6200 A++ 6.3 97.2% 368.7 2353 67 53 2020/09/13

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問題文

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(いちろうはいそいでいどからばけつにみずをいっぱいくんで、)

一郎は急いで井戸からバケツに水を一ぱい汲んで、

(だいどころをぐんぐんふきました。)

台所をぐんぐん拭きました。

(それからかなだらいをだして、かおをぶるぶるあらうと、)

それから金だらいを出して、顔をぶるぶる洗うと、

(とだなからつめたいごはんとみそをだして、)

戸棚から冷たいごはんと味噌をだして、

(まるでむちゅうでざくざくたべました。)

まるで夢中でざくざく喰べました。

(「いちろう、いまおつけできるからすこしまってだらよ。)

「一郎、いまお汁(ツケ)できるから少し待ってだらよ。

(なしてけさそったにはやくがっこうへいがなぃやなぃがべ。」)

何(ナ)して今朝そったに早く学校へ行がなぃやなぃがべ。」

(おかあさんはうまにやる「」をにるかまどにきをいれながらききました。)

お母さんは馬にやる「」を煮るかまどに木を入れながらききました。

(「うん。またさぶろうはとんでったがもしれなぃもや。」)

「うん。又三郎は飛んでったがも知れなぃもや。」

(「またさぶろうってなんだてや。とりこだてが。」)

「又三郎って何だてや。鳥こだてが。」

(「うん。またさぶろうっていうやづよ。」)

「うん。又三郎っていうやづよ。」

(いちろうはいそいでごはんをしまうと、わんをこちこちあらって、)

一郎は急いでごはんをしまうと、椀をこちこち洗って、

(それからだいどころのくぎにかけてあるあぶらがっぱをきて、)

それから台所の釘にかけてある油合羽を着て、

(げたはもって、はだしでかすけをさそいにいきました。)

下駄はもって、はだしで嘉助をさそいに行きました。

(かすけはまだおきたばかりで、)

嘉助はまだ起きたばかりで、

(「いまごはんだべていぐがら。」といいましたので、)

「いまごはんだべて行ぐがら。」といいましたので、

(いちろうはしばらくうまやのまえでまっていました。)

一郎はしばらくうまやの前で待っていました。

(まもなくかすけはちいさいみのをきてでてきました。)

まもなく嘉助は小さい簑を着て出てきました。

(はげしいかぜとあめにぐしょぬれになりながら、ふたりはやっとがっこうへきました。)

烈しい風と雨にぐしょぬれになりながら、二人はやっと学校へ来ました。

(しょうこうぐちからはいっていきますと、きょうしつはまだしいんとしていましたが、)

昇降口からはいって行きますと、教室はまだしいんとしていましたが、

など

(ところどころのまどのすきまからあめがいたにはいって、)

ところどころの窓のすきまから雨が板にはいって、

(いたはまるでざぶざぶしていました。)

板はまるでざぶざぶしていました。

(いちろうはしばらくきょうしつをみまわしてから、)

一郎はしばらく教室を見まわしてから、

(「かすけ、ふたりしてみずはぐべな。」といって)

「嘉助、二人して水掃ぐべな。」といって

(しゅろほうきをもってきて、みずをまどのしたのあなへはきよせていました。)

しゅろ箒をもって来て、水を窓の下の孔へはき寄せていました。

(すると、もうだれかきたのかというように、)

すると、もう誰か来たのかというように、

(おくからせんせいがでてきましたが、)

奥から先生が出てきましたが、

(ふしぎなことはせんせいがあたりまえのひとえをきて、)

ふしぎなことは先生があたり前の単衣(ヒトエ)をきて、

(あかいうちわをもっているのです。)

赤いうちわをもっているのです。

(「たいへんはやいですね。あなたがたふたりで、)

「たいへん早いですね。あなた方二人で、

(きょうしつのそうじをしているのですか。」せんせいがききました。)

教室の掃除をしているのですか。」先生がききました。

(「せんせいおはようございます。」いちろうがいいました。)

「先生お早うございます。」一郎がいいました。

(「せんせいおはようございます。」かすけもいいましたが、すぐ、)

「先生お早うございます。」嘉助もいいましたが、すぐ、

(「せんせい、またさぶろうきょうくるのすか。」とききました。)

「先生、又三郎今日来るのすか。」とききました。

(せんせいはちょっとかんがえて、)

先生はちょっと考えて、

(「またさぶろうってたかださんですか。)

「又三郎って高田さんですか。

(ええ、たかださんはきのうおとうさんといっしょにもうほかへいきました。)

ええ、高田さんは昨日お父さんといっしょにもう外(ホカ)へ行きました。

(にちようなので、みなさんにごあいさつするひまがなかったのです。」)

日曜なので、みなさんにご挨拶するひまがなかったのです。」

(「せんせいとんでいったのすか。」かすけがききました。)

「先生飛んで行ったのすか。」嘉助がききました。

(「いいえ、おとうさんがかいしゃからでんぽうでよばれたのです。)

「いいえ、お父さんが会社から電報で呼ばれたのです。

(おとうさんはもいちど、ちょっとこっちへもどられるそうですが、)

お父さんはもいちど、ちょっとこっちへ戻られるそうですが、

(たかださんはやっぱりむこうのがっこうにはいるのだそうです。)

高田さんはやっぱり向うの学校に入るのだそうです。

(むこうにはおかあさんもおられるのですから。」)

向うにはお母さんも居られるのですから。」

(「なしてかいしゃでよばったべす。」いちろうがききました。)

「何して会社で呼ばったべす。」一郎がききました。

(「ここのもりぶでんのこうみゃくは、)

「ここのモリブデンの鉱脉は、

(とうぶんてをつけないことになったためなそうです。」)

当分手をつけないことになった為なそうです。」

(「そうだなぃな。やっぱりあいづはかぜのまたさぶろうだったな。」)

「そうだなぃな。やっぱりあいづは風の又三郎だったな。」

(かすけがたかくさけびました。しゅくちょくしつのほうでなにかごとごとなるおとがしました。)

嘉助が高く叫びました。宿直室の方で何かごとごと鳴る音がしました。

(せんせいはあかいうちわをもっていそいでそっちへいきました。)

先生は赤いうちわをもって急いでそっちへ行きました。

(ふたりはしばらくだまったまま、あいてがほんとうにどうおもっているか、)

二人はしばらくだまったまま、相手がほんとうにどう思っているか、

(さぐるようにかおをみあわせたままたちました。)

探るように顔を見合わせたまま立ちました。

(かぜはまだやまず、まどがらすはあまつぶのためにくもりながら、)

風はまだやまず、窓がらすは雨つぶのために曇りながら、

(まだがたがたなりました。)

まだがたがた鳴りました。

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