銀河鉄道の夜 6

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プレイ回数2427難易度(4.0) 1544打 長文
三、家 (1/2)
宮沢賢治 作
「お母さん。いま帰ったよ。ぐあい悪くなかったの。」
ジョバンニは靴をぬぎながらいいました。
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 なおきち 6412 S 6.5 97.3% 232.5 1533 42 37 2024/09/23
2 みき 5446 B++ 5.5 97.8% 274.5 1529 34 37 2024/10/06
3 布ちゃん 5312 B++ 5.6 94.6% 273.9 1542 87 37 2024/10/24
4 てんぷり 5144 B+ 5.3 96.4% 283.6 1515 56 37 2024/10/05
5 ばぼじま 4668 C++ 4.9 95.3% 308.9 1516 74 37 2024/10/08

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問題文

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(さん、いえ)

三、家

(じょばんにがいきおいよくかえってきたのは、あるうらまちのちいさないえでした。)

ジョバンニが勢いよく帰ってきたのは、ある裏町の小さな家でした。

(そのみっつならんだいりぐちのいちばんひだりがわには、)

その三つならんだ入口の一番左側には、

(あきばこにむらさきいろのけーるやあすぱらがすがうえてあって、)

空箱に紫いろのケールやアスパラガスが植えてあって、

(ちいさなふたつのまどにはひおいがおりたままになっていました。)

小さな二つの窓には日覆いが下りたままになっていました。

(「おかあさん。いまかえったよ。ぐあいわるくなかったの。」)

「お母さん。いま帰ったよ。ぐあい悪くなかったの。」

(じょばんにはくつをぬぎながらいいました。)

ジョバンニは靴をぬぎながらいいました。

(「ああ、じょばんに、おしごとがひどかったろう。)

「ああ、ジョバンニ、お仕事がひどかったろう。

(きょうはすずしくてね。わたしはずうっとぐあいがいいよ。」)

今日は涼しくてね。わたしはずうっとぐあいがいいよ。」

(じょばんにはげんかんをあがっていきますと、)

ジョバンニは玄関を上がって行きますと、

(じょばんにのおかあさんがすぐいりぐちのへやに)

ジョバンニのお母さんがすぐ入口の室(へや)に

(しろいきれをかぶってやすんでいたのでした。)

白いきれを被って寝んでいたのでした。

(じょばんにはまどをあけました。)

ジョバンニは窓をあけました。

(「おかあさん。きょうはかくざとうをかってきたよ。ぎゅうにゅうにいれてあげようとおもって。」)

「お母さん。今日は角砂糖を買ってきたよ。牛乳に入れてあげようと思って。」

(「ああ、おまえさきにおあがり。あたしはまだほしくないんだから。」)

「ああ、おまえさきにおあがり。あたしはまだほしくないんだから。」

(「おかあさん。ねえさんはいつかえったの。」)

「おかあさん。姉さんはいつかえったの。」

(「ああさんじころかえったよ。みんなそこらをしてくれてね。」)

「ああ三時ころ帰ったよ。みんなそこらをしてくれてね。」

(「おかあさんのぎゅうにゅうはきていないんだろうか。」)

「お母さんの牛乳はきていないんだろうか。」

(「こなかったろうかねえ。」)

「こなかったろうかねえ。」

(「ぼくいってとってこよう。」)

「ぼく行ってとってこよう。」

など

(「ああ、あたしはゆっくりでいいんだから、おまえさきにおあがり、)

「ああ、あたしはゆっくりでいいんだから、おまえさきにおあがり、

(ねえさんがね、とまとでなにかこしらえてそこへおいていったよ。」)

姉さんがね、トマトで何かこしらえてそこへ置いていったよ。」

(「ではぼくたべよう。」)

「ではぼくたべよう。」

(じょばんにはまどのところからとまとのさらをとって)

ジョバンニは窓のところからトマトの皿をとって

(ぱんといっしょにしばらくむしゃむしゃたべました。)

パンといっしょにしばらくむしゃむしゃたべました。

(「ねえおかあさん。ぼくおとうさんはきっとまもなくかえってくるとおもうよ。」)

「ねえお母さん。ぼくお父さんはきっと間もなく帰ってくると思うよ。」

(「あああたしもそうおもう。けれどもおまえはどうしてそうおもうの。」)

「あああたしもそう思う。けれどもおまえはどうしてそう思うの。」

(「だってけさのしんぶんにことしはきたのほうのりょうは)

「だって今朝の新聞に今年は北の方の漁は

(たいへんよかったとかいてあったよ。」)

たいへんよかったと書いてあったよ。」

(「ああだけどねえ、おとうさんはりょうへはでていないかもしれない。」)

「ああだけどねえ、お父さんは漁へは出ていないかもしれない。」

(「きっとでているよ。おとうさんがかんごくへはいるような)

「きっと出ているよ。お父さんが監獄へ入るような

(そんなわるいことをしたはずがないんだ。)

そんな悪いことをしたはずがないんだ。

(このまえおとうさんがもってきてがっこうへきぞうした)

この前お父さんが持ってきて学校へ寄贈した

(おおきなかにのこうらだの、となかいのつのだの)

大きなカニの甲らだの、トナカイの角だの

(いまだってみんなひょうほんしつにあるんだ。)

今だってみんな標本室にあるんだ。

(ろくねんせいなんかじゅぎょうのとき、せんせいがかわるがわるきょうしつへもっていくよ。)

六年生なんか授業のとき、先生が代るがわる教室へ持って行くよ。

(おととししゅうがくりょこうで・・・」)

一昨年修学旅行で・・・」

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