銀河鉄道の夜 25
八、鳥をとる人 (3/6)
宮沢賢治 作
宮沢賢治 作
誰がいったいここらでサギなんぞ食べるだろうとジョバンニは思いながらききました。
「サギはおいしんですか。」
「こっちはすぐ食べられます。どうです、少しおあがりなさい。」
「サギはおいしんですか。」
「こっちはすぐ食べられます。どうです、少しおあがりなさい。」
関連タイピング
-
太宰治の人間失格
プレイ回数564 長文かな1944打 -
五十音を打ち終わる時間で勝負!あなたは何秒!?
プレイ回数817万 短文かな137打 -
プレイ回数140 短文2打
-
夏目漱石「こころ」3-73k
プレイ回数1070 長文かな1658打 -
2です
プレイ回数62 かな298打 -
原初の自覚赤子の哲学的覚醒
プレイ回数3383 長文2077打 -
続編です!「一言話!恋愛小説は、ドロドロ関係じゃないと書けない」
プレイ回数151 長文1365打 -
プレイ回数1560 長文3192打
問題文
ふりがな非表示
ふりがな表示
(まっしろな、あのさっきのきたのじゅうじかのようにひかるさぎのからだが、)
まっ白な、あのさっきの北の十字架のように光るサギのからだが、
(じゅうばかり、すこしひらべったくなって、くろいあしをちぢめて、)
十ばかり、少しひらべったくなって、黒い脚をちぢめて、
(うきぼりのようにならんでいたのです。)
浮彫のようにならんでいたのです。
(「めをつぶってるね。」)
「目をつぶってるね。」
(かむぱねるらは、ゆびでそっと、)
カムパネルラは、指でそっと、
(さぎのみかづきがたのしろいつむっためにさわりました。)
サギの三日月形の白いつむった目にさわりました。
(あたまのうえのやりのようなしろいけもちゃんとついていました。)
頭の上の槍のような白い毛もちゃんとついていました。
(「ね、そうでしょう。」)
「ね、そうでしょう。」
(とりとりはふろしきをかさねて、またくるくるとつつんでひもでくくりました。)
鳥とりは風呂敷をかさねて、またくるくると包んでひもでくくりました。
(だれがいったいここらでさぎなんぞたべるだろうと)
誰がいったいここらでサギなんぞ食べるだろうと
(じょばんにはおもいながらききました。)
ジョバンニは思いながらききました。
(「さぎはおいしんですか。」)
「サギはおいしんですか。」
(「ええ、まいにちちゅうもんがあります。しかしがんのほうが、もっとうれます。)
「ええ、毎日注文があります。しかしガンの方が、もっと売れます。
(がんのほうがすっとがらがいいし、だいいちてかずがありませんからな。そら。」)
ガンの方がすっと柄がいいし、第一手数がありませんからな。そら。」
(とりとりは、またべつのほうのつつみをときました。)
鳥とりは、また別の方の包を解きました。
(するときとあおじろとまだらになって、)
すると黄と青じろとまだらになって、
(なにかのあかりのようにひかるがんが、)
なにかのあかりのようにひかるガンが、
(ちょうどさっきのさぎのように、くちばしをそろえて、)
ちょうどさっきのサギのように、くちばしをそろえて、
(すこしひらべったくなって、ならんでいました。)
少しひらべったくなって、ならんでいました。
(「こっちはすぐたべられます。どうです、すこしおあがりなさい。」)
「こっちはすぐ食べられます。どうです、少しおあがりなさい。」
など
(とりとりは、いろんながんのあしを、かるくひっぱりました。)
鳥とりは、いろんなガンの足を、軽くひっぱりました。
(するとそれは、ちょこれーとででもできているように、)
するとそれは、チョコレートででもできているように、
(すっときれいにはなれました。)
すっときれいにはなれました。
(「どうです。すこしたべてごらんなさい。」)
「どうです。すこしたべてごらんなさい。」
(とりとりは、それをふたつにちぎってわたしました。)
鳥とりは、それを二つにちぎってわたしました。
(じょばんには、ちょっとたべてみて、)
ジョバンニは、ちょっと食べてみて、
((なんだ、やっぱりこいつはおかしだ。)
(なんだ、やっぱりこいつはお菓子だ。
(ちょこれーとよりも、もっとおいしいけれども、)
チョコレートよりも、もっとおいしいけれども、
(こんながんがとんでいるもんか。)
こんなガンが飛んでいるもんか。
(このおとこは、どこかそこらののはらのかしやだ。)
この男は、どこかそこらの野原の菓子屋だ。
(けれどもぼくは、このひとをばかにしながら、)
けれどもぼくは、このひとをばかにしながら、
(このひとのおかしをたべているのは、たいへんきのどくだ))
この人のお菓子をたべているのは、たいへん気の毒だ)
(とおもいながら、やっぱりぽくぽくそれをたべていました。)
とおもいながら、やっぱりぽくぽくそれをたべていました。
(「もすこしおあがりなさい。」)
「も少しおあがりなさい。」
(とりとりがまたつつみをだしました。)
鳥とりがまた包を出しました。