銀河鉄道の夜 28
八、鳥をとる人 (6/6)
宮沢賢治 作
宮沢賢治 作
鳥とりは二十ぴきばかり、袋に入れてしまうと、急に両手をあげて、兵隊が鉄砲弾にあたって、死ぬときのような形をしました。
と思ったら、もうそこに鳥とりの形はなくなって、
「ああせいせいした。どうもからだにちょうど合うほどかせいでいるくらい、いいことはありませんな。」
というききおぼえのある声が、ジョバンニのとなりにしました。
と思ったら、もうそこに鳥とりの形はなくなって、
「ああせいせいした。どうもからだにちょうど合うほどかせいでいるくらい、いいことはありませんな。」
というききおぼえのある声が、ジョバンニのとなりにしました。
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問題文
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(とりとりはにじゅっぴきばかり、ふくろにいれてしまうと、)
鳥とりは二十ぴきばかり、袋に入れてしまうと、
(きゅうにりょうてをあげて、へいたいがてっぽうだまにあたって、しぬときのようなかたちをしました。)
急に両手をあげて、兵隊が鉄砲弾にあたって、死ぬときのような形をしました。
(とおもったら、もうそこにとりとりのかたちはなくなって、かえって、)
と思ったら、もうそこに鳥とりの形はなくなって、かえって、
(「ああせいせいした。どうもからだにちょうどあうほどかせいでいるくらい、)
「ああせいせいした。どうもからだにちょうど合うほどかせいでいるくらい、
(いいことはありませんな。」)
いいことはありませんな。」
(というききおぼえのあるこえが、じょばんにのとなりにしました。)
というききおぼえのある声が、ジョバンニのとなりにしました。
(みるととりとりは、もうそこでとってきたさぎを、きちんとそろえて、)
見ると鳥とりは、もうそこでとってきたさぎを、きちんとそろえて、
(ひとつずつかさねなおしているのでした。)
一つずつ重ねなおしているのでした。
(「どうしてあすこから、いっぺんにここへきたんですか。」)
「どうしてあすこから、いっぺんにここへきたんですか。」
(じょばんにが、なんだかあたりまえのような、あたりまえでないような、)
ジョバンニが、なんだかあたりまえのような、あたりまえでないような、
(おかしなきがしてといました。)
おかしな気がして問いました。
(「どうしてって、こようとしたからきたんです。)
「どうしてって、こようとしたからきたんです。
(ぜんたいあなたがたは、どちらからおいでですか。」)
ぜんたいあなた方は、どちらからおいでですか。」
(じょばんには、すぐへんじしようとおもいましたけれども、)
ジョバンニは、すぐ返事しようと思いましたけれども、
(さあ、ぜんたいどこからきたのか、もうどうしてもかんがえつきませんでした。)
さあ、ぜんたいどこからきたのか、もうどうしても考えつきませんでした。
(かむぱねるらも、かおをまっかにしてなにかおもいだそうとしているのでした。)
カムパネルラも、顔をまっ赤にして何か思い出そうとしているのでした。
(「ああ、とおくからですね。」)
「ああ、遠くからですね。」
(とりとりは、わかったというようにぞうさなくうなずきました。)
鳥とりは、わかったというようにぞうさなくうなずきました。