銀河鉄道の夜 33

背景
投稿者投稿者ヤマセミいいね3お気に入り登録
プレイ回数1753難易度(3.7) 1370打 長文
九、ジョバンニの切符 5/36
(沈没船の乗客 1/6)
そしたらにわかにそこに、つやつやした黒い髪の六つばかりの男の子が赤いジャケツのぼたんもかけず、ひどくびっくりしたような顔をして、がたがたふるえて裸足で立っていました。

関連タイピング

問題文

ふりがな非表示 ふりがな表示

(「なんだかりんごのにおいがする。)

「なんだかりんごの匂いがする。

(ぼくいまりんごのことかんがえたためだろうか。」)

ぼくいまりんごのこと考えたためだろうか。」

(かむぱねるらがふしぎそうにあたりをみまわしました。)

カムパネルラがふしぎそうにあたりを見まわしました。

(「ほんとうにりんごのにおいだよ。)

「ほんとうにりんごの匂いだよ。

(それからのいばらのにおいもする。」)

それから野いばらの匂いもする。」

(じょばんにもそこらをみましたが)

ジョバンニもそこらを見ましたが

(やっぱりそれはまどからでもはいってくるらしいのでした。)

やっぱりそれは窓からでも入ってくるらしいのでした。

(いまあきだからのいばらのはなのにおいのするはずはないと)

いま秋だから野いばらの花の匂いのするはずはないと

(じょばんにはおもいました。)

ジョバンニは思いました。

(そしたらにわかにそこに、)

そしたらにわかにそこに、

(つやつやしたくろいかみのむっつばかりのおとこのこが)

つやつやした黒い髪の六つばかりの男の子が

(あかいじゃけつのぼたんもかけず、)

赤いジャケツのぼたんもかけず、

(ひどくびっくりしたようなかおをして)

ひどくびっくりしたような顔をして

(がたがたふるえてはだしでたっていました。)

がたがたふるえて裸足で立っていました。

(となりにはくろいようふくをきちんときたせのたかいせいねんが)

となりには黒い洋服をきちんと着た背の高い青年が

(いっぱいにかぜにふかれているけやきのきのようなしせいで、)

一ぱいに風に吹かれているけやきの木のような姿勢で、

(おとこのこのてをしっかりひいてたっていました。)

男の子の手をしっかりひいて立っていました。

(「あら、ここどこでしょう。まあ、きれいだわ。」)

「あら、ここどこでしょう。まあ、きれいだわ。」

(せいねんのうしろにもうひとり)

青年のうしろにもうひとり

(じゅうにばかりのめのちゃいろなかわいらしいおんなのこが)

十二ばかりの目の茶色なかわいらしい女の子が

など

(くろいがいとうをきて、せいねんのうでにすがって)

黒い外套を着て、青年の腕にすがって

(ふしぎそうにまどのそとをみているのでした。)

ふしぎそうに窓の外をみているのでした。

(「ああ、ここはらんかしゃいやだ。)

「ああ、ここはランカシャイヤだ。

(いや、こんねくてかっとしゅうだ。)

いや、コンネクテカット州だ。

(いや、ああ、ぼくたちはそらへきたのだ。)

いや、ああ、ぼくたちは空へきたのだ。

(わたしたちはてんへいくのです。ごらんなさい。)

わたしたちは天へ行くのです。ごらんなさい。

(あのしるしはてんじょうのしるしです。)

あのしるしは天上のしるしです。

(もうなんにもこわいことありません。)

もうなんにもこわいことありません。

(わたくしたちはかみさまにめされているのです。」)

わたくしたちは神さまに召されているのです。」

(くろふくのせいねんはよろこびにかがやいてそのおんなのこにいいました。)

黒服の青年はよろこびにかがやいてその女の子にいいました。

(けれどもなぜかまたひたいにふかくしわをきざんで、)

けれどもなぜかまたひたいに深くしわをきざんで、

(それにたいへんつかれているらしく、むりにわらいながら)

それにたいへん疲れているらしく、むりに笑いながら

(おとこのこをじょばんにのとなりにすわらせました。)

男の子をジョバンニのとなりにすわらせました。

(それからおんなのこにやさしく)

それから女の子にやさしく

(かむぱねるらのとなりのせきをゆびさしました。)

カムパネルラのとなりの席を指さしました。

(おんなのこはすなおにそこへすわって、)

女の子はすなおにそこへすわって、

(きちんとりょうてをくみあわせました。)

きちんと両手を組み合わせました。

問題文を全て表示 一部のみ表示 誤字・脱字等の報告

ヤマセミのタイピング

オススメの新着タイピング

タイピング練習講座 ローマ字入力表 アプリケーションの使い方 よくある質問

人気ランキング

注目キーワード