銀河鉄道の夜 33

(沈没船の乗客 1/6)
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問題文
(「なんだかりんごのにおいがする。)
「なんだかりんごの匂いがする。
(ぼくいまりんごのことかんがえたためだろうか。」)
ぼくいまりんごのこと考えたためだろうか。」
(かむぱねるらがふしぎそうにあたりをみまわしました。)
カムパネルラがふしぎそうにあたりを見まわしました。
(「ほんとうにりんごのにおいだよ。)
「ほんとうにりんごの匂いだよ。
(それからのいばらのにおいもする。」)
それから野いばらの匂いもする。」
(じょばんにもそこらをみましたが)
ジョバンニもそこらを見ましたが
(やっぱりそれはまどからでもはいってくるらしいのでした。)
やっぱりそれは窓からでも入ってくるらしいのでした。
(いまあきだからのいばらのはなのにおいのするはずはないと)
いま秋だから野いばらの花の匂いのするはずはないと
(じょばんにはおもいました。)
ジョバンニは思いました。
(そしたらにわかにそこに、)
そしたらにわかにそこに、
(つやつやしたくろいかみのむっつばかりのおとこのこが)
つやつやした黒い髪の六つばかりの男の子が
(あかいじゃけつのぼたんもかけず、)
赤いジャケツのぼたんもかけず、
(ひどくびっくりしたようなかおをして)
ひどくびっくりしたような顔をして
(がたがたふるえてはだしでたっていました。)
がたがたふるえて裸足で立っていました。
(となりにはくろいようふくをきちんときたせのたかいせいねんが)
となりには黒い洋服をきちんと着た背の高い青年が
(いっぱいにかぜにふかれているけやきのきのようなしせいで、)
一ぱいに風に吹かれているけやきの木のような姿勢で、
(おとこのこのてをしっかりひいてたっていました。)
男の子の手をしっかりひいて立っていました。
(「あら、ここどこでしょう。まあ、きれいだわ。」)
「あら、ここどこでしょう。まあ、きれいだわ。」
(せいねんのうしろにもうひとり)
青年のうしろにもうひとり
(じゅうにばかりのめのちゃいろなかわいらしいおんなのこが)
十二ばかりの目の茶色なかわいらしい女の子が
(くろいがいとうをきて、せいねんのうでにすがって)
黒い外套を着て、青年の腕にすがって
(ふしぎそうにまどのそとをみているのでした。)
ふしぎそうに窓の外をみているのでした。
(「ああ、ここはらんかしゃいやだ。)
「ああ、ここはランカシャイヤだ。
(いや、こんねくてかっとしゅうだ。)
いや、コンネクテカット州だ。
(いや、ああ、ぼくたちはそらへきたのだ。)
いや、ああ、ぼくたちは空へきたのだ。
(わたしたちはてんへいくのです。ごらんなさい。)
わたしたちは天へ行くのです。ごらんなさい。
(あのしるしはてんじょうのしるしです。)
あのしるしは天上のしるしです。
(もうなんにもこわいことありません。)
もうなんにもこわいことありません。
(わたくしたちはかみさまにめされているのです。」)
わたくしたちは神さまに召されているのです。」
(くろふくのせいねんはよろこびにかがやいてそのおんなのこにいいました。)
黒服の青年はよろこびにかがやいてその女の子にいいました。
(けれどもなぜかまたひたいにふかくしわをきざんで、)
けれどもなぜかまたひたいに深くしわをきざんで、
(それにたいへんつかれているらしく、むりにわらいながら)
それにたいへん疲れているらしく、むりに笑いながら
(おとこのこをじょばんにのとなりにすわらせました。)
男の子をジョバンニのとなりにすわらせました。
(それからおんなのこにやさしく)
それから女の子にやさしく
(かむぱねるらのとなりのせきをゆびさしました。)
カムパネルラのとなりの席を指さしました。
(おんなのこはすなおにそこへすわって、)
女の子はすなおにそこへすわって、
(きちんとりょうてをくみあわせました。)
きちんと両手を組み合わせました。