グロースターの仕立屋 2/13

ベアトリクス・ポター 作
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問題文
(したてやは、ただただはたらきつづけ、しごとをしながらひとりごとした。)
仕立屋は、ただただ働き続け、仕事をしながら一人言した。
(きぬのながさをはかり、ぬのをくるくるまわして、かたちにたった。)
絹の長さをはかり、布をくるくるまわして、形に裁った。
(しごとだいのうえじゅうに、べにいろのたちくずがちらばった。)
仕事台の上じゅうに、べに色の裁ちくずがちらばった。
(「おおきなあまりぎれはひとつもなし。ななめにもたった。)
「大きな余りぎれは一つもなし。斜めにも裁った。
(あまりぎれはなし。のこるは、ねずみのけーぷにぼうしのりぼん。)
余りぎれはなし。残るは、ねずみのケープに帽子のリボン。
(どれもこれも、ねずみよう。」と、したてやはいった。)
どれもこれも、ねずみ用。」と、仕立屋はいった。
(ゆきが、ちいさくくぎったまどのがらすにつきはじめ、)
雪が、小さく区切った窓のガラスにつきはじめ、
(ひかりがささなくなったとき、)
光がささなくなったとき、
(したてやは、いちにちぶんのしごとをおえた。)
仕立屋は、一日分の仕事を終えた。
(うねおりのきぬとさてんのぬのは、あとはただぬうばかり。)
うね織りの絹とサテンの布は、あとはただ縫うばかり。
(しごとだいのうえにのっていた。)
仕事台の上にのっていた。
(うわぎのためには12まいのぬの、ちょっきのためには4まいのぬの。)
上着のためには12枚の布、チョッキのためには4枚の布。
(それに、ぽけっとのふたとかふすにぼたん。)
それに、ポケットのふたとカフスにボタン。
(すべてがきちんとそろっていた。)
すべてがきちんと揃っていた。
(うわぎのうらじは、きいろのたふたで、)
上着の裏地は、黄色のタフタで、
(ちょっきのぼたんほーるをかがるには、べにいろのきぬのあないと。)
チョッキのボタン・ホールをかがるには、べに色の絹の穴糸。
(これで、つぎのあさぬいはじめるよういは、ばんじととのった。)
これで、次の朝縫い始める用意は、万事ととのった。
(きちんとたちあがり、ふそくなものはなにもなし。)
きちんと裁ちあがり、不足なものは何もなし。
(ただ、べにいろのあないとが、あとひとかせあれば、それでよかった。)
ただ、べに色の穴糸が、あとひとかせあれば、それでよかった。
(したてやは、ゆうぐれどきにみせをでた。)
仕立屋は、夕暮れどきに店を出た。
(よるは、みせではねなかったのだ。)
夜は、店では寝なかったのだ。
(したてやはまどのしまりをし、おもてのとのじょうをかけ、かぎをもってそとにでた。)
仕立屋は窓の締りをし、表の戸の錠をかけ、鍵を持って外に出た。
(ねずみたちはいえをでたりはいったりするのに、かぎはつかわなかった。)
ねずみたちは家を出たりはいったりするのに、鍵は使わなかった。
(というのは、ぐろーすたーのまちのすべてのふるいいえのはめいたのうしろには、)
というのは、グロースターの町のすべての古い家の羽目板の後ろには、
(ねずみたちのつかうちいさなかいだんや、ひみつのあげぶたができていた。)
ねずみたちの使う小さな階段や、秘密のあげ蓋ができていた。
(そして、ねずみたちはこのながいほそいみちをとおりぬけて、)
そして、ねずみたちはこの長い細い道を通り抜けて、
(いえからいえへうつっていき、おもてにでないでも、)
家から家へうつっていき、表に出ないでも、
(まちじゅうをかけまわることができた。)
町じゅうを駆け回ることができた。