グロースターの仕立屋 9/13

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プレイ回数796難易度(4.4) 1210打 長文
灯りが漏れる仕立屋の店から、糸をパチンと切る音か聞こえてきた。
ピーター・ラビットのお話 15
ベアトリクス・ポター 作

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問題文

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(のきしたでは、むくどりやすずめが、くりすますのぱいのうたをうたっていた。)

軒下では、ムクドリや雀が、クリスマスのパイの歌を歌っていた。

(こがらすは、きょうかいのとうのうえでめをさまし、)

子ガラスは、教会の塔の上で目を覚まし、

(うたつぐみやこまどりはまよなかであるというのに、うたいはじめた。)

ウタツグミやコマドリは真夜中であるというのに、歌い始めた。

(あたりは、ちいさなさえずりのこえでいっぱいだった。)

あたりは、小さなさえずりの声でいっぱいだった。

(しかし、こういうことは、)

しかし、こういうことは、

(ひもじいしんぷきんにはすこしばかりはらのたつことだった。)

ひもじいシンプキンには少しばかり腹の立つことだった。

(とくに、しんぷきんをいらいらさせたのは、)

とくに、シンプキンをいらいらさせたのは、

(きごうしのうしろからきこえてくる、ちいさなきいきいごえだった。)

木格子の後ろから聞こえてくる、小さなきいきい声だった。

(それは、たいへんちいさいこえだったから、)

それは、たいへん小さい声だったから、

(どうやらこうもりたちのであったらしい。)

どうやらコウモリたちのであったらしい。

(こうもりたちは、いつもとくべつさむさのきびしいひには、ねむりながら、)

コウモリたちは、いつも特別寒さの厳しい日には、眠りながら、

((ぐろーすたーのしたてやがしたように)そんなこえをだすものなのだ。)

(グロースターの仕立屋がしたように)そんな声を出すものなのだ。

(こうもりたちは、なにかこのようなふしぎなことをいっていた。)

コウモリたちは、何かこのような不思議なことを言っていた。

(「あおばえはぶずとなき、みつばちはぶんとなく。)

「青蝿はブズと鳴き、ミツバチはブンと鳴く。

(ぶずとなき、ぶんとなくは、わしらもおなじよ」)

ブズと鳴き、ブンと鳴くは、わしらも同じよ」

(しんぷきんは、ぼうしにはちでもとまったひとのように)

シンプキンは、帽子にハチでも止まった人のように

(くびをふりふりあるいていった。)

首をふりふり歩いていった。

(にしもんどおりのしたてやのみせからは、あかるいひかりがさしていた。)

西門通りの仕立屋の店からは、明るい光がさしていた。

(しんぷきんはまどにちかづき、なかをのぞいた。)

シンプキンは窓に近づき、中を覗いた。

(すると、へやにはたくさんのろうそくがついていた。)

すると、部屋にはたくさんのろうそくがついていた。

など

(はさみがちょきんとなり、いとはぱんとおとをたてた。)

はさみがちょきんと鳴り、糸はパンと音をたてた。

(ちいさなねずみたちが、みんなそろってこえたからかに、たのしげにうたっていた。)

小さなねずみたちが、みんなそろって声高らかに、楽しげに歌っていた。

(「したてやさんが、20と4にん、)

「仕立屋さんが、20と4人、

(ででむしどりにでぇかけた。)

デデムシ取りにでぇかけた。

(いちばんつよいしたてやは、)

一番強い仕立屋は、

(ででむしのしっぽがこわかった。)

デデムシのしっぽがこわかった。

(そのうちででむし、こうしのような)

そのうちデデムシ、仔牛のような

(なぁがいつのをつきだした。)

なぁがい角を突き出した。

(したてやさんよ、それにげろ。)

仕立屋さんよ、それ逃げろ。

(おまえたち、みんなくわれるぞ!」)

おまえたち、みんな食われるぞ!」

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