グロースターの仕立屋 11/13
ねずみたちは立ち上がって「穴糸が足りぬ」といい、鎧戸を締めた
ピーター・ラビットのお話 15
ベアトリクス・ポター 作
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(ねずみたちは、ゆびぬきをかちりとならして、ひょうしをとった。)
ねずみたちは、指ぬきをかちりとならして、表紙をとった。
(けれども、どのうたもしんぷきんにはしゃくにさわった。)
けれども、どの歌もシンプキンにはしゃくにさわった。
(そこで、しんぷきんは、とぐちでくんくんはなをならし、)
そこで、シンプキンは、戸口でくんくん鼻をならし、
(にゃーおとなきたてた。)
にゃーおとなきたてた。
(「それからわたしは、みるくいれをかった。)
「それからわたしは、ミルク入れを買った。
(ごみいれをかった。くずいれをかった。)
ごみいれを買った。くずいれを買った。
(みんなあわせて、たったの1ふぁーじんぐ。)
みんなあわせて、たったの1ファージング。
(そして、それらをしょっきだなにのせた!」)
そして、それらを食器棚にのせた!」
(と、いっぴきのしつれいなねずみがいった。)
と、一匹の失礼なねずみが言った。
(「にゃーお!がり!がり!」まどじきいのうえで、しんぷきんはあばれた。)
「にゃーお!ガリ!ガリ!」窓じきいの上で、シンプキンは暴れた。
(いえのなかでは、ねずみたちがいっせいにたちあがって、)
家の中では、ねずみたちがいっせいに立ち上がって、
(「あないとがたりぬ!あないとがたりぬ!」といい、)
「穴糸が足りぬ!穴糸が足りぬ!」といい、
(それからねずみたちは、よろいどをしめて、)
それからねずみたちは、鎧戸をしめて、
(しんぷきんになかがみえないようにしてしまった。)
シンプキンに中が見えないようにしてしまった。
(けれど、まだなかから、ゆびぬきのかちかちというおとと、)
けれど、まだなかから、指ぬきのかちかちという音と、
(「あないとがたりぬ!」といううたごえがきこえてきた。)
「穴糸が足りぬ!」という歌声が聞こえてきた。
(しんぷきんは、みせをはなれていえにもどった。)
シンプキンは、店をはなれて家に戻った。
(しんぷきんは、みちみちかんがえていた。)
シンプキンは、みちみち考えていた。
(いえにつくと、したてやはねつがさがって、やすらかにねむっていた。)
家につくと、仕立屋は熱が下がって、やすらかに眠っていた。
(しんぷきんは、どびんからあないとのつつみをそっととりだし、)
シンプキンは、土瓶から穴糸のつつみをそっと取り出し、
など
(つきのひかりのなかでじっとみた。)
月の光の中でじっと見た。
(あのいいねずみたちにくらべて、じぶんのわるかったことを、)
あのいいねずみたちに比べて、自分の悪かったことを、
(しんぷきんははずかしくおもった。)
シンプキンは恥ずかしく思った。
(あさになると、したてやはめをさまして、)
朝になると、仕立屋は目を覚まして、
(まずかけぶとんのうえにのっている、べにいろのあないとをみた。)
まず掛け布団の上にのっている、べに色の穴糸を見た。
(そして、べっどのわきには、くいあらためたしんぷきんがたっていた。)
そして、ベッドの脇には、悔い改めたシンプキンが立っていた。
(「あ、やれ、わしは、ぼろきれのように、つかれはてた。)
「あ、やれ、わしは、ぼろきれのように、疲れ果てた。
(だが、あないとはてにはいった!」と、したてやはいった。)
だが、穴糸は手に入った!」と、仕立屋はいった。