グロースターの仕立屋 13/終
 
					ベアトリクス・ポター 作
関連タイピング
- 
			
			山川方夫の短編小説です。青空文庫から引用 プレイ回数553長文2056打
- 
			
			夏目漱石「こころ」3-50 プレイ回数915長文かな1966打
- 
			
			太宰治『みみずく通信』5 プレイ回数661長文1987打
- 
			
			プレイ回数495長文1599打
- 
			
			夏目漱石「こころ」3-52 プレイ回数1135長文かな1830打
- 
			
			太宰治の女生徒のタイピングです プレイ回数2717長文かな3723打
- 
			
			夏目漱石「こころ」3-109 プレイ回数1361長文かな1929打
- 
			
			ハリーポッター呪文 プレイ回数1694かな142打
問題文
(うわぎのえりや、そでのふちには、ばらとぱんじーのはながししゅうされ、)
上着のえりや、袖の縁には、薔薇とパンジーの花が刺繍され、
(ちょっきはけしとやぐるまそうでかざれていた。)
チョッキはケシと矢車草で飾れていた。
(なにもかもきちんとしたてあげられ、)
なにもかもきちんと仕立て上げられ、
(ただべにいろのぼたんほーるひとつだけが、かがられずにのこっていた。)
ただべに色のボタン・ホール一つだけが、かがられずに残っていた。
(そして、そのぼたんほーるのあるべきところに、)
そして、そのボタン・ホールのあるべきところに、
(ちいさなかみがとめられて、とてもとてもちいさなもじで、)
小さな紙がとめられて、とてもとても小さな文字で、
(「あないとがたりぬ」)
「穴糸が足りぬ」
(とかいてあった。)
とかいてあった。
(そして、このときから、ぐろーすたーのしたてやのうんはひらけた。)
そして、このときから、グロースターの仕立屋の運はひらけた。
(したてやは、たいへんじょうぶになり、かなりゆうふくにもなった。)
仕立屋は、たいへん丈夫になり、かなり裕福にもなった。
(また、ぐろーすたーじゅうのかねもちのあきんどや、)
また、グロースター中の金持ちのあきんどや、
(ぐろーすたーちかくのりっぱなしんしたちのため、)
グロースター近くのりっぱな紳士たちのため、
(たいへんみごとなうわぎをつくった。)
たいへん見事な上着を作った。
(このしたてやのつくるひだかざり、またししゅうのついたかふすやえりは、)
この仕立屋の作る襞飾り、また刺繍のついたカフスや襟は、
(それまでだれもみたことのないようなものだった。)
それまでだれも見たことのないようなものだった。
(けれども、そのどれにもましてみごとなのが、)
けれども、そのどれにもまして見事なのが、
(このひとのかがるぼたんほーるであった。)
このひとのかがるボタン・ホールであった。
(そのぼたんほーるのかがりめは、まことにまことにきちんとそろい、)
そのボタン・ホールのかがり目は、まことにまことにきちんとそろい、
(どうしてあのめがねをかけて、ゆびのまがったとしよりが、)
どうしてあのめがねをかけて、指の曲がった年寄りが、
(それをつくれたのだろうと、ふしぎにおもわれた。)
それを作れたのだろうと、不思議に思われた。
(それほどそのかがりめはこまかくてこまかくて、)
それほどそのかがり目は細かくて細かくて、
(まるでちいさなねずみがさしたようにみえるのだった。)
まるで小さなねずみが刺したように見えるのだった。
(おわり。)
おわり。






