半七捕物帳 槍突き7

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プレイ回数420難易度(4.5) 1980打 長文
岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ 第18話

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問題文

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(「まあ、いい。なにもかまいなさんな。おきゃくにきたんじゃねえ。)

「まあ、いい。なにも構いなさんな。お客に来たんじゃねえ。

(そこでさっそくだが、おまえはこのあいだくらまえのとおりでやりつきにでっくわしたと)

そこで早速だが、お前はこのあいだ蔵前の通りで槍突きに出っ食わしたと

(いうじゃあねえか。いや、そりゃあまあさいなんでしかたねえが、そのときに)

いうじゃあねえか。いや、そりゃあまあ災難で仕方ねえが、その時に

(おまえはへんなおきゃくをのっけたそうだね。ほんとうかえ」)

お前は変なお客を乗っけたそうだね。ほんとうかえ」

(「へえ」と、かんじはふあんらしくうなずいた。)

「へえ」と、勘次は不安らしくうなずいた。

(「それがちっとめんどうになっているんだ。きのどくだが、おれはおまえを)

「それがちっと面倒になっているんだ。気の毒だが、おれはお前を

(ひっぱっていかなけりゃあならねえ」)

引っ張って行かなけりゃあならねえ」

(しちべえはまずこうおどした。ばけねこのふうせつはおまえとあいぼうのとみまつのくちから)

七兵衛はまずこう嚇した。化け猫の風説はおまえと相棒の富松の口から

(でたにそういない。きかいのふうせつをきっととりしまれというまちぶぎょうしょのおふれが)

出たに相違ない。奇怪の風説をきっと取り締まれという町奉行所の御触れが

(でている。そうして、そのふうせつのちょうほんにんがつじかごのかんじととみまつのふたりと)

出ている。そうして、その風説の張本人が辻駕籠の勘次と富松の二人と

(わかっているいじょう、じぶんはこれからふたりをひったてていってぎんみをしなければ)

わかっている以上、自分はこれから二人を引っ立てて行って吟味をしなければ

(ならないから、そうおもってくれといった。みだりにきかいのふうせつをるふしたという)

ならないから、そう思ってくれと云った。みだりに奇怪の風説を流布したという

(ことになると、どんなおとがめをうけるかわからないので、かんじもにょうぼうも)

ことになると、どんな御咎めを受けるか判らないので、勘次も女房も

(まっさおになった。)

真っ蒼になった。

(「でも、おやぶん。そりゃあまったくのことなんですから」と、かんじは)

「でも、親分。そりゃあまったくのことなんですから」と、勘次は

(ふるえながらいった。)

慄えながら云った。

(「そりゃあおれもしっている。おまえにめいわくをかけるのはきのどくだとおもっている。)

「そりゃあ俺も知っている。お前に迷惑をかけるのは気の毒だと思っている。

(ついてはそんなめんどうはいわねえことにして、そのかわりにひとつのごようを)

就いてはそんな面倒は云わねえことにして、その代りに一つの御用を

(つとめてくれ。こんやのくれむつがなったらとみまつといっしょにかごをかついで)

勤めてくれ。今夜の暮れ六ツが鳴ったら富松と一緒に駕籠をかついで

(おれのうちまできてくれれば、そのときにばんじのうちあわせをする。)

俺の家まで来てくれれば、その時に万事の打合わせをする。

など

(いいか。たのんだぜ」)

いいか。頼んだぜ」

(いやおうもなしにしょうちさせて、しちべえはかんじにわかれてかえった。かえるとかのいわぞうが)

否応もなしに承知させて、七兵衛は勘次にわかれて帰った。帰るとかの岩蔵が

(きていたので、しちべえはこれをながひばちのまえによんで、うまみちのかんじを)

来ていたので、七兵衛はこれを長火鉢の前によんで、馬道の勘次を

(たずねてきたことをはなした。)

たずねて来たことを話した。

(「しのごのいうとめんどうだからすこしおどかしてきたから、あいぼうといっしょにきっと)

「四の五の云うと面倒だから少し嚇かして来たから、相棒と一緒にきっと

(こんやくるにそういねえ。ふたりにからかごをかつがせて、おれがついて)

今夜来るに相違ねえ。ふたりに空駕籠をかつがせて、おれが付いて

(いってみようとおもう。ばけねこつりがうまくいきゃあおなぐさみだが・・・・・・」)

行ってみようと思う。化け猫釣りがうまく行きゃあお慰みだが……」

(「そんなしごとならほかのかごやをかりだしたほうがようがすぜ」と、いわぞうは)

「そんな仕事ならほかの駕籠屋を狩り出した方がようがすぜ」と、岩蔵は

(いった。「あいつらはそろっておくびょうなやつらですから、なんのやくにもたちますめえ」)

云った。「あいつらは揃って臆病な奴らですから、なんの役にもたちますめえ」

(「でも、このあいだのばんのむすめをのっけたのはあいつらだから、ほかのものじゃあ)

「でも、このあいだの晩の娘を乗っけたのは彼奴らだから、ほかの者じゃあ

(みしりにんにならねえ。まあ、いいや。なんとかなるだろう」と、しちべえは)

見識り人にならねえ。まあ、いいや。なんとかなるだろう」と、七兵衛は

(わらっていた。「それにしてもたみのやろうはどうしたろう。あいつにすこし)

笑っていた。「それにしても民の野郎はどうしたろう。あいつに少し

(たのんでおいたことがあるんだが・・・・・・」)

頼んで置いたことがあるんだが……」

(「たみのやろうはさっききましたよ。おやぶんはるすだといったら、それじゃあかみゆいどこへ)

「民の野郎はさっき来ましたよ。親分は留守だと云ったら、それじゃあ髪結床へ

(いってこようとでていきましたから、またひっかえしてくるでしょうよ」)

行ってこようと出て行きましたから、又引っ返して来るでしょうよ」

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