三国志魏書 - 張遼伝 ③

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(かんうはんにてそうじんをかこむ。たまたまけんはんをしょうす。)

關羽樊於て曹仁を圍む。會權藩を稱す。

(りょうおよびしょぐんことごとくめしかえしじんをすくう。りょういまだいたらず。じょこうすでにかんうをやぶり)

遼及び諸軍悉く召し還し仁を救う。遼未だ至ず。徐晃已に關羽を破り

(じんのかこみをとく。りょうとたいそまひであう。りょうぐんいたりたいそてぐるまにのりいでてこれをねぎらう。)

仁の圍みを解く。遼與太祖摩陂で會う。遼軍至り太祖輦に乘り出でて之を勞う。

(かえりちんぐんにたむろす。ぶんていおういにつきぜんしょうぐんにうつる。)

還り陳郡に屯す。文帝王位に卽き前將軍に轉る。

(ぶんぽうしあにのはんおよびいっしをれっこうとす。そんけんまたそむく。)

分封し兄の汎及び一子を列侯とす。孫權復た叛く。

(りょうをつかわしがっぴにかえりたむろす。りょうのしゃくときょうこうにすすむ。)

遼を遣わし合肥に還り屯す。遼の爵都鄉侯に進む。

(りょうのははよしゃをたまい、およびりょうけがたむろにいたるにへいばでおくり)

遼の母輿車を給い、及び遼家が屯に詣るに兵馬で送り

(りょうのははいたらばどうじゅうでむかえといましむ。)

遼の母至らば導從出迎へと敕む。

(ひきいるしょぐんしょうしところにしてみなみちがわでらはいす。かんずるものこれをさかえとす。)

督いる諸軍將吏所にして皆道側で羅拜す。觀ずる者之を榮とす。

(ぶんていせんそしんようこうにほうず。ゆうせんこふえまえとあわせにせんろっぴゃくこ。)

文帝踐阼晉陽侯に封ず。邑千戶增え前と幷せ二千六百戶。

(こうしょにねん、りょうらくようきゅうにあしたせんとす。ぶんていりょうをひきけんしでんであい)

黃初二年、遼洛陽宮に朝せんとす。文帝遼を引き建始殿で會い

(みずからごやぶりしときのいじょうをとう。ていたんそくしさゆうをかえりみていわく)

親ら吳破りしときの意狀を問う。帝歎息し左右を顧みて曰く

(「これまたいにしえのしょうこなり」ためにていしゃをおこしまたりょうのははのためにとくにとのをつくる。)

「此亦古之召虎也」爲に第舍を起こし又遼の母の爲に特に殿を作る。

(もってりょうのぼにおうじごぐんをやぶるにしょじゅうしたほそつ、みなこほんとなす。)

以て遼の募に應じ吳軍を破るに所從した步卒、皆虎賁と爲す。

(そんけんまたはんをしょうす。りょうようきゅうにかえりてたむろせしもやみうる。)

孫權復た藩を稱す。遼雍丘に還りて屯せしも疾み得る。

(ていじちゅうりゅうようにたいいをひきいてつかわしやまいをみる。)

帝侍中劉曄に太醫を將いて遣わし疾を視る。

(こほんしょうそくをとうにどうろにあいあつむ。やまいいまだいえず。)

虎賁消息を問うに道路に相屬む。疾未だ瘳えず

(ていあんざいしょににつきしりょうをむかへ、しゃがにのぞみみずからそのてをとりもってぎょいをたまわる。)

帝行在所に就きし遼を迎へ、車駕に臨み親ら其の手を執り以て御衣を賜る。

(たいかん、ひにみけをおくりやまいすこしくいえたり。たむろにかえる。)

太官、日に御食を送り疾小しく差えたり。屯に還る。

(そんけんまたそむく。ていりょうとそうきゅうをつかわし、ふねにのりこうをのぞむかいりょうにいたる。)

孫權復た叛く。帝遼與曹休を遣わし、舟に乘り江を臨む海陵に至る。

など

(けんはなはだはばかるや、しょしょうをいましめ「ちょうりょうやまいといえどもあたらずや、これつつしまん」)

權甚だ憚る焉、諸將を敕め「張遼病と雖も不可當也、慎之」

(このとし、りょうとしょしょうけんのしょうりょはんをやぶる。りょうやまいあつくついにこうとにおいてこうずる。)

是歲、遼與諸將權の將呂範をを破る。遼病篤く遂に江都に于いて薨ずる。

(ていためにりゅうていす。おくりないわくごうこう。こちょうこがつぐ。)

帝爲に流涕す。諡曰く剛侯。子張虎が嗣ぐ。

(ろくねんてい、がっぴのこうありしりょうてんのおもいをおい、しょういわく)

六年帝、合肥之功在りし遼典念いを追い、詔曰く

(「がっぴのえき、りょうてんはっぴゃくのほそつをもってじゅうまんのぞくをやぶる。)

「合肥之役、遼典步卒八百を以て十萬の賊を破る。

(いにしえのようへいをもっていまだあらざるなり。ぞくをしていまにいたるにきをうばいせしむとも)

古の用兵を自て未だ之有る也。賊を使て今に至るに氣を奪いせしむとも

(くにのそうがというべけんや。それりょうてんのゆうおのおのひゃっこをわけ)

可國之爪牙と謂う矣。其遼典の邑各百戶を分け

(いっしにかんだいこうのしゃくをたまわる」こ、へんしょうぐんとなる。こうじてこ、とうがつぐ。)

一子に關內侯の爵を賜る」虎、偏將軍と爲る。薨じて子、統が嗣ぐ。

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