オ3 古今和歌集

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(ちょくせんわかしゅう「こきんわかしゅう」はえんぎ5ねん(905)に)

勅撰和歌集「古今和歌集」は延喜5年(905)に

(せいりつした。てんのうというくにのさいこうけんりょくしゃのめいによって)

成立した。天皇という国の最高権力者の命によって

(つくられた、「にほんぶんかのいき」ともいえるいっさつだ。)

作られた、「日本文化の粋」ともいえる一冊だ。

(57577のりずむでよむ「わか」というけいしきは、)

5・7・5・7・7のリズムで詠む「和歌」という形式は、

(7せいきなかばころにかんせいされていた。ふるくはせどうかやかたうた、ちょうか)

7世紀半ば頃に完成されていた。古くは旋頭歌や片歌、長歌

(などのけいしきもあったという。そんなわかのなかでも、たんか)

などの形式もあったという。そんな和歌の中でも、短歌

(のみをあつめたにほんはつのちょくせんわかしゅうである「こきんわかしゅう」は、)

のみを集めた日本初の勅撰和歌集である「古今和歌集」は、

(だい60だいてんのうだいごてんのうのめいによってつくられた。せんじゃとして)

第60代天皇・醍醐天皇の命によって作られた。撰者として

(えらばれたのはきのとものり、きのつらゆき、おおしこうちのみつね、みぶのただみねの)

選ばれたのは紀友則、紀貫之、凡河内躬恒、壬生忠岑の

(4にんで、かれらはさんじゅうろっかせんになをつらねるかじんたちだ。)

4人で、彼らは三十六歌仙に名を連ねる歌人たちだ。

(まさにこくりょくをとうじたどりーむちーむといえるだろう。)

まさに国力を投じたドリームチームといえるだろう。

(ぜん20かん、けい1111しゅのわかがしゅうろくされており、きのつらゆきが)

全20巻、計1111首の和歌が収録されており、紀貫之が

(かなでかいた「かなじょ」、きのよしもちがかんぶんでかいた「まなじょ」)

仮名で書いた「仮名序」、紀淑望が漢文で書いた「真名序」

(からはじまる。わかはそれぞれはる、なつ、あき、ふゆの「しきうた」、)

から始まる。和歌はそれぞれ春、夏、秋、冬の「四季歌」、

(が、りべつ、きりょ、ぶつめい、こい、あいしょう、ざつ、ざってい、おおうたどころのおんうた、)

賀、離別、羇旅、物名、恋、哀傷、雑、雑躰、大歌所御歌、

(かみあそびのうた、あずまうたとしょうだてされている。さらにしきなら)

神遊びの歌、東歌と章立てされている。さらに四季なら

(りっしゅんからさいまつへ、こいうたならみそめからおうせ、わかれといった)

立春から歳末へ、恋歌なら見初めから逢瀬、別れといった

(ふうに、ひとつのものがたりのようにうたがはいれつされていること)

ふうに、ひとつの物語のように歌が配列されていること

(から、せんじゃのくふうがかいまみえる。)

から、撰者の工夫が垣間見える。

(「こきんわかしゅう」の「いま」はせんじゃらとうだいのかじんたちのうたで、)

「古今和歌集」の「今」は撰者ら当代の歌人たちの歌で、

など

(「こ」はおののこまちなどろっかせんじだいのものだ。)

「古」は小野小町など六歌仙時代のものだ。

(さぞゆうめいなかじんがならんでいるとおもいきや、ぜんたいのやく4わりは)

さぞ有名な歌人が並んでいると思いきや、全体の約4割は

(さくしゃふめいの「よみびとしらず」だったりする。くにのいしんを)

作者不明の「詠み人知らず」だったりする。国の威信を

(かけたちょくせんしゅうではあるが、「ぶんか」をけいせいするものに)

かけた勅撰集ではあるが、「文化」を形成する者に

(きせんはないとするしせいは、のちのちょくせんしゅうにもうけつがれている。)

貴賤はないとする姿勢は、のちの勅撰集にも受け継がれている。

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