吾輩は猫である16

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プレイ回数58難易度(4.5) 300秒 長文 長文モードのみ
読書初心者、子ども向け
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順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 りく 5846 A+ 6.0 96.8% 300.0 1813 59 23 2024/04/11
2 スヌスムムリク 5100 B+ 5.2 97.7% 300.0 1566 36 19 2024/04/24
3 sada 3023 E++ 3.1 95.2% 300.0 955 48 12 2024/04/28

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問題文

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(しゅじんがすいさいがをゆめにみたよくじつれいのきんぶちめがねのびがくしゃがひさしぶりでしゅじんをほうもん)

主人が水彩画を夢に見た翌日例の金縁眼鏡の美学者が久しぶりで主人を訪問

(した。かれはざにつくとへきとうだいいちに「えはどうかね」とくちをきった。しゅじんは)

した。彼は座につくと劈頭第一に「画はどうかね」と口を切った。主人は

(へいきなかおをして「きみのちゅうこくにしたがってしゃせいをつとめているが、なるほどしゃせいをする)

平気な顔をして「君の忠告に従って写生を力めているが、なるほど写生をする

(といままできのつかなかったもののかたちや、いろのせいさいなへんかなどがよくわかるよう)

といままで気のつかなかった物の形や、色の精細な変化などがよく分るよう

(だ。せいようではむかしからしゃせいをしゅちょうしたけっかきょうのようにはったつしたものとおもわ)

だ。西洋では昔しから写生を主張した結果今日のように発達したものと思わ

(れる。さすがあんどれあでるさるとだ」とにっきのことはおくびにもださな)

れる。さすがアンドレア・デル・サルトだ」と日記の事はおくびにも出さな

(いで、またあんどれあでるさるとにかんしんする。びがくしゃはわらいながら「じつ)

いで、またアンドレア・デル・サルトに感心する。美学者は笑いながら「実

(はきみ、あれはでたらめだよ」とあたまをかく。「なにが」としゅじんはまだいつわられた)

は君、あれは出鱈目だよ」と頭を掻く。「何が」と主人はまだいつわられた

(ことにきがつかない。「なにがってきみのしきりにかんぷくしているあんどれあでる)

事に気がつかない。「何がって君のしきりに感服しているアンドレア・デル・

(さるとさ。あれはぼくのちょっとしたねつぞうしたはなしだ。きみがそんなにまじめにしんじ)

サルトさ。あれは僕のちょっとした捏造した話だ。君がそんなに真面目に信じ

(ようとはおもわなかった。はははは」とだいきえつのていである。わがはいはえんがわでこの)

ようとは思わなかった。ハハハハ」と大喜悦の体である。吾輩は椽側でこの

(たいわをきいてかれのきょうのにっきにはいかなることがしるさるるであろうかとあらかじめそうぞう)

対話を聞いて彼の今日の日記にはいかなる事が記さるるであろうかと予め想像

(せざるをえなかった。このびがくしゃはこんないいかげんなことをふきちらしてひとを)

せざるを得なかった。この美学者はこんな好加減な事を吹き散らして人を

(かつぐのをゆいいつのらくにしているおとこである。かれはあんどれあでるさるとじけんが)

担ぐのを唯一の楽にしている男である。彼はアンドレア・デル・サルト事件が

(しゅじんのじょうせんにいかなるひびきをつたえたかをごうもこりょせざるもののごとくとくいに)

主人の情線にいかなる響を伝えたかを毫も顧虜せざるもののごとく得意に

(なってしものようなことをしゃべった。「いやときどきじょうだんをいうとひとがまにうけるの)

なって下のような事を饒舌った。「いや時々冗談を言うと人が真に受けるの

(でおおいにこっけいてきびかんをちょうはつするのはおもしろい。せんだってあるがくせいににこらす)

で大に滑稽的美感を挑撥するのは面白い。せんだってある学生にニコラス・

(にっくるべーがぎほんにちゅうこくしてかれのいっせいのだいちょじゅつなるふっこくかくめいしをふらんすごで)

ニックルベーがギホンに忠告して彼の一世の大著述なる仏国革命史を仏語で

(かくのをやめにしてえいぶんでしゅっぱんさせたといったら、そのがくせいがまたばかに)

書くのをやめにして英文で出版させたと言ったら、その学生がまた馬鹿に

(きおくのよいおとこで、にほんぶんがくかいのえんぜつでまじめにぼくのはなしたとおりをくりかえした)

記憶の善い男で、日本文学会の演説で真面目に僕の話した通りを繰り返した

など

(のはこっけいであった。ところがそのときのぼうちょうしゃはやくひゃくめいばかりであったが、みな)

のは滑稽であった。ところがその時の傍聴者は約百名ばかりであったが、皆

(ねっしんにそれをけいちょうしておった。それからまだおもしろいはなしがある。せんだってある)

熱心にそれを傾聴しておった。それからまだ面白い話がある。せんだって或る

(ぶんがくしゃのいるせきではりそんのれきししょうせつせおふぁーののはなしがでたからぼくは)

文学者のいる席でハリソンの歴史小説セオファーノの話しが出たから僕は

(あれはれきししょうせつのなかではくびである。ことにおんなしゅじんがしぬところはききひとを)

あれは歴史小説の中で白眉である。ことに女主人が死ぬところは鬼気人を

(おそうようだとひょうしたら、ぼくのむこうにすわっているしらんといったことのないせんせい)

襲うようだと評したら、僕の向うに坐っている知らんと云った事のない先生

(が、そうそうあすこはじつにめいぶんだといった。それでぼくはこのおとこもやはりぼくどうよう)

が、そうそうあすこは実に名文だといった。それで僕はこの男もやはり僕同様

(このしょうせつをよんでおらないということをしった」しんけいいじゃくしょうのしゅじんはめをまるく)

この小説を読んでおらないという事を知った」神経胃弱性の主人は眼を丸く

(してといかけた。「そんなでたらめをいってもしあいてがよんでいたらどうするつ)

して問いかけた。「そんな出鱈目をいってもし相手が読んでいたらどうするつ

(もりだ」あたかもひとをあざむくのはさしつかえない、ただばけのかわがあらわれたときは)

もりだ」あたかも人を欺くのは差支えない、ただ化の皮があらわれた時は

(こまるじゃないかとかんじたもののごとくである。びがくしゃはすこしもどうじない。)

困るじゃないかと感じたもののごとくである。美学者は少しも動じない。

(「なにそのときゃべつのほんとまちがえたとかなんとかいうばかりさ」といってけらけら)

「なにその時ゃ別の本と間違えたとか何とか云うばかりさ」と云ってけらけら

(わらっている。このびがくしゃはきんぶちのめがねはかけているがそのせいしつがくるまやのくろにに)

笑っている。この美学者は金縁の眼鏡は掛けているがその性質が車屋の黒に似

(たところがある。しゅじんはだまってひのでをわにふいてわがはいにはそんなゆうきはない)

たところがある。主人は黙って日の出を輪に吹いて吾輩にはそんな勇気はない

(といわんばかりのかおをしている。びがくしゃはそれだからえをかいてもだめだ)

と云わんばかりの顔をしている。美学者はそれだから画をかいても駄目だ

(というめつきで「しかしじょうだんはじょうだんだがえというものはじっさいむずかしいものだよ、)

という目付で「しかし冗談は冗談だが画というものは実際難しいものだよ、

(れおなるどだヴぃんちはもんかせいにじいんのかべのしみをうつせとおしえたことが)

レオナルド・ダ・ヴィンチは門下生に寺院の壁のしみを写せと教えた事が

(あるそうだ。なるほどせっちんなどにはいってあめのもるかべをよねんなくながめている)

あるそうだ。なるほど雪隠などに這入って雨の漏る壁を余念なく眺めている

(と、なかなかうまいもようえがしぜんにできているぜ。きみちゅういしてしゃせいして)

と、なかなかうまい模様画が自然にできているぜ。君注意して写生して

(みたまえきっとおもしろいものができるから」「まただますのだろう」「いえこれ)

見給えきっと面白いものが出来るから」「また欺すのだろう」「いえこれ

(だけはたしかだよ。じっさいきけいなごじゃないか、だヴぃんちでもいいそうな)

だけはたしかだよ。実際奇警な語じゃないか、ダ・ヴィンチでもいいそうな

(ことだあね」「なるほどきけいにはそういないな」としゅじんははんぶんこうさんをした。)

事だあね」「なるほど奇警には相違ないな」と主人は半分降参をした。

(しかしかれはまだせっちんでしゃせいはせぬようだ。)

しかし彼はまだ雪隠で写生はせぬようだ。

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