「やまなし」宮沢賢治(1/5頁)

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(ちいさなたにがわのそこをうつしたにまいのあおいげんとうです。)

小さな谷川の底を写した二枚の青い幻燈です。

(いち、ごがつ)

一、五月

(にひきのかにのこどもらがあおじろいみずのそこではなしていました。)

二疋の蟹の子供らが青じろい水の底で話していました。

(くらむぼんはわらったよ。)

『クラムボンはわらったよ。』

(くらむぼんはかぷかぷわらったよ。)

『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』

(くらむぼんははねてわらったよ。)

『クラムボンは跳ねてわらったよ。』

(くらむぼんはかぷかぷわらったよ。)

『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』

(うえのほうやよこのほうは、あおくくらくはがねのようにみえます。)

上の方や横の方は、青くくらく鋼のように見えます。

(そのなめらかなてんじょうを、つぶつぶくらいあわがながれていきます。)

そのなめらかな天井を、つぶつぶ暗い泡が流れて行きます。

(くらむぼんはわらっていたよ。)

『クラムボンはわらっていたよ。』

(くらむぼんはかぷかぷわらったよ。)

『クラムボンはかぷかぷわらったよ。』

(それならなぜくらむぼんはわらったの。)

『それならなぜクラムボンはわらったの。』

(しらない。)

『知らない。』

(つぶつぶあわがながれていきます。)

つぶつぶ泡が流れて行きます。

(かにのこどもらもぽっぽっぽっとつづけてごろくつぶあわをはきました。)

蟹の子供らもぽっぽっぽっとつづけて五六粒泡を吐きました。

(それはゆれながらすいぎんのようにひかって)

それはゆれながら水銀のように光って

(ななめにうえのほうへのぼっていきました。)

斜めに上の方へのぼって行きました。

(つうとぎんのいろのはらをひるがえして、)

つうと銀のいろの腹をひるがえして、

(いっぴきのさかながあたまのうえをすぎていきました。)

一疋の魚が頭の上を過ぎて行きました。

(くらむぼんはしんだよ。)

『クラムボンは死んだよ。』

など

(くらむぼんはころされたよ。)

『クラムボンは殺されたよ。』

(くらむぼんはしんでしまったよ・・・。)

『クラムボンは死んでしまったよ………。』

(ころされたよ。)

『殺されたよ。』

(それならなぜころされた。)

『それならなぜ殺された。』

(にいさんのかには、そのみぎがわのよんほんのあしのなかのにほんを、)

兄さんの蟹は、その右側の四本の脚の中の二本を、

(おとうとのひらべったいあたまにのせながらいいました。)

弟の平べったい頭にのせながら云いました。

(わからない。)

『わからない。』

(さかながまたつうともどってかりゅうのほうへいきました。)

魚がまたツウと戻って下流のほうへ行きました。

(くらむぼんはわらったよ。)

『クラムボンはわらったよ。』

(わらった。)

『わらった。』

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