「やまなし」宮沢賢治(3/5頁)

関連タイピング
-
青森県の民話です
プレイ回数199長文180秒 -
岩手県の民話です
プレイ回数93長文180秒 -
北海道の民話です
プレイ回数63長文180秒 -
ラブライブ 僕たちはひとつの光
プレイ回数598歌詞852打 -
幕末の若侍たちの百物語。妖怪は出るか、出ないのか。
プレイ回数2757長文2558打 -
少年探偵団シリーズ1作目
プレイ回数3242長文3114打 -
少年探偵団シリーズ1作目
プレイ回数2288長文2546打 -
少年探偵団シリーズ1作目
プレイ回数2240長文2834打
問題文
(おとうさんのかにがでてきました。)
お父さんの蟹が出て来ました。
(どうしたい。ぶるぶるふるえているじゃないか。)
『どうしたい。ぶるぶるふるえているじゃないか。』
(おとうさん、いまおかしなものがきたよ。)
『お父さん、いまおかしなものが来たよ。』
(どんなもんだ。)
『どんなもんだ。』
(あおくてね、ひかるんだよ。)
『青くてね、光るんだよ。
(はじがこんなにくろくとがってるの。)
はじがこんなに黒く尖ってるの。
(それがきたらおさかながうえへのぼっていったよ。)
それが来たらお魚が上へのぼって行ったよ。』
(そいつのめがあかかったかい。)
『そいつの眼が赤かったかい。』
(わからない。)
『わからない。』
(ふうん。しかし、そいつはとりだよ。)
『ふうん。しかし、そいつは鳥だよ。
(かわせみというんだ。)
かわせみと云うんだ。
(だいじょうぶだ、あんしんしろ。)
大丈夫だ、安心しろ。
(おれたちはかまわないんだから。)
おれたちはかまわないんだから。』
(おとうさん、おさかなはどこへいったの。)
『お父さん、お魚はどこへ行ったの。』
(さかなかい。さかなはこわいところへいった。)
『魚かい。魚はこわい所へ行った』
(こわいよ、おとうさん。)
『こわいよ、お父さん。』
(いいいい、だいじょうぶだ。しんぱいするな。)
『いいいい、大丈夫だ。心配するな。
(そら、かばのはながながれてきた。)
そら、樺の花が流れて来た。
(ごらん、きれいだろう。)
ごらん、きれいだろう。』
(あわといっしょに、しろいかばのはなびらが)
泡と一緒に、白い樺の花びらが
(てんじょうをたくさんすべってきました。)
天井をたくさんすべって来ました。
(こわいよ、おとうさん。おとうとのかにもいいました。)
『こわいよ、お父さん。』弟の蟹も云いました。
(ひかりのあみはゆらゆら、のびたりちぢんだり、)
光の網はゆらゆら、のびたりちぢんだり、
(はなびらのかげはしずかにすなをすべりました。)
花びらの影はしずかに砂をすべりました。