「やまなし」宮沢賢治(3/5頁)
関連タイピング
-
三人の仲の良い百姓が、赤ん坊を拾った。その赤ん坊は実は……。
プレイ回数1260長文2061打 -
三人の仲の良い百姓が、赤ん坊を拾った。その赤ん坊は実は……。
プレイ回数1287長文2124打 -
プレイ回数401長文かな3145打
-
少年探偵団シリーズ1作目
プレイ回数3043長文3034打 -
少年探偵団シリーズ1作目
プレイ回数2866長文2590打 -
少年探偵団シリーズ1作目
プレイ回数3119長文3033打 -
三人の仲の良い百姓が、赤ん坊を拾った。その赤ん坊は実は……。
プレイ回数1181長文2116打 -
夢の中の栄枯盛衰に価値を見出している小説小品。
プレイ回数1408長文2012打
問題文
(おとうさんのかにがでてきました。)
お父さんの蟹が出て来ました。
(どうしたい。ぶるぶるふるえているじゃないか。)
『どうしたい。ぶるぶるふるえているじゃないか。』
(おとうさん、いまおかしなものがきたよ。)
『お父さん、いまおかしなものが来たよ。』
(どんなもんだ。)
『どんなもんだ。』
(あおくてね、ひかるんだよ。)
『青くてね、光るんだよ。
(はじがこんなにくろくとがってるの。)
はじがこんなに黒く尖ってるの。
(それがきたらおさかながうえへのぼっていったよ。)
それが来たらお魚が上へのぼって行ったよ。』
(そいつのめがあかかったかい。)
『そいつの眼が赤かったかい。』
(わからない。)
『わからない。』
(ふうん。しかし、そいつはとりだよ。)
『ふうん。しかし、そいつは鳥だよ。
(かわせみというんだ。)
かわせみと云うんだ。
(だいじょうぶだ、あんしんしろ。)
大丈夫だ、安心しろ。
(おれたちはかまわないんだから。)
おれたちはかまわないんだから。』
(おとうさん、おさかなはどこへいったの。)
『お父さん、お魚はどこへ行ったの。』
(さかなかい。さかなはこわいところへいった。)
『魚かい。魚はこわい所へ行った』
(こわいよ、おとうさん。)
『こわいよ、お父さん。』
(いいいい、だいじょうぶだ。しんぱいするな。)
『いいいい、大丈夫だ。心配するな。
(そら、かばのはながながれてきた。)
そら、樺の花が流れて来た。
(ごらん、きれいだろう。)
ごらん、きれいだろう。』
(あわといっしょに、しろいかばのはなびらが)
泡と一緒に、白い樺の花びらが
(てんじょうをたくさんすべってきました。)
天井をたくさんすべって来ました。
(こわいよ、おとうさん。おとうとのかにもいいました。)
『こわいよ、お父さん。』弟の蟹も云いました。
(ひかりのあみはゆらゆら、のびたりちぢんだり、)
光の網はゆらゆら、のびたりちぢんだり、
(はなびらのかげはしずかにすなをすべりました。)
花びらの影はしずかに砂をすべりました。