私の個人主義13

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(いかのように20もじごとにかいぎょうしてひょうじします。)

以下のように20文字ごとに改行して表示します。

(せなかったのです。そのくつうはむろんどんつうではありましたが、)

せなかったのです。その苦痛は無論鈍痛ではありましたが、

(ねんねんさいさいかんずるつうにはそういなかったのであります。だからもしわたしの)

年々歳々感ずる痛には相違なかったのであります。だからもし私の

(ようなびょうきにかかったひとが、もしこのなかにあるならば、どうぞゆうもうに)

ような病気に罹った人が、もしこの中にあるならば、どうぞ勇猛に

(おすすみにならんことをきぼうしてやまないのです。もしそこまでおこなけれ)

お進みにならん事を希望してやまないのです。もしそこまで行けれ

(ば、ここにおれのしりをおちつけるばしょがあったのだというじじつをご)

ば、ここにおれの尻を落ちつける場所があったのだという事実をご

(はっけんになって、しょうがいのあんしんとじしんをにぎることができるようになると)

発見になって、生涯の安心と自信を握る事ができるようになると

(おもうからもうしあげるのです。いままでもうしあげたことはこのこうえんのだいいち)

思うから申し上げるのです。今まで申し上げた事はこの講演の第一

(へんにそうとうするものですが、わたしはこれからそのだいにへんにうつろうかと)

篇に相当するものですが、私はこれからその第二篇に移ろうかと

(かんがえます。がくしゅういんというがっこうはしゃかいてきちいのよいひとがはいるがっこうの)

考えます。学習院という学校は社会的地位の好い人が這入る学校の

(ようにせけんからみこうされております。そうしてそれがおそらくじじつ)

ように世間から見傚されております。そうしてそれがおそらく事実

(なのでしょう。もしわたしのすいさつどおりたいしたひんみんはここへこないで、むし)

なのでしょう。もし私の推察通り大した貧民はここへ来ないで、むし

(ろじょうりゅうしゃかいのしていばかりがあつまっているとすれば、こうごあなたがたに)

ろ上流社会の子弟ばかりが集まっているとすれば、向後あなたがたに

(ふずいしてくるもののうちでだいいちばんにあげなければならないのはけんりょくで)

附随してくるもののうちで第一番に挙げなければならないのは権力で

(あります。かんげんすると、あなたがたがせけんへでれば、ひんみんがよのなかに)

あります。換言すると、あなた方が世間へ出れば、貧民が世の中に

(たったときよりもよけいけんりょくがつかえるということなのです。ぜんもうした、しごと)

立った時よりも余計権力が使えるという事なのです。前申した、仕事

(をしてなにかにほりあてるまですすんでいくということは、つまりあなた)

をして何かに掘りあてるまで進んで行くという事は、つまりあなた

(ほうのこうふくのためあんしんのためにはそういありませんが、なぜそれがこうふくと)

方の幸福のため安心のためには相違ありませんが、なぜそれが幸福と

(あんしんとをもたらすかというと、あなたがたのもってうまれたこせいがそこ)

安心とをもたらすかというと、あなた方のもって生れた個性がそこ

(にぶつかってはじめてこしがすわるからでしょう。そうしてそこにしりを)

にぶつかって始めて腰がすわるからでしょう。そうしてそこに尻を

など

(おちつけてだんだんまえのほうへすすんでいくとそのこせいがますますはってんし)

落ちつけてだんだん前の方へ進んで行くとその個性がますます発展し

(ていくからでしょう。ああここにおれのあんじゅうのちいがあったと、あなた)

て行くからでしょう。ああここにおれの安住の地位があったと、あなた

(ほうのしごととあなたがたのこせいが、しっくりあったときに、はじめていいとく)

方の仕事とあなたがたの個性が、しっくり合った時に、始めて云い得

(るのでしょう。これとどうじようないみで、いまもうしあげたけんりょくというものを)

るのでしょう。これと同じような意味で、今申し上げた権力というものを

(ぎんみしてみると、けんりょくとはせんこくおはなししたじぶんのこせいをたにんのあたまのうえに)

吟味してみると、権力とは先刻お話した自分の個性を他人の頭の上に

(むりやりにあっしつけるどうぐなのです。どうぐだとだんぜんいいきってわるけれ)

無理矢理に圧しつける道具なのです。道具だと断然云い切ってわるけれ

(ば、そんなどうぐにつかいえるりきなのです。けんりょくにつぐものはきんりょくです。)

ば、そんな道具に使い得る利器なのです。権力に次ぐものは金力です。

(これもあなたがたはひんみんよりもよけいにしょゆうしておられるにそういない。)

これもあなたがたは貧民よりも余計に所有しておられるに相違ない。

(このきんりょくをおなじくそうしたいみからながめると、これはこせいをかくちょうする)

この金力を同じくそうした意味から眺めると、これは個性を拡張する

(ために、たひとのうえにゆうわくのどうぐとしてしようしえるしごくちょうほうなものになるの)

ために、他人の上に誘惑の道具として使用し得る至極重宝なものになるの

(です。してみるとけんりょくときんりょくとはじぶんのこせいをびんぼうにんよりよけいに、たにんの)

です。してみると権力と金力とは自分の個性を貧乏人より余計に、他人の

(うえにおしかぶせるとか、またはたにんをそのほうめんにおびきよせるとかいうてんに)

上に押し被せるとか、または他人をその方面に誘き寄せるとかいう点に

(おいて、たいへんべんぎなどうぐだといわなければなり)

おいて、大変便宜な道具だと云わなければなり

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