グスコーブドリの伝記1

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問題文
(ぐすこーぶどりは、いーはとーぶのおおきなもりのなかにうまれました。)
グスコーブドリは、イーハトーブの大きな森の中に生れました。
(おとうさんは、ぐすこーなどりというなだかいきこりで、どんなおおきなきでも、)
おとうさんは、グスコーナドリという名高い木こりで、どんな大きな木でも、
(まるであかんぼうをねかしつけるようにわけなくきってしまうひとでした。)
まるで赤ん坊を寝かしつけるようにわけなくきってしまう人でした。
(ぶどりにはねりといういもうとがあって、ふたりはまいにちもりであそびました。)
ブドリにはネリという妹があって、二人はまいにち森で遊びました。
(ごしっごしっとおとうさんのきをひくおとがやっときこえるくらいな)
ごしっごしっとおとうさんの木をひく音がやっときこえるくらいな
(とおくへもいきました。ふたりはそこできいちごのみをとってわきみずにつけたり、)
遠くへも行きました。二人はそこで木いちごの実をとってわき水につけたり、
(そらをむいてかわるがわるやまばとのなくまねをしたりしました。)
空を向いてかわるがわる山鳩のなくまねをしたりしました。
(するとあちらでもこちらでも、ぽう、ぽう、ととりがねむそうになきだすのでした)
するとあちらでもこちらでも、ぽう、ぽう、と鳥がねむそうに鳴きだすのでした
(おかあさんが、いえのまえのちいさなはたにむぎをまいているときは、ふたりはみちにむしろを)
おかあさんが、家の前の小さな畑に麦をまいているときは、二人は道にむしろを
(しいてすわって、ぶりきかんでらんのはなをにたりしました。)
しいてすわって、ブリキかんで蘭の花を煮たりしました。
(するとこんどは、もういろいろのとりが、ふたりのぱさぱさしたあたまのうえを、)
するとこんどは、もういろいろの鳥が、二人のぱさぱさした頭の上を、
(まるであいさつするようになきながらざあざあざあざあとおりすぎるのでした。)
まるであいさつするようになきながらざあざあざあざあ通りすぎるのでした。
(ぶどりががっこうへいくようになりますと、もりはひるのあいだたいへんさびしく)
ブドリが学校へ行くようになりますと、森はひるの間たいへんさびしく
(なりました。そのかわりひるすぎには、ぶどりはねりといっしょに、もりじゅうの)
なりました。そのかわりひるすぎには、ブドリはネリといっしょに、森じゅうの
(きのみきに、あかいねんどやけしずみで、きのなをかいて、あるいたり、たかく)
木の幹に、赤いねんどや消し炭で、木の名を書いて、あるいたり、高く
(うたったりしました。ほっぷのつるが、りょうほうからのびて、もんのようになっている)
うたったりしました。ホップのつるが、両方からのびて、門のようになっている
(しらかばのきには、「かっこうどり、とおるべからず」とかいたりもしました。)
白樺の木には、「カッコウドリ、トオルベカラズ」と書いたりもしました。
(そして、ぶどりはとおになり、ねりはななつになりました。)
そして、ブドリは十になり、ネリは七つになりました。
(ところがどういうわけですか、そのとしは、おひさまがはるからへんにしろくて、)
ところがどういうわけですか、その年は、お日さまが春からへんに白くて、
(いつもならゆきがとけるとまもなく、まっしろなはなをつけるこぶしのきも)
いつもなら雪がとけるとまもなく、まっしろな花をつけるこぶしの木も
(まるでさかず、ごがつになってもたびたびみぞれがぐしゃぐしゃふり、)
まるで咲かず、五月になってもたびたびみぞれがぐしゃぐしゃ降り、
(しちがつのすえになってもいっこうにあつさがこないために、きょねんまいたむぎもつぶの)
七月の末になってもいっこうに暑さがこないために、去年まいた麦も粒の
(はいらないしろいほしかできず、たいていのくだものも、はながさいただけで)
はいらない白い穂しかできず、たいていの果物も、花が咲いただけで
(おちてしまったのでした。)
落ちてしまったのでした。