グスコーブドリの伝記11

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(そして、いろいろなほんをひとやまぶどりにわたしました。ぶどりはしごとのひまに)

そして、いろいろな本をひと山ブドリに渡しました。ブドリは仕事のひまに

(かたっぱしからそれをよみました。ことにそのなかの、くーぼーというひとの)

かたっぱしからそれを読みました。ことにその中の、クーボーという人の

(もののかんがえかたをおしえたほんはおもしろかったのでなんべんもよみました。)

物の考えかたを教えた本はおもしろかったのでなんべんも読みました。

(またそのひとが、いーはとーぶのしでいっかげつのがっこうをやっているのをしって、)

またその人が、イーハトーブの市で一か月の学校をやっているのを知って、

(たいへんいってならいたいとおもったりしました。)

たいへん行って習いたいと思ったりしました。

(そしてはやくもそのなつ、ぶどりはおおきなてがらをたてました。それはきょねんとおなじころ)

そして早くもその夏、ブドリは大きな手柄をたてました。それは去年と同じころ

(またおりざにびょうきができかかったのをぶどりがきのはいとしおをつかって)

またオリザに病気ができかかったのをブドリが木の灰と塩を使って

(くいとめたのでした。そしてはちがつのなかばになると、おりざのかぶはみんな)

食いとめたのでした。そして八月のなかばになると、オリザの株はみんな

(そろってほをだし、そのほのひとえだごとにちいさなしろいはながさき、はなはだんだん)

そろって穂をだし、その穂のひと枝ごとに小さな白い花が咲き、花はだんだん

(みずいろのもみにかわって、かぜにゆらゆらなみをたてるようになりました。)

水いろのもみにかわって、風にゆらゆら波をたてるようになりました。

(しゅじんはもうとくいのぜっちょうでした。くるひとごとに、 「なんのおれも、)

主人はもう得意の絶頂でした。くる人ごとに、 「なんのおれも、

(おりざのやましでよねんしくじったけれども、ことしはいちどによねんまえとれる。)

オリザの山師で四年しくじったけれども、ことしはいちどに四年前とれる。

(これもまたなかなかいいもんだ。」などといってじまんするのでした。)

これもまたなかなかいいもんだ。」などと言って自慢するのでした。

(ところがそのつぎのとしはそうはいきませんでした。うえつけのころから)

ところがそのつぎの年はそうはいきませんでした。植えつけのころから

(さっぱりあめがふらなかったために、すいろはかわいてしまい、ぬまにはひびがはいって)

さっぱり雨がふらなかったために、水路は乾いてしまい、沼にはひびがはいって

(あきのとりいれはやっとふゆじゅうたべるくらいでした。らいねんこそと)

秋のとりいれはやっと冬じゅう食べるくらいでした。来年こそと

(おもっていましたが、つぎのとしもまたおなじようなひでりでした。 )

思っていましたが、つぎの年もまた同じようなひでりでした。

(それからもらいねんこそらいねんこそとおもいながら、ぶどりのしゅじんは、だんだん)

それからも来年こそ来年こそと思いながら、ブドリの主人は、だんだん

(こやしをいれることができなくなり、うまもうり、ぬまばたけもだんだん)

こやしを入れることができなくなり、馬も売り、沼ばたけもだんだん

(うってしまったのでした。 あるあきのひ、しゅじんはぶどりにつらそうにいいました)

売ってしまったのでした。 ある秋の日、主人はブドリにつらそうに言いました

など

(「ぶどり、おれももとはいーはとーぶのおおびゃくしょうだったし、ずいぶん)

「ブドリ、おれももとはイーハトーブの大百姓だったし、ずいぶん

(かせいでもきたのだが、たびたびのさむさとかんばつのために、いまではぬまばたけも)

かせいでもきたのだが、たびたびの寒さと旱魃のために、いまでは沼ばたけも

(むかしのさんぶんのいちになってしまったし、らいねんは、もういれるこやしもないのだ。)

むかしの三分の一になってしまったし、来年は、もう入れるこやしもないのだ。

(おれだけでない。らいねんこやしをかっていれれるひとったらもういーはとーぶにも)

おれだけでない。来年こやしを買って入れれる人ったらもうイーハトーブにも

(なんにんもないだろう。こういうあんばいでは、いつになっておまえにはたらいて)

何人もないだろう。こういうあんばいでは、いつになっておまえにはたらいて

(もらったれいをするというあてもない。おまえもわかいはたらきざかりを、)

もらった礼をするというあてもない。おまえも若いはたらきざかりを、

(おれのとこでくらしてしまってはあんまりきのどくだから、すまないがどうか)

おれのとこで暮らしてしまってはあんまりきのどくだから、すまないがどうか

(これをもって、どこへでもいって、いいうんをみつけてくれ。」そしてしゅじんは)

これを持って、どこへでも行って、いい運を見つけてくれ。」そして主人は

(ひとふくろのおかねとあたらしいこんでそめたあさのふくとあかがわのくつとをぶどりにくれました。)

ひと袋のお金と新しい紺で染めた麻の服と赤革のくつとをブドリにくれました。

(ぶどりはいままでのしごとのひどかったこともわすれてしまって、)

ブドリはいままでの仕事のひどかったことも忘れてしまって、

(もうなにもいらないから、ここではたらいていたいともおもいましたが、かんがえてみると)

もうなにもいらないから、ここで働いていたいとも思いましたが、考えてみると

(いてもやっぱりしごともそんなにないので、しゅじんになんべんもなんべんも)

いてもやっぱり仕事もそんなにないので、主人になんべんもなんべんも

(れいをいって、ろくねんのあいだはたらいたぬまばたけとしゅじんにわかれて、ていしゃじょうをさして)

礼をいって、六年の間はたらいた沼ばたけと主人にわかれて、停車場をさして

(あるきだしました。ぶどりはにじかんばかりあるいて、ていしゃじょうへきました。)

歩きだしました。ブドリは二時間ばかり歩いて、停車場へきました。

(それからきっぷをかって、いーはとーぶゆきのきしゃにのりました。)

それからきっぷを買って、イーハトーブ行きの汽車に乗りました。

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