ばくてりやの世界(旧仮名)萩原朔太郎
「やうに」「ひろがつてゐる」「たへがたく」など、ところどころ旧仮名遣いなのでご注意ください。
関連タイピング
-
プレイ回数28長文3856打
-
プレイ回数23長文かな1546打
-
プレイ回数36長文2816打
-
プレイ回数10長文2754打
-
プレイ回数64長文60秒
-
プレイ回数7長文3651打
-
プレイ回数7長文3245打
-
プレイ回数107長文3224打
問題文
ふりがな非表示
ふりがな表示
(ばくてりやのあし、)
ばくてりやの足、
(ばくてりやのくち、)
ばくてりやの口、
(ばくてりやのみみ、)
ばくてりやの耳、
(ばくてりやのはな、)
ばくてりやの鼻、
(ばくてりやがおよいでいる。)
ばくてりやがおよいでゐる。
(あるものはじんぶつのたいないに、)
あるものは人物の胎内に、
(あるものはかいるいのないぞうに、)
あるものは貝るゐの内臓に、
(あるものはたまねぎのきゅうしんに、)
あるものは玉葱の球心に、
(あるものはふうけいのちゅうしんに。)
あるものは風景の中心に。
(ばくてりやがおよいでいる。)
ばくてりやがおよいでゐる。
(ばくてりやのてはさゆうじゅうもんじにはえ、)
ばくてりやの手は左右十文字に生え、
(てのつまさきがねのやうにわかれ、)
手のつまさきが根のやうにわかれ、
(そこからするどいつめがはえ、)
そこからするどい爪が生え、
(もうさいけっかんのたぐいはべたいちめんにひろがつている。)
毛細血管の類はべたいちめんにひろがつてゐる。
(ばくてりやがおよいでいる。)
ばくてりやがおよいでゐる。
(ばくてりやがせいかつするところには、)
ばくてりやが生活するところには、
(びょうにんのひふをすかすやうに、)
病人の皮膚をすかすやうに、
(べにいろのこうせんがうすくさしこんで、)
べにいろの光線がうすくさしこんで、
(そのぶぶんだけほんのりとしてみえ、)
その部分だけほんのりとしてみえ、
(じつに、じつに、かなしみたへがたくみえる。)
じつに、じつに、かなしみたへがたく見える。
など
(ばくてりやがおよいでいる。)
ばくてりやがおよいでゐる。