星の王子さま 2 (3/32)

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プレイ回数2537難易度(4.5) 3984打 長文
ヒツジの絵
サン=テグジュペリ作 内藤濯訳 
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 すもさん 5541 A 5.8 95.4% 704.7 4099 194 77 2024/11/18
2 mame 4496 C+ 4.8 93.7% 823.8 3970 266 77 2024/10/26

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問題文

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(ぼくは、そんなわけで、ろくねんまえ、ひこうきがさはらさばくでぱんくするまで、)

ぼくは、そんなわけで、六年前、飛行機がサハラ砂漠でパンクするまで、

(しんみになってはなしをするあいてが、まるきりみつからずに、)

親身になって話をするあいてが、まるきり見つからずに、

(ひとりきりでくらしてきました。 ぱんくというのは、ひこうきのもーたーが、)

ひとりきりで暮らしてきました。 パンクというのは、飛行機のモーターが、

(どこかこしょうをおこしたのです。 きかんしも、じょうきゃくも、そばにいないので、)

どこか故障をおこしたのです。 機関士も、乗客も、そばにいないので、

(ぼくは、むずかしいしゅうりをひとりでやってのけようとしました。)

ぼくは、むずかしい修理をひとりでやってのけようとしました。

(ぼくにとっては、いきるかしぬかのもんだいでした。)

ぼくにとっては、生きるか死ぬかの問題でした。

(いっしゅうかんののみみずが、あるかないくらいでした。)

一週間の飲み水が、あるかないくらいでした。

(そこで、はじめのひのばん、ぼくは、およそひとのすんでいるところから、)

そこで、はじめの日の晩、ぼくは、およそ人の住んでいるところから、

(せんまいるもはなれたすなじでねむりました。 なんせんしたあげく、いかだにのって、)

千マイルもはなれた砂地で眠りました。 難船したあげく、いかだに乗って、

(たいようのまんなかをただよっているひとより、もっともっとひとりぼっちでした。)

大洋のまん中をただよっている人より、もっともっとひとりぼっちでした。

(すると、どうでしょう、おどろいたことに、よるがあけると、)

すると、どうでしょう、おどろいたことに、夜が明けると、

(へんな、ちいさなこえがするので、ぼくはめをさましました。)

へんな、小さな声がするので、ぼくは目をさましました。

(こえは、こういっていました。「ね・・・ひつじのえをかいて!」)

声は、こういっていました。「ね・・・ヒツジの絵をかいて!」

(「え?」 「ひつじのえをかいて・・・」)

「え?」 「ヒツジの絵をかいて・・・」

(ぼくは、びっくりぎょうてんして、とびあがりました。)

ぼくは、びっくりぎょうてんして、とびあがりました。

(なんどもめをこすりました。あたりをみまわしました。 すると、)

何度も目をこすりました。あたりを見回しました。 すると、

(ようすのかわったぼっちゃんが、まじめくさって、ぼくをじろじろ)

ようすのかわったぼっちゃんが、まじめくさって、ぼくをじろじろ

(みているのです。 このほんのはじめのえをごらんなさい。これが、ぼくが、)

見ているのです。 この本のはじめの絵をごらんなさい。これが、ぼくが、

(あとになってかきあげた、いちばんじょうできの、そのぼっちゃんのしょうぞうです。)

後になってかきあげた、一番上出来の、そのぼっちゃんの肖像です。

(ぼくのえは、もちろん、じつぶつとくらべれば、つきとすっぽんです。)

ぼくの絵は、もちろん、実物とくらべれば、月とスッポンです。

など

(でも、それは、ぼくのせいじゃありません。むっつのとき、おとなのひとたちに、)

でも、それは、ぼくのせいじゃありません。六つのとき、おとなの人たちに、

(えかきでみをたてることをおもいきらされたおかげで、うわばみのうちがわと)

絵かきで身を立てることを思い切らされたおかげで、ウワバミの内側と

(そとがわのえをかくよりほかは、なんにもえをかくけいこをしなかった)

外側の絵をかくよりほかは、なんにも絵をかくけいこをしなかった

(ぼくなんですから。)

ぼくなんですから。

(そこで、ぼくは、おどろいたあまり、めをまんまるくして、ぼくのまえに)

そこで、ぼくは、おどろいたあまり、目をまんまるくして、ぼくの前に

(あらわれたぼっちゃんをながめました。 くどいようですが、ぼくは、およそ)

あらわれたぼっちゃんをながめました。 くどいようですが、ぼくは、およそ

(ひとのすんでいるところから、せんまいるもはなれているところにいたのです。)

人の住んでいるところから、千マイルも離れているところにいたのです。

(だのに、ぼくのぼっちゃんは、みちにまよっているようすもないし、)

だのに、ぼくのぼっちゃんは、道に迷っているようすもないし、

(つかれきっているようすもないし、おなかがへってたまらないようすもないし、)

疲れ切っているようすもないし、お腹がへってたまらないようすもないし、

(のどがからからになっているようすもないし、 こわくてたまらないようすも)

のどがカラカラになっているようすもないし、 こわくてたまらないようすも

(ありません。 どこからどうみても、およそひとのすんでいるところから)

ありません。 どこからどう見ても、およそ人の住んでいるところから

(せんまいるもはなれているさばくのまんなかで、とほうにくれているこどもとは、)

千マイルも離れている砂漠のまん中で、途方に暮れている子どもとは、

(とてもみえないのです。ぼくは、やっとくちがきけるようになると、いいました。)

とても見えないのです。ぼくは、やっと口がきけるようになると、いいました。

(「だけど・・・あんた、そこで、なにしてるの?」)

「だけど・・・あんた、そこで、なにしてるの?」

(すると、ぼっちゃんは、とてもだいじなことのように、たいそうゆっくり、)

すると、ぼっちゃんは、とてもだいじなことのように、たいそうゆっくり、

(くりかえしました。「ね・・・ひつじのえをかいて・・・」)

くりかえしました。「ね・・・ヒツジの絵をかいて・・・」

(ふしぎなことも、あんまりふしぎすぎると、とてもいやとはいえないものです。)

ふしぎなことも、あんまりふしぎすぎると、とても嫌とはいえないものです。

(ひとがすんでいる、どんなところからも、せんまいるもはなれていて、それに、)

人が住んでいる、どんなところからも、千マイルも離れていて、それに、

(いつしぬかもしれないところで、ひつじのえをかくなんて、)

いつ死ぬかもしれないところで、ヒツジの絵をかくなんて、

(とてもばかばかしいきもしましたが、ぼくは、ぽけっとから、いちまいのかみと、)

とてもバカバカしい気もしましたが、ぼくは、ポケットから、1枚の紙と、

(まんねんひつをとりだしました。 が、そのときぼくは、ちりとれきしとさんすうと)

万年筆をとりだしました。 が、そのときぼくは、地理と歴史と算数と

(ぶんぽうだけしかべんきょうしなかったことをおもいだしたのです。 そこで、)

文法だけしか勉強しなかったことを思い出したのです。 そこで、

(そのぼっちゃんに(すこし、むっとしながら)えはかけない、といいました。)

そのぼっちゃんに(少し、むっとしながら)絵はかけない、といいました。

(すると、ぼっちゃんは、こうこたえました。)

すると、ぼっちゃんは、こう答えました。

(「そんなこと、かまやしないよ。ひつじのえをかいて」)

「そんなこと、かまやしないよ。ヒツジの絵をかいて」

(ぼくは、ひつじのえなんか、てんでかいたことがないので、 ぼくにかける、)

ぼくは、ヒツジの絵なんか、てんでかいたことがないので、 ぼくにかける、

(れいのふたつのえのかたほうをかいてみました。 うわばみのそとがわです。すると、)

例の二つの絵の片方をかいてみました。 ウワバミの外側です。すると、

(ぼっちゃんが、こういうので、ぼくは、あっけにとられてしまいました。)

ぼっちゃんが、こういうので、ぼくは、あっけにとられてしまいました。

(「ちがう、ちがう!ぼく、うわばみにのまれるぞうなんか、いやだよ。)

「ちがう、ちがう! ぼく、ウワバミにのまれるゾウなんか、いやだよ。

(うわばみって、とてもけんのんだろう、それに、ぞうなんて、ばしょふさぎで、)

ウワバミって、とてもけんのんだろう、それに、ゾウなんて、場所ふさぎで、

(しょうがないじゃないか。ぼくんとこ、ちっぽけだから、)

しょうがないじゃないか。ぼくんとこ、ちっぽけだから、

(ひつじがほしいんだよ。ね、ひつじのえをかいて」)

ヒツジがほしいんだよ。ね、ヒツジの絵をかいて」

(そこで、ぼくは、ひつじのえをかきました。)

そこで、ぼくは、ヒツジの絵をかきました。

(ぼっちゃんは、それをじっとみていましたが、やがて、こういいました。)

ぼっちゃんは、それをじっと見ていましたが、やがて、こういいました。

(「だめ!このひつじったら、びょうきで、いまにもしにそうじゃないか。)

「だめ! このヒツジったら、病気で、今にも死にそうじゃないか。

(かきなおしておくれよ」)

かきなおしておくれよ」

(ぼくは、かきなおしました。)

ぼくは、かきなおしました。

(ぼっちゃんは、さもおおめにみてくれるようにやさしく、にっこりしました。)

ぼっちゃんは、さも大目に見てくれるようにやさしく、にっこりしました。

(「そうだな・・・これ、あたりまえのひつじじゃなくって、つのがはえてるもの)

「そうだな・・・これ、あたりまえのヒツジじゃなくって、ツノが生えてるもの

(・・・」そこで、ぼくは、またかきなおしました。 でも、それは、)

・・・」 そこで、ぼくは、またかきなおしました。 でも、それは、

(まえのとおなじように、やっぱり、ぼっちゃんのきにいりません。)

まえのとおなじように、やっぱり、ぼっちゃんの気に入りません。

(「これ、よぼよぼじゃないか。ぼく、ながいきするひつじがほしいんだよ」)

「これ、ヨボヨボじゃないか。ぼく、長生きするヒツジがほしいんだよ」

(ぼくは、もうがまんしきれなくなってきました。 それに、もーたーのとりはずしを)

ぼくは、もう我慢しきれなくなってきました。 それに、モーターの取り外しを

(いそいでいたので、おおざっぱにこんなえをかきました。)

急いでいたので、おおざっぱにこんな絵をかきました。

(そして、それをなげだすように、ぼっちゃんにみせました。)

そして、それをなげだすように、坊っちゃんに見せました。

(「こいつはぁはこだよ。あんたのほしいひつじ、そのなかにいるよ」)

「こいつはぁ箱だよ。あんたのほしいヒツジ、その中にいるよ」

(ぶっきらぼうにそういいましたが、みると、ぼっちゃんのかおが、)

ぶっきらぼうにそういいましたが、見ると、ぼっちゃんの顔が、

(ぱっとあかるくなったので、ぼくは、ひどくめんくらいました。)

ぱっと明るくなったので、ぼくは、ひどくめんくらいました。

(「うん、こんなのが、ぼく、ほしくてたまらなかったんだ。)

「うん、こんなのが、ぼく、ほしくてたまらなかったんだ。

(このひつじ、たくさんくさをたべる?」)

このヒツジ、たくさん草を食べる?」

(「どうして?」)

「どうして?」

(「だって、ぼくんとこ、ほんとにちっぽけなんだもの・・・」)

「だって、ぼくんとこ、ほんとにちっぽけなんだもの・・・」

(「そんなしんぱい、いらないよ。だから、ぼく、ほんのちっぽけなひつじ、)

「そんな心配、いらないよ。だから、ぼく、ほんのちっぽけなヒツジ、

(かいたんだ」 ぼっちゃんは、えをのぞいてみながらいいました。)

かいたんだ」  ぼっちゃんは、絵をのぞいて見ながらいいました。

(「そんなにちっぽけじゃないな・・・おや!)

「そんなにちっぽけじゃないな・・・おや!

(ねちゃったよ、このひつじ・・・」)

ねちゃったよ、このヒツジ・・・」

(こうして、ぼくは、おうじさまとしりあいになりました。)

こうして、ぼくは、王子さまと知り合いになりました。

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