星の王子さま 22 (25/32)
転轍手(スイッチ・マン)
サン=テグジュペリ作 内藤濯訳
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問題文
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(「こんにちは」
と、おうじさまがいいました。)
「こんにちは」
と、王子さまがいいました。
(「こんにちは」
と、すいっち・まんがいいました。)
「こんにちは」
と、転轍手(スイッチ・マン)がいいました。
(「なにしてるの、ここで?」
と、おうじさまがいいました。)
「なにしてるの、ここで?」
と、王子さまがいいました。
(「りょかくを、せんにんずつにもつにして、とりわけてるんだよ。)
「旅客を、千人ずつ荷物にして、とりわけてるんだよ。
(おれのおくりだすきしゃが、りょかくをみぎにはこんでいったり、)
おれの送り出す汽車が、旅客を右に運んでいったり、
(ひだりにはこんでいったりするんだ」
と、すいっち・まんがいいました。)
左に運んでいったりするんだ」
と、スイッチ・マンがいいました。
(そこへ、きらきらとあかりのついたとっきゅうが、かみなりのようにごうごうと、)
そこへ、キラキラとあかりのついた特急が、雷のようにごうごうと、
(てんてつごやをふるわせてゆきました。)
転轍小屋をふるわせてゆきました。
(「みんな、たいへんいそいでるね。
なにさがしてるの、あのひとたち?」)
「みんな、たいへんいそいでるね。
なに探してるの、あの人たち?」
(「それ、きかんしゃにのってるおとこがしらないんだよ」)
「それ、機関車に乗ってる男が知らないんだよ」
(すると、また、もうひとつのきらきらとあかりのついたとっきゅうが、)
すると、また、もう一つのキラキラとあかりのついた特急が、
(こんどは、はんたいのほうこうへごうごうとはしってゆきました。)
こんどは、反対の方向へごうごうと走ってゆきました。
(「みんな、もう、もどってきたんだね」
と、おうじさまがききました。)
「みんな、もう、もどってきたんだね」
と、王子さまがききました。
(「あれ、おんなじきゃくじゃないんだ。
すれちがったんだよ」)
「あれ、おんなじ客じゃないんだ。
すれちがったんだよ」
(と、すいっち・まんがいいました。)
と、スイッチ・マンがいいました。
(「じぶんたちのいるところが、きにいらなかったってわけかい?」)
「じぶんたちのいるところが、気に入らなかったってわけかい?」
(「にんげんってやつぁ、いるところがきにいることなんて、ありゃしないよ」)
「人間ってやつぁ、いるところが気に入ることなんて、ありゃしないよ」
(と、すいっち・まんがいいました。)
と、スイッチ・マンがいいました。
(すると、きらきらとあかりのついたさんばんめのとっきゅうが、)
すると、キラキラとあかりのついた三ばん目の特急が、
(ごうごうとおとをたててとおりました。)
ごうごうと音をたてて通りました。
など
(「はじめのおきゃくを、おっかけてるんだね?」
と、おうじさまがききました。)
「はじめのお客を、おっかけてるんだね?」
と、王子さまがききました。
(「なんにもおっかけてやしないよ。)
「なんにも追っかけてやしないよ。
(あのなかでねむってるんでなけりゃ、あくびしてるんだ。)
あの中で眠ってるんでなけりゃ、あくびしてるんだ。
(こどもたちだけが、まどがらすにはなをぴしゃんこにおしつけてるんだよ」)
子どもたちだけが、窓ガラスに鼻をぴしゃんこに押しつけてるんだよ」
(「こどもたちだけが、なにがほしいか、わかってるんだね。)
「子どもたちだけが、なにがほしいか、わかってるんだね。
(きれでできたにんぎょうなんかで、ひまつぶしして、そのにんぎょうを、)
きれでできた人形なんかで、ひまつぶしして、その人形を、
(とてもたいせつにしているんだ。)
とてもたいせつにしているんだ。
(もし、そのにんぎょうをとりあげられたら、こどもたちは、なくんだ・・・」)
もし、その人形をとりあげられたら、子どもたちは、泣くんだ・・・」
(と、おうじさまがいいました。)
と、王子さまがいいました。
(「こどもたちはこうふくだな」
と、すいっち・まんがいいました。)
「子どもたちは幸福だな」
と、スイッチ・マンがいいました。