星の王子さま 22 (25/32)

関連タイピング
-
岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ
プレイ回数621長文2630打 -
岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ
プレイ回数593長文1908打 -
岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ
プレイ回数625長文2413打 -
岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ
プレイ回数743長文2164打 -
泉鏡花の中編小説です
プレイ回数104長文1562打 -
自作小説
プレイ回数43長文2946打 -
大正五年三月
プレイ回数97長文877打 -
夏目漱石「こころ」2-13
プレイ回数925長文2207打
問題文
(「こんにちは」 と、おうじさまがいいました。)
「こんにちは」 と、王子さまがいいました。
(「こんにちは」 と、すいっち・まんがいいました。)
「こんにちは」 と、転轍手(スイッチ・マン)がいいました。
(「なにしてるの、ここで?」 と、おうじさまがいいました。)
「なにしてるの、ここで?」 と、王子さまがいいました。
(「りょかくを、せんにんずつにもつにして、とりわけてるんだよ。)
「旅客を、千人ずつ荷物にして、とりわけてるんだよ。
(おれのおくりだすきしゃが、りょかくをみぎにはこんでいったり、)
おれの送り出す汽車が、旅客を右に運んでいったり、
(ひだりにはこんでいったりするんだ」 と、すいっち・まんがいいました。)
左に運んでいったりするんだ」 と、スイッチ・マンがいいました。
(そこへ、きらきらとあかりのついたとっきゅうが、かみなりのようにごうごうと、)
そこへ、キラキラとあかりのついた特急が、雷のようにごうごうと、
(てんてつごやをふるわせてゆきました。)
転轍小屋をふるわせてゆきました。
(「みんな、たいへんいそいでるね。 なにさがしてるの、あのひとたち?」)
「みんな、たいへんいそいでるね。 なに探してるの、あの人たち?」
(「それ、きかんしゃにのってるおとこがしらないんだよ」)
「それ、機関車に乗ってる男が知らないんだよ」
(すると、また、もうひとつのきらきらとあかりのついたとっきゅうが、)
すると、また、もう一つのキラキラとあかりのついた特急が、
(こんどは、はんたいのほうこうへごうごうとはしってゆきました。)
こんどは、反対の方向へごうごうと走ってゆきました。
(「みんな、もう、もどってきたんだね」 と、おうじさまがききました。)
「みんな、もう、もどってきたんだね」 と、王子さまがききました。
(「あれ、おんなじきゃくじゃないんだ。 すれちがったんだよ」)
「あれ、おんなじ客じゃないんだ。 すれちがったんだよ」
(と、すいっち・まんがいいました。)
と、スイッチ・マンがいいました。
(「じぶんたちのいるところが、きにいらなかったってわけかい?」)
「じぶんたちのいるところが、気に入らなかったってわけかい?」
(「にんげんってやつぁ、いるところがきにいることなんて、ありゃしないよ」)
「人間ってやつぁ、いるところが気に入ることなんて、ありゃしないよ」
(と、すいっち・まんがいいました。)
と、スイッチ・マンがいいました。
(すると、きらきらとあかりのついたさんばんめのとっきゅうが、)
すると、キラキラとあかりのついた三ばん目の特急が、
(ごうごうとおとをたててとおりました。)
ごうごうと音をたてて通りました。
(「はじめのおきゃくを、おっかけてるんだね?」 と、おうじさまがききました。)
「はじめのお客を、おっかけてるんだね?」 と、王子さまがききました。
(「なんにもおっかけてやしないよ。)
「なんにも追っかけてやしないよ。
(あのなかでねむってるんでなけりゃ、あくびしてるんだ。)
あの中で眠ってるんでなけりゃ、あくびしてるんだ。
(こどもたちだけが、まどがらすにはなをぴしゃんこにおしつけてるんだよ」)
子どもたちだけが、窓ガラスに鼻をぴしゃんこに押しつけてるんだよ」
(「こどもたちだけが、なにがほしいか、わかってるんだね。)
「子どもたちだけが、なにがほしいか、わかってるんだね。
(きれでできたにんぎょうなんかで、ひまつぶしして、そのにんぎょうを、)
きれでできた人形なんかで、ひまつぶしして、その人形を、
(とてもたいせつにしているんだ。)
とてもたいせつにしているんだ。
(もし、そのにんぎょうをとりあげられたら、こどもたちは、なくんだ・・・」)
もし、その人形をとりあげられたら、子どもたちは、泣くんだ・・・」
(と、おうじさまがいいました。)
と、王子さまがいいました。
(「こどもたちはこうふくだな」 と、すいっち・まんがいいました。)
「子どもたちは幸福だな」 と、スイッチ・マンがいいました。