紫式部 源氏物語 榊 1 與謝野晶子訳
順位 | 名前 | スコア | 称号 | 打鍵/秒 | 正誤率 | 時間(秒) | 打鍵数 | ミス | 問題 | 日付 |
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1 | HAKU | 7860 | 神 | 8.1 | 96.3% | 254.7 | 2081 | 79 | 31 | 2024/12/06 |
2 | subaru | 7801 | 神 | 8.1 | 95.9% | 253.8 | 2067 | 87 | 31 | 2024/12/03 |
3 | おもち | 7496 | 光 | 7.7 | 96.2% | 266.0 | 2074 | 80 | 31 | 2024/12/03 |
4 | kkk | 6678 | S+ | 6.9 | 95.9% | 298.7 | 2083 | 88 | 31 | 2024/12/20 |
5 | だだんどん | 6485 | S | 7.0 | 92.2% | 290.8 | 2058 | 172 | 31 | 2024/12/08 |
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問題文
(いすずがわかみのさかいへのがれきぬおも いあがりしひとのみのはて (あきこ))
五十鈴川神のさかひへのがれきぬおも ひあがりしひとの身のはて (晶子)
(さいぐうのいせへげこうされるひがちかづけばちかづくほどみやすどころは)
斎宮の伊勢へ下向される日が近づけば近づくほど御息所は
(こころぼそくなるのであった。さだいじんけのげんじのふじんがなくなったあとでは、)
心細くなるのであった。左大臣家の源氏の夫人がなくなったあとでは、
(せけんもこんどはげんじとみやすどころがこうぜんとめおとになるものとうわさしていたことであるし、)
世間も今度は源氏と御息所が公然と夫婦になるものと噂していたことであるし、
(ろくじょうのやしきのひとびともそうしたよろこびをよきしてこうふんしていたものであるが、)
六条の邸の人々もそうした喜びを予期して昂奮していたものであるが、
(あらわれてきたことはぜんぜんはんたいで、いぜんにまさってげんじはれいたんなたいどを)
現われてきたことは全然反対で、以前にまさって源氏は冷淡な態度を
(とりだしたのである。これだけのはんかんをげんじにもたれるようなことが)
取り出したのである。これだけの反感を源氏に持たれるようなことが
(ふじんのびょうちゅうにあったことも、もはやうたがうよちもないことであると)
夫人の病中にあったことも、もはや疑う余地もないことであると
(みやすどころのこころのうちではおもっていた。くつうをしのんでみやすどころはいせゆきを)
御息所の心のうちでは思っていた。苦痛を忍んで御息所は伊勢行きを
(だんこうすることにした。さいぐうにははぎみがついていくようなれいは)
断行することにした。斎宮に母君がついて行くような例は
(あまりないことでもあったが、ねんしょうでおありになるということにたくして、)
あまりないことでもあったが、年少でおありになるということに託して、
(みやすどころはきれいにこいからはなれてしまおうとしているのであるが、げんじはさすがに)
御息所はきれいに恋から離れてしまおうとしているのであるが、源氏はさすがに
(れいせいではいられなかった。いよいよみやすどころにいってしまわれることはざんねんで、)
冷静ではいられなかった。いよいよ御息所に行ってしまわれることは残念で、
(てがみだけはあいをこめてたびたびおくっていた。じょうじんとしてあうようなことは)
手紙だけは愛をこめてたびたび送っていた。情人として逢うようなことは
(おもいもよらないようにもういまのみやすどころはおもっていた。じぶんにあっても)
思いもよらないようにもう今の御息所は思っていた。自分に逢っても
(うらめしくおもったきおくのまだきえないげんじはれいせいにもわかれうるであろうが、)
恨めしく思った記憶のまだ消えない源氏は冷静にも別れうるであろうが、
(そのひとをよりおおくあいしているよわみのあるじぶんはこころをみださないでは)
その人をより多く愛している弱味のある自分は心を乱さないでは
(いられないであろう、あうことはこのうえにいっそうくつうをくわえるだけであると)
いられないであろう、逢うことはこの上にいっそう苦痛を加えるだけであると
(おもって、みやすどころはしいてひややかになっているのである。ののみやからろくじょうのやしきへ)
思って、御息所はしいて冷ややかになっているのである。野の宮から六条の邸へ
(そっとかえっていっていることもあるのであるが、げんじはそれをしらなかった。)
そっと帰って行っていることもあるのであるが、源氏はそれを知らなかった。
(ののみやといえばじょうじんとしておとこのかよってよいばしょでもないから、ふたりのためには)
野の宮といえば情人として男の通ってよい場所でもないから、二人のためには
(あいみるときのないつきひがたった。いんがごたいびょうというのでなしに、ときどきほっさてきに)
相見る時のない月日がたった。院が御大病というのでなしに、時々発作的に
(わるくおなりになるようなことがあったりして、げんじはいよいよ)
悪くおなりになるようなことがあったりして、源氏はいよいよ
(こころのよゆうのないみになっていたが、うらんでいるままにおわることは)
心の余裕のない身になっていたが、恨んでいるままに終わることは
(おんなのためにかわいそうであったし、ひとがきいてこうていしないことでもあろうからと)
女のためにかわいそうであったし、人が聞いて肯定しないことでもあろうからと
(おもって、げんじはみやすどころをののみやへほうもんすることにした。)
思って、源氏は御息所を野の宮へ訪問することにした。
(くがつなのかであったから、もうさいぐうのしゅっぱつのひはせまっているのである。おんなのほうも)
九月七日であったから、もう斎宮の出発の日は迫っているのである。女のほうも
(いまはあわただしくてそうしていられないといってきていたが、)
今はあわただしくてそうしていられないと言って来ていたが、
(たびたびてがみがいくので、さいごのかいけんをすることなどはどうだろうと)
たびたび手紙が行くので、最後の会見をすることなどはどうだろうと
(ちゅうちょしながらも、ものごしであうだけにとめておけばいいであろうときめて、)
躊躇しながらも、物越しで逢うだけにとめておけばいいであろうと決めて、
(こころのうちではむかしのこいびとのらいほうをまっていた。)
心のうちでは昔の恋人の来訪を待っていた。