「やまなし」宮沢賢治(3/5頁)

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問題文
(おとうさんのかにがでてきました。)
お父さんの蟹が出て来ました。
(どうしたい。ぶるぶるふるえているじゃないか。)
『どうしたい。ぶるぶるふるえているじゃないか。』
(おとうさん、いまおかしなものがきたよ。)
『お父さん、いまおかしなものが来たよ。』
(どんなもんだ。)
『どんなもんだ。』
(あおくてね、ひかるんだよ。)
『青くてね、光るんだよ。
(はじがこんなにくろくとがってるの。)
はじがこんなに黒く尖ってるの。
(それがきたらおさかながうえへのぼっていったよ。)
それが来たらお魚が上へのぼって行ったよ。』
(そいつのめがあかかったかい。)
『そいつの眼が赤かったかい。』
(わからない。)
『わからない。』
(ふうん。しかし、そいつはとりだよ。)
『ふうん。しかし、そいつは鳥だよ。
(かわせみというんだ。)
かわせみと云うんだ。
(だいじょうぶだ、あんしんしろ。)
大丈夫だ、安心しろ。
(おれたちはかまわないんだから。)
おれたちはかまわないんだから。』
(おとうさん、おさかなはどこへいったの。)
『お父さん、お魚はどこへ行ったの。』
(さかなかい。さかなはこわいところへいった。)
『魚かい。魚はこわい所へ行った』
(こわいよ、おとうさん。)
『こわいよ、お父さん。』
(いいいい、だいじょうぶだ。しんぱいするな。)
『いいいい、大丈夫だ。心配するな。
(そら、かばのはながながれてきた。)
そら、樺の花が流れて来た。
(ごらん、きれいだろう。)
ごらん、きれいだろう。』
(あわといっしょに、しろいかばのはなびらが)
泡と一緒に、白い樺の花びらが
(てんじょうをたくさんすべってきました。)
天井をたくさんすべって来ました。
(こわいよ、おとうさん。おとうとのかにもいいました。)
『こわいよ、お父さん。』弟の蟹も云いました。
(ひかりのあみはゆらゆら、のびたりちぢんだり、)
光の網はゆらゆら、のびたりちぢんだり、
(はなびらのかげはしずかにすなをすべりました。)
花びらの影はしずかに砂をすべりました。