銀河鉄道の夜 4

宮沢賢治 作
ある大きな活版所にはいって、
すぐ入口の計算台にいただぶだぶの白いシャツを着た人に
おじぎをしてジョバンニは靴をぬいて上がりますと、
突き当りの大きな扉をあけました。
関連タイピング
-
岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ 第二話
プレイ回数466長文1836打 -
岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ 第二話
プレイ回数447長文3117打 -
岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ 第二話
プレイ回数445長文3257打 -
「思索する少年太郎の内的宇宙」
プレイ回数2626長文2468打 -
「願いの代償」
プレイ回数1678長文1957打 -
シャーロックホームズの空き家の冒険です
プレイ回数724長文3887打 -
少年探偵団シリーズ第3作品『妖怪博士』
プレイ回数1539長文4470打 -
「USBコード挿入」
プレイ回数789長文927打
問題文
(に、かっぱんじょ)
二、活版所
(じょばんにががっこうのもんをでるとき、おなじくみのしち、はちにんは)
ジョバンニが学校の門を出るとき、同じ組の七、八人は
(いえへかえらずかむぱねるらをまんなかにして)
家へ帰らずカムパネルラをまん中にして
(こうていのすみのさくらのきのところにあつまっていました。)
校庭のすみの桜の木のところに集まっていました。
(それはこんやのほしまつりにあおいあかりをこしらえて)
それは今夜の星祭に青い灯をこしらえて
(かわへながすからすうりをとりにいくそうだんらしかったのです。)
川へ流すカラスウリを取りに行く相談らしかったのです。
(けれどもじょばんにはてをおおきくふって)
けれどもジョバンニは手を大きく降って
(どしどしがっこうのもんをでてきました。)
どしどし学校の門を出てきました。
(するとまちのいえいえではこんやのぎんがのまつりに)
すると町の家家では今夜の銀河の祭に
(いちいのはのたまをつるしたり、ひのきのえだにあかりをつけたり、)
イチイの葉の玉をつるしたり、ヒノキの枝に灯りをつけたり、
(いろいろしたくをしているのでした。)
いろいろしたくをしているのでした。
(いえへはかえらず、じょばんにがまちをみっつまがって)
家へは帰らず、ジョバンニが町を三つ曲って
(あるおおきなかっぱんじょにはいって、)
ある大きな活版所にはいって、
(すぐいりぐちのけいさんだいにいた、だぶだぶのしろいしゃつをきたひとにおじぎをして)
すぐ入口の計算台にいた、だぶだぶの白いシャツを着た人におじぎをして
(じょばんにはくつをぬいであがりますと、)
ジョバンニは靴をぬいで上がりますと、
(つきあたりのおおきなとびらをあけました。)
突き当りの大きな扉をあけました。
(なかにはまだひるなのにでんとうがついて)
中にはまだ昼なのに電燈がついて
(たくさんのりんてんきがばたりばたりとまわり、)
たくさんの輪転器がばたりばたりとまわり、
(きれであたまをしばったり、らむぷしぇーどをかけたりしたひとたちが、)
布(きれ)で頭をしばったり、ラムプシェードをかけたりした人たちが、
(なにかうたうように、よんだりかぞえたりしながら、たくさんはたらいておりました。)
何か歌うように、読んだり数えたりしながら、たくさん働いておりました。
(じょばんにはすぐいりぐちから)
ジョバンニはすぐ入口から
(さんばんめのたかいてーぶるにすわったひとのところへいって、おじぎをしました。)
三番目の高いテーブルにすわった人のところへ行って、おじぎをしました。
(そのひとはしばらくたなをさがしてから、)
その人はしばらく棚をさがしてから、
(「これだけひろっていけるかね。」)
「これだけ拾っていけるかね。」
(といいながら、いちまいのかみきれをわたしました。)
といいながら、一枚の紙切れを渡しました。