半七捕物帳 帯取りの池10
岡本綺堂 半七捕物帳シリーズ 第八話
関連タイピング
-
YOASOBIのハルカです!!いい曲だよね〜!!
プレイ回数323 歌詞かな30秒 -
znsbのカップルいっぱぁい☆
プレイ回数887 短文かな88打 -
YOASOBI
プレイ回数2003 歌詞1582打 -
2015~2022小学生のみ
プレイ回数499 60秒 -
チックタックな曲です
プレイ回数1.6万 歌詞180秒 -
プレイ回数186 長文2811打
-
竜興グループの名前言えますか?
プレイ回数562 かな119打 -
作者 マーク・トウェイン
プレイ回数362 長文3101打
問題文
ふりがな非表示
ふりがな表示
(「おやぶん、どうもいけませんよ。あれからまいにちはりこんでいるんですけれど、)
「親分、どうもいけませんよ。あれから毎日張り込んでいるんですけれど、
(やろうはかげもかたちもみせないんです。わらじをはいたんじゃありますめえか」)
野郎は影も形も見せないんです。草鞋を穿いたんじゃありますめえか」
(まつきちのほうこくによると、そのふるぎやもししょうのうちもみなひらやのせまいまどりで、)
松吉の報告によると、その古着屋も師匠の家もみな平屋の狭い間取りで、
(どこにもかくれているようなばしょがありそうもない。ふるぎやのみせにも)
どこにも隠れているような場所がありそうもない。古着屋の店にも
(おふくろがまいにちすわっている。ししょうのうちでもまいにちけいこしている。)
おふくろが毎日坐っている。師匠の家でも毎日稽古している。
(ほかにはなにもかわったことはないといった。)
ほかには何も変ったことはないと云った。
(「ししょうのうちじゃああいかわらずけいこをしているんだな。あそこのうちの)
「師匠の家じゃあ相変わらず稽古をしているんだな。あそこの家の
(つきざらいはいつだ」と、はんしちはきいた。)
月浚(つきざら)いはいつだ」と、半七は訊いた。
(「まいつきはつかだそうですが、こんげつはししょうがかぜを)
「毎月二十日(はつか)だそうですが、今月は師匠が風邪を
(ひいたとかいうんでやすみましたよ」)
引いたとかいうんで休みましたよ」
(「はつかというとおとといだな」と、はんしちはすこしかんがえた。)
「二十日というとおとといだな」と、半七は少しかんがえた。
(「あのししょう、どんなものをくっている。さかなやもやおやもでいり)
「あの師匠、どんなものを食っている。魚屋も八百屋も出入り
(するんだろう。このに、さんにちのあいだ、どんなものをかった」)
するんだろう。この二、三日の間、どんなものを買った」
(それはまつきちもいちいちしらべていなかったが、じぶんのしっているだけのことを)
それは松吉も一々調べていなかったが、自分の知っているだけのことを
(はなした。そうして、おとといのひるにはきんじょのうなぎやに)
話した。そうして、おとといの午(ひる)には近所のうなぎ屋に
(ひとりまえのどじょうなべをあつらえた。きのうのひるにはさかなやに)
一人前の泥鰌(どじょう)鍋をあつらえた。きのうの午には魚屋に
(さしみをつくらせたといった。)
刺身を作らせたと云った。
(「それだけのことがわかっていりゃあもうしぶんはねえじゃあねえか」と、)
「それだけのことが判っていりゃあ申し分はねえじゃあねえか」と、
(はんしちはしかるようにいった。)
半七は叱るように云った。
(「やろうはししょうのうちにかくれているんだ。あたりめえよ。いくらしんじゅくを)
「野郎は師匠の家に隠れているんだ。あたりめえよ。いくら新宿を
など
(そばにひかえているからといって、いまどきのばすえのけいこししょうが)
そばに控えているからといって、今どきの場末の稽古師匠が
(まいにちてんやものをとったり、さしみをくったり、そんなぜいたくが)
毎日店屋物(てんやもの)を取ったり、刺身を食ったり、そんな贅沢が
(できるはずがねえ。かわいいおとこをしのばしてあるから、きんちゃくのそこをはたいて)
できる筈がねえ。可愛い男を忍ばしてあるから、巾着の底を掃(はた)いて
(せいぜいのごちそうをしているんだ。おまけにまいつきのかきいれにしている)
せいぜいの御馳走をしているんだ。おまけに毎月の書き入れにしている
(つきざらいさえもやすんでいるというのが、なによりのしょうこだ。)
月浚いさえも休んでいるというのが、何よりの証拠だ。
(ししょうのうちにはおさらいのゆかがあるだろう」)
師匠の家にはお浚いの床があるだろう」
(ししょうのうちはよじょうはんとろくじょうのふたまで、おくのよころくじょうににけんのゆかがあると)
師匠の家は四畳半と六畳の二間で、奥の横六畳に二間(にけん)の床があると
(まつきちはいった。ゆかのしたはとだなになっているのがふつうである。)
松吉は云った。床の下は戸棚になっているのが普通である。
(そのとだなのなかにおとこをかくまってあるものとはんしちはかんていした。)
その戸棚のなかに男を隠まってあるものと半七は鑑定した。
(「さあ、まつ。すぐいっしょにいこう。かれらはぜにがなくなると、)
「さあ、松。すぐ一緒に行こう。彼らは銭がなくなると、
(またなにをしでかすかわかったもんじゃあねえ」)
また何をしでかすか判ったもんじゃあねえ」
(ふたりはしんじゅくのきたうらへいった。)
二人は新宿の北裏へ行った。
