赤いカブトムシ4/江戸川乱歩

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プレイ回数341難易度(4.4) 3691打 長文 長文モードのみ
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出典:「たのしい三年生」講談社 1958(昭和33)年4月〜1959(昭和34)年3月

赤いカブトムシ1 https://typing.twi1.me/game/414166
赤いカブトムシ2 https://typing.twi1.me/game/414325
赤いカブトムシ3 https://typing.twi1.me/game/414327
赤いカブトムシ5 https://typing.twi1.me/game/414329
赤いカブトムシ6 https://typing.twi1.me/game/415430
赤いカブトムシ7 https://typing.twi1.me/game/415434
赤いカブトムシ8 https://typing.twi1.me/game/415437
赤いカブトムシ9 https://typing.twi1.me/game/415439
赤いカブトムシ10 https://typing.twi1.me/game/415440
赤いカブトムシ11 https://typing.twi1.me/game/415442
赤いカブトムシ12 https://typing.twi1.me/game/415444
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 デコポン 6632 S+ 6.8 96.5% 533.7 3670 130 73 2024/11/01
2 Ri 6477 S 6.6 97.6% 555.5 3688 90 73 2024/10/31
3 kuma 5032 B+ 5.3 93.8% 686.5 3697 242 73 2024/10/15

関連タイピング

問題文

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(おばけやしきのちかしつにしのびこんだこばやし・きむらくんのまえに、)

おばけやしきのちかしつにしのびこんだ小林・木村くんのまえに、

(くろいまんとをきた、せいようあくまのようなおそろしいひとがあらわれました。)

黒いマントをきた、せいようあくまのようなおそろしい人があらわれました。

(「わしは、いつか、きみたちしょうねんたんていだんと、)

「わしは、いつか、きみたちしょうねんたんていだんと、

(ちえくらべをしたまほうはかせだよ。じつは、もういちど、)

ちえくらべをしたまほうはかせだよ。じつは、もう一ど、

(きみたちのちえをためすために、ここへおびきよせたのだ。)

きみたちのちえをためすために、ここへおびきよせたのだ。

(このまえは「おうごんのとら」だったが、こんどは、このあかいかぶとむしだ。)

このまえは『おうごんのとら』だったが、こんどは、この赤いカブトムシだ。

(これはるびーでできている。ふたつのめはだいやもんどだ。)

これはルビーでできている。二つの目はダイヤモンドだ。

(わしのだいじなたからものだよ。これをきみたちにわたすから、)

わしのだいじなたからものだよ。これをきみたちにわたすから、

(このまえのようにちえをしぼって、うまくかくしてごらん。)

このまえのようにちえをしぼって、うまくかくしてごらん。

(わしは、いつかのあいだにそれをさがしだして、ぬすんでみせるよ。)

わしは、五日のあいだにそれをさがしだして、ぬすんでみせるよ。

(ぬすまれたら、このちえくらべは、きみたちのまけなのだ。」)

ぬすまれたら、このちえくらべは、きみたちのまけなのだ。」

(それをきくと、「ああ、あのときのまほうはかせだったのか。」)

それをきくと、「ああ、あのときのまほうはかせだったのか。」

(と、やっとあんしんしましたが、でも、まだわからないことがあります。)

と、やっとあんしんしましたが、でも、まだわからないことがあります。

(「きのう、このせいようかんのそとがわを、はしごもないのに、するすると)

「きのう、このせいようかんの外がわを、はしごもないのに、するすると

(のぼっていったのはおじさんだったの。それから、まどからのぞいていた)

のぼっていったのはおじさんだったの。それから、まどからのぞいていた

(おんなのこは、どうしたのです。おじさんがいじめていたのでしょう。」)

女の子は、どうしたのです。おじさんがいじめていたのでしょう。」

(「うふふふ・・・。あれは、きみたちを、ここへおびきよせるてなのだよ。)

「うふふふ・・・。あれは、きみたちを、ここへおびきよせる手なのだよ。

(きむらくんのいもうとのみどりちゃんたちがみているのをしっていて、)

木村くんのいもうとのミドリちゃんたちが見ているのを知っていて、

(ふしぎなことをやってみせたのだ。あのときは、このうちのやねから、ほそい、)

ふしぎなことをやってみせたのだ。あのときは、このうちのやねから、ほそい、

(じょうぶないとのなわばしごがさげてあって、それをつたってのぼったのさ。)

じょうぶな糸のなわばしごがさげてあって、それをつたってのぼったのさ。

など

(ゆうがただから、とおくからは、そのいとがみえなかったのだよ。)

夕がただから、とおくからは、その糸が見えなかったのだよ。

(あのときのおんなのこは、にんぎょうだよ。ほら、これをごらん。」)

あのときの女の子は、にんぎょうだよ。ほら、これをごらん。」

(まほうはかせは、まんとのしたにかくしていた、)

まほうはかせは、マントの下にかくしていた、

(おおきなにんぎょうをだしてみせました。)

大きなにんぎょうを出してみせました。

(「でも、きのうのおんなのこは、かなしそうなさけびごえを)

「でも、きのうの女の子は、かなしそうなさけび声を

(たてていたというじゃありませんか。」)

たてていたというじゃありませんか。」

(こばやしくんがききかえすと、はかせはにやにやわらって、よこをむきました。)

小林くんがききかえすと、はかせはにやにやわらって、よこをむきました。

(「きゃあ。たすけてえ。」)

「きゃあ。たすけてえ。」

(おんなのこのおそろしいさけびごえがきこえました。ふたりはびっくりして、)

女の子のおそろしいさけび声がきこえました。ふたりはびっくりして、

(にんぎょうのかおをみましたが、べつに、)

にんぎょうのかおを見ましたが、べつに、

(くちがうごいているわけでもありません。「ははは・・・ふくわじゅつだよ。)

口がうごいているわけでもありません。「ははは・・・ふくわじゅつだよ。

(わしが、くちをうごかさないで、おんなのこのこえをまねたのだ。)

わしが、口をうごかさないで、女の子の声をまねたのだ。

(きのうのさけびごえは、これだったのだよ。」)

きのうのさけび声は、これだったのだよ。」

(このたねあかしをきいて、ふたりは、すっかりあんしんしました。そして、)

このたねあかしをきいて、ふたりは、すっかりあんしんしました。そして、

(まほうはかせからるびーのかぶとむしをうけとると、おばけやしきをでて、)

まほうはかせからルビーのカブトムシをうけとると、おばけやしきを出て、

(こばやしくんのうちにかえり、おとうさんやおかあさんやみどりちゃんに、)

小林くんのうちにかえり、おとうさんやおかあさんやミドリちゃんに、

(そのことをはなしました。それから、ふたりで、あけちたんていじむしょへ)

そのことを話しました。それから、ふたりで、明智たんていじむしょへ

(いそぎました。そして、あけちせんせいにも、まほうはかせのことを)

いそぎました。そして、明智先生にも、まほうはかせのことを

(ほうこくするのでした。)

ほうこくするのでした。

(それからしばらくすると、こばやしくんがでんわでよびよせた、)

それからしばらくすると、小林くんがでんわでよびよせた、

(じゅうにんのしょうねんたんていだんいんが、あけちたんていじむしょへ)

十人のしょうねんたんていだんいんが、明智たんていじむしょへ

(あつまってきましたが、そのなかにひとりだけ、おんなのこがまじっていました。)

あつまってきましたが、その中にひとりだけ、女の子がまじっていました。

(ちゅうがくいちねんのみやたゆうこちゃんという、ついこのごろなかまいりをした、)

中学一年の宮田ユウ子ちゃんという、ついこのごろなかま入りをした、

(たったひとりのしょうじょだんいんです。としのわりにからだがおおきく、)

たったひとりのしょうじょだんいんです。年のわりにからだが大きく、

(いかにもかわいいおんなのこでした。)

いかにもかわいい女の子でした。

(「あたし、いいことおもいついたわ。その、かぶとむし、)

「あたし、いいこと思いついたわ。その、カブトムシ、

(あたしのうちへかくすといいわ。」)

あたしのうちへかくすといいわ。」

(みんなでそうだんをしているうちに、ゆうこちゃんが、)

みんなでそうだんをしているうちに、ユウ子ちゃんが、

(そんなことをいいだしました。そして、こばやしだんちょうのみみにくちをよせて、)

そんなことをいいだしました。そして、小林だんちょうの耳に口をよせて、

(なにか、ひそひそとささやくのでした。)

なにか、ひそひそとささやくのでした。

(つぎつぎとささやきかわして、ゆうこちゃんのかんがえがわかると、)

つぎつぎとささやきかわして、ユウ子ちゃんの考えがわかると、

(みんなはてをたたいて、「それがいい、それがいい。」とさんせいしました。)

みんなは手をたたいて、「それがいい、それがいい。」とさんせいしました。

(ゆうこちゃんは、るびーのかぶとむしをぽけっとにいれ、)

ユウ子ちゃんは、ルビーのカブトムシをポケットに入れ、

(そのうえをてでしっかりおさえて、しょうねんたちにおくられて)

その上を手でしっかりおさえて、しょうねんたちにおくられて

(うちへかえりました。ゆうこちゃんのうちは、せっこうのおきものを)

うちへかえりました。ユウ子ちゃんのうちは、せっこうのおきものを

(つくるのがしょうばいで、うらに、ちいさなこうばがあるのです。)

作るのがしょうばいで、うらに、小さなこうばがあるのです。

(ゆうこちゃんは、そのこうばのなかへはいっていきました。こうばには、)

ユウ子ちゃんは、そのこうばの中へはいっていきました。こうばには、

(しょうねんのくびや、びーなす(めがみ)や、はなかごをさげたおんなのこなどの)

しょうねんのくびや、ビーナス(めがみ)や、花かごをさげた女の子などの

(せっこうのおきものが、たくさんならんでいます。)

せっこうのおきものが、たくさんならんでいます。

(すっかりできあがったものもあり、まだできあがらないで、)

すっかりできあがったものもあり、まだできあがらないで、

(これからつぎあわせるものもあります。ゆうこちゃんは、このせっこうのなかへ、)

これからつぎあわせるものもあります。ユウ子ちゃんは、このせっこうの中へ、

(かぶとむしをかくそうというのでしょうか。)

カブトムシをかくそうというのでしょうか。

(そんなことで、うまくまほうはかせのめをくらますことができるのでしょうか。)

そんなことで、うまくまほうはかせの目をくらますことができるのでしょうか。

(なにか、もっとふかいかんがえがあるのかもしれません。)

なにか、もっとふかい考えがあるのかもしれません。

(ゆうこちゃんが、せっこうのおきもののまんなかにしゃがんでいますと、)

ユウ子ちゃんが、せっこうのおきもののまん中にしゃがんでいますと、

(がらすまどのそとに、おそろしいかおがあらわれました。かおじゅうひげに)

ガラスまどの外に、おそろしいかおがあらわれました。かおじゅうひげに

(うずまったきたないおとこが、そっと、なかをのぞいているのです。)

うずまったきたない男が、そっと、中をのぞいているのです。

(このひげのおとこは、いったいなにものなのでしょう。そして、しょうねんたちが)

このひげの男は、いったいなにものなのでしょう。そして、しょうねんたちが

(てをたたいてよろこんだゆうこちゃんのちえというのは、)

手をたたいてよろこんだユウ子ちゃんのちえというのは、

(どんなことだったのでしょう。)

どんなことだったのでしょう。

(やがて、じつにきみょうなことがおこるのです。この、かおじゅうひげに)

やがて、じつにきみょうなことがおこるのです。この、かおじゅうひげに

(うずまった、えたいのしれないおとこが、)

うずまった、えたいの知れない男が、

(とほうもないことをやりはじめるのです。)

とほうもないことをやりはじめるのです。

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