探偵少年3 消えるロボット/江戸川乱歩

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順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 berry 7757 7.8 99.0% 289.4 2267 22 46 2024/09/27
2 HAKU 7593 7.8 96.4% 290.9 2294 85 46 2024/10/04
3 kkk 7227 7.4 96.5% 306.6 2297 81 46 2024/10/12
4 zero 6650 S+ 6.8 96.7% 333.5 2296 78 46 2024/09/29
5 デコポン 6613 S+ 6.8 96.6% 332.8 2279 78 46 2024/10/06

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問題文

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(ふたつのでんとうが、こちらをむいているので、そのむこうは、まっくらです。)

ふたつの電灯が、こちらをむいているので、そのむこうは、まっ暗です。

(そこに、ぶきみなろぼっとが、たちはだかって、こちらを、)

そこに、ぶきみなロボットが、たちはだかって、こちらを、

(にらみつけています。)

にらみつけています。

(「こばやしさん、かえろうよ。ぼく、いやだよ。」)

「小林さん、帰ろうよ。ぼく、いやだよ。」

(のろちゃんが、なきだしそうなこえでいいました。)

ノロちゃんが、泣きだしそうな声でいいました。

(そのとき、おそろしいことがおこりました。ろぼっとが、みぎてをたかくあげて、)

そのとき、おそろしいことがおこりました。ロボットが、右手を高くあげて、

(さっと、ひとふりすると、そのてが、どっかへとんでいって、)

サッと、ひとふりすると、その手が、どっかへ飛んでいって、

(みえなくなってしまいました。)

見えなくなってしまいました。

(はっとしてみつめていますと、こんどはひだりのてを、さっとふりました。)

はっとして見つめていますと、こんどは左の手を、サッとふりました。

(するとひだりても、からだからちぎれて、どっかへ、)

すると左手も、からだからちぎれて、どっかへ、

(とびさってしまったではありませんか。)

飛びさってしまったではありませんか。

(りょうてのなくなったろぼっとは、しばらく、でんとうのむこうがわをいったりきたり)

両手のなくなったロボットは、しばらく、電灯のむこうがわを行ったり来たり

(していましたが、こんどはみぎのあしを、ばれえでもおどるように、ぱっと、)

していましたが、こんどは右の足を、バレエでもおどるように、パッと、

(たかくあげたかとおもうと、そのあしも、どこかへきえてしまいました。)

高くあげたかとおもうと、その足も、どこかへ消えてしまいました。

(あとには、ひだりのあしがいっぽんのこっているばかりです。いっぽんあしのろぼっとです。)

あとには、左の足が一本のこっているばかりです。一本足のロボットです。

(むかしのほんにのっているおばけのえと、そっくりです。)

むかしの本にのっているおばけの絵と、そっくりです。

(あまりのふしぎさに、ふたりのしょうねんはみうごきもできなくなって、ゆめでも)

あまりのふしぎさに、ふたりの少年は身うごきもできなくなって、夢でも

(みているようなきもちで、おばけろぼっとをみつめていました。)

見ているような気持で、おばけロボットを見つめていました。

(てもあしもなくなったろぼっとの、くびとどうだけが、したにおちもしないでくうちゅうに)

手も足もなくなったロボットの、首と胴だけが、下に落ちもしないで空中に

(ただよって、ゆらゆらゆれているのです。)

漂って、ユラユラゆれているのです。

など

(「えへへへへへ・・・。」)

「エヘヘヘヘへ・・・。」

(ろぼっとのくちが、みかづきがたに、きゅーっとひらいて、きみのわるいこえを)

ロボットの口が、三日月がたに、キューッとひらいて、気味のわるい声を

(たてました。)

たてました。

(そして、そのわらいごえがきえないうちに、またもや、こんどは・・・。)

そして、その笑い声が消えないうちに、またもや、こんどは・・・。

(あっとおもうまに、ろぼっとのどうたいが、かきけすように、なくなってしまった)

あっとおもうまに、ロボットの胴体が、かき消すように、なくなってしまった

(ではありませんか。)

ではありませんか。

(あとには、かくばったろぼっとのくびばかりが、ふらふらと、ちゅうにういている)

あとには、かくばったロボットの首ばかりが、フラフラと、宙に浮いている

(のです。そして、そのくびが、みかづきがたのくちをぱくぱくやって、へらへらと)

のです。そして、その首が、三日月がたの口をパクパクやって、ヘラヘラと

(わらいながら、くうちゅうを、すーっとこちらへちかづいてくるのです。)

笑いながら、空中を、スーッとこちらへ近づいてくるのです。

(ろぼっとのくびだけがへらへらわらいながら、くうちゅうを、すーっとこちらへちかづいて)

ロボットの首だけがヘラヘラ笑いながら、空中を、スーッとこちらへ近づいて

(くるのをみて、おくびょうものののろちゃんは、いきなり、こばやしくんに)

くるのを見て、おくびょうもののノロちゃんは、いきなり、小林君に

(だきついて、)

だきついて、

(「わー・・・、たすけてくれえ・・・。」と、ひめいをあげました。)

「ワー・・・、たすけてくれえ・・・。」と、悲鳴をあげました。

(さすがのこばやしくんも、きみがわるくなってきました。)

さすがの小林君も、気味がわるくなってきました。

(でも、こばやしくんは、にげだしません。よのなかに、おばけなんているはずがない)

でも、小林君は、逃げだしません。世のなかに、おばけなんているはずがない

(と、しんじていたからです。ろぼっとのくびが、ちゅうにういているのは、きっと、)

と、しんじていたからです。ロボットの首が、宙に浮いているのは、きっと、

(なにか、しかけがあるのだと、かんがえたからです。)

なにか、しかけがあるのだと、かんがえたからです。

(それで、こわがるのろちゃんをだきしめて、くうちゅうにただよっているろぼっとの)

それで、こわがるノロちゃんをだきしめて、空中にただよっているロボットの

(くびを、ぐっとにらみつけました。)

首を、グッとにらみつけました。

(こばやしくんは、めいたんていあけちこごろうのしょうねんじょしゅとして、「とうめいかいじん」)

小林君は、名探偵明智小五郎の少年助手として、「透明怪人」

((このぶんこだいさんじゅうさんかん)や「うちゅうかいじん」(だいさんじゅうよんかん)のじけんで、)

(この文庫第三十三巻)や「宇宙怪人」(第三十四巻)の事件で、

(こんなことには、たびたびであっていますから、それほど、こわいとも)

こんなことには、たびたび出あっていますから、それほど、こわいとも

(おもいません。)

思いません。

(くびばかりのろぼっとは、こばやしくんににらみつけられて、ひるんだのか、すーっと、)

首ばかりのロボットは、小林君ににらみつけられて、ひるんだのか、スーッと、

(むこうのほうへとおざかっていきましたが、そのまま、ぱっとかきけすように、)

むこうのほうへ遠ざかっていきましたが、そのまま、パッとかき消すように、

(みえなくなってしまいました。)

見えなくなってしまいました。

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