赤いカブトムシ6/江戸川乱歩

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プレイ回数349難易度(4.3) 3529打 長文 長文モードのみ
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出典:「たのしい三年生」講談社 1958(昭和33)年4月〜1959(昭和34)年3月

赤いカブトムシ1 https://typing.twi1.me/game/414166
赤いカブトムシ2 https://typing.twi1.me/game/414325
赤いカブトムシ3 https://typing.twi1.me/game/414327
赤いカブトムシ4 https://typing.twi1.me/game/414328
赤いカブトムシ5 https://typing.twi1.me/game/414329
赤いカブトムシ7 https://typing.twi1.me/game/415434
赤いカブトムシ8 https://typing.twi1.me/game/415437
赤いカブトムシ9 https://typing.twi1.me/game/415439
赤いカブトムシ10 https://typing.twi1.me/game/415440
赤いカブトムシ11 https://typing.twi1.me/game/415442
赤いカブトムシ12 https://typing.twi1.me/game/415444
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 デコポン 6709 S+ 6.9 97.2% 503.5 3478 100 72 2024/11/01
2 Ri 6008 A++ 6.2 96.8% 567.4 3523 114 72 2024/10/31
3 kuma 5019 B+ 5.4 93.1% 651.5 3530 260 72 2024/10/15

関連タイピング

問題文

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(ゆうこちゃんは、まほうはかせにうまくだまされて、あかいかぶとむしの)

ユウ子ちゃんは、まほうはかせにうまくだまされて、赤いカブトムシの

(かくしばしょをみつけられてしまいました。)

かくしばしょを見つけられてしまいました。

(そこは、さびしいはらっぱですし、あいてはおとなのまほうはかせ。こちらは、)

そこは、さびしい原っぱですし、あい手はおとなのまほうはかせ。こちらは、

(ちいさいこどもですから、どうすることもできません。とうとう、)

小さい子どもですから、どうすることもできません。とうとう、

(るびーのかぶとむしを、とりあげられてしまいました。)

ルビーのカブトムシを、とりあげられてしまいました。

(「さあ、こんどは、きみたちがさがすばんだよ。わしが、このかぶとむしを)

「さあ、こんどは、きみたちがさがす番だよ。わしが、このカブトムシを

(ふしぎなばしょへかくすからね。うまくみつけだしてごらん。)

ふしぎなばしょへかくすからね。うまく見つけ出してごらん。

(は、は、は、は・・・。かわいそうに、なきべそをかいているね。よしよし、)

は、は、は、は・・・。かわいそうに、なきべそをかいているね。よしよし、

(それじゃ、かくしばしょのひみつを、きっと、きみにおしえてあげるよ。)

それじゃ、かくしばしょのひみつを、きっと、きみにおしえてあげるよ。

(まっているがいい。」)

まっているがいい。」

(まほうはかせは、そういって、どこかへたちさってしまいました。)

まほうはかせは、そういって、どこかへたちさってしまいました。

(それからみっかめの、おひるすぎのことです。ゆうこちゃんが、)

それから三日めの、おひるすぎのことです。ユウ子ちゃんが、

(うちのにわであそんでいますと、あかいごむふうせんが、)

うちのにわであそんでいますと、赤いゴムふうせんが、

(そらからふわふわとおちてきました。)

空からふわふわとおちてきました。

(どこかのこどもが、ふうせんのいとをはなして、そらへとびあがったのが、)

どこかの子どもが、ふうせんの糸をはなして、空へとび上がったのが、

(ちからがよわくなっておちてきたのでしょう。)

力が弱くなっておちてきたのでしょう。

(ゆうこちゃんがそうおもって、あかいふうせんをじっとみていますと、)

ユウ子ちゃんがそう思って、赤いふうせんをじっと見ていますと、

(やがてそれは、すぐめのまえのじめんにおちました。)

やがてそれは、すぐ目の前のじめんにおちました。

(ふうせんにはいとがついていて、そのいとのはしに、)

ふうせんには糸がついていて、その糸のはしに、

(しろいものがくくりつけてあります。ゆうこちゃんは、なんだろうとおもって、)

白いものがくくりつけてあります。ユウ子ちゃんは、なんだろうと思って、

など

(それをひろってしらべてみました。)

それをひろってしらべてみました。

(それは、かみをこまかくおりたたんだものでした。ていねいにのばしてみると、)

それは、紙をこまかくおりたたんだものでした。ていねいにのばしてみると、

(そのかみには、こんなへんなことがかいてあります。)

その紙には、こんなへんなことが書いてあります。

(ごがつにじゅうごにちごごさんじにじっぷん、いっぽんすぎのてっぺんからはいれ。)

五月二十五日午後三時二十分、一本スギのてっぺんからはいれ。

(おそろしいばんにんにちゅういせよ。)

おそろしい番人に注意せよ。

(まほうはかせ)

まほうはかせ

(「あらっ。まほうはかせからのてがみだわ。」)

「あらっ。まほうはかせからの手紙だわ。」

(ゆうこちゃんは、むねがどきどきしてきました。)

ユウ子ちゃんは、むねがどきどきしてきました。

(まほうはかせは、このあいだのやくそくをまもって、ゆうこちゃんに、)

まほうはかせは、このあいだのやくそくをまもって、ユウ子ちゃんに、

(かぶとむしのかくしばしょをおしえてくれたのかもしれません。)

カブトムシのかくしばしょをおしえてくれたのかもしれません。

(ゆうこちゃんは、すぐにそのかみをもって、でんしゃにのってこうじまちの)

ユウ子ちゃんは、すぐにその紙をもって、電車に乗って麹町の

(あけちたんていじむしょをたずね、こばやししょうねんにそうだんしました。)

明智たんていじむしょをたずね、小林しょうねんにそうだんしました。

(「ごがつにじゅうごにちといえば、あさってだね。あさって、いっぽんすぎのところへ)

「五月二十五日といえば、あさってだね。あさって、一本スギのところへ

(いけばいいんだね。いっぽんすぎって、なんだかきいたことがあるよ。)

行けばいいんだね。一本スギって、なんだか聞いたことがあるよ。

(あっ、そうだ。きむらとしおくんのいえのそばの、まほうはかせのばけものやしきの)

あっ、そうだ。木村敏夫くんの家のそばの、まほうはかせのばけものやしきの

(むこうに、たしか、いっぽんすぎっていうのがあった。きむらくんに、でんわで)

むこうに、たしか、一本スギっていうのがあった。木村くんに、でんわで

(きいてみよう。」)

聞いてみよう。」

(でんわをかけますと、やっぱりそこに、いっぽんすぎという、たかいすぎのきが)

でんわをかけますと、やっぱりそこに、一本スギという、高いスギの木が

(あることがわかりました。)

あることがわかりました。

(そして、ごがつにじゅうごにちごごさんじに、こばやしくんたちごにんのだんいんが、)

そして、五月二十五日午後三時に、小林くんたち五人のだんいんが、

(いっぽんすぎのあるはらっぱへやってきました。)

一本スギのある原っぱへやって来ました。

(ごにんというのは、こばやしだんちょうとゆうこちゃんと、きむらとしおくんと、)

五人というのは、小林だんちょうとユウ子ちゃんと、木村敏夫くんと、

(それから、だんいんのなかでいちばんちからのつよいいのうえいちろうくんと、)

それから、だんいんの中でいちばん力の強い井上一郎くんと、

(のろいっぺいくんでした。いっぺいくんはのろちゃんというあだなで、)

野呂一平くんでした。一平くんはノロちゃんというあだ名で、

(おくびょうものだけれども、すばしこくて、よくきのつくこでした。)

おくびょうものだけれども、すばしこくて、よく気のつく子でした。

(「いっぽんすぎのてっぺんからはいれって、どういういみだろう。」)

「一本スギのてっぺんからはいれって、どういういみだろう。」

(こばやしくんがくびをかしげていますと、のろちゃんが、とんきょうなこえで、)

小林くんがくびをかしげていますと、ノロちゃんが、とんきょうな声で、

(「きっと、てっぺんにあながあいているんだよ。そこからはいるんだよ。ぼく、)

「きっと、てっぺんにあながあいているんだよ。そこからはいるんだよ。ぼく、

(のぼってみようか。」)

のぼってみようか。」

(といって、こしにまきつけていたながいなわをほどきはじめました。)

といって、こしにまきつけていた長いなわをほどき始めました。

(のろちゃんは、きのぼりのめいじんで、きょうはすぎのきにのぼらなければ)

ノロちゃんは、木のぼりのめいじんで、きょうはスギの木にのぼらなければ

(ならないだろうとおもって、そのよういをしてきたのです。)

ならないだろうと思って、そのよういをしてきたのです。

(のろちゃんは、なげなわもじょうずでした。そのながいなわを、)

ノロちゃんは、なげなわもじょうずでした。その長いなわを、

(くるくるとまわして、ぱっとすぎのきのたかいえだになげかけました。そして、)

くるくるとまわして、ぱっとスギの木の高いえだになげかけました。そして、

(いっぽうのはしを、じぶんのからだにしばりつけ、いっぽうのはしを、)

一方のはしを、自分のからだにしばりつけ、一方のはしを、

(みんなにひっぱってもらうのです。)

みんなにひっぱってもらうのです。

(つなひきみたいに、みんながなわをひっぱると、のろちゃんはそれをちからにして、)

つなひきみたいに、みんながなわをひっぱると、ノロちゃんはそれを力にして、

(ふといすぎのみきをするするとのぼっていきました。)

ふといスギのみきをするするとのぼっていきました。

(そして、したのえだまでのぼりつけば、あとは、)

そして、下のえだまでのぼりつけば、あとは、

(えだからえだへとつたっていけばいいのです。)

えだからえだへとつたっていけばいいのです。

(のろちゃんは、とうとう、すぎのきのてっぺんまでたどりつきました。)

ノロちゃんは、とうとう、スギの木のてっぺんまでたどりつきました。

(そして、しばらくそのへんをさがしていましたが、)

そして、しばらくそのへんをさがしていましたが、

(「なんにもないよう。あななんて、どこにもあいていないよう。」)

「なんにもないよう。あななんて、どこにもあいていないよう。」

(とさけぶこえが、はるかにきこえました。これは、どうしたわけでしょう。)

とさけぶ声が、はるかにきこえました。これは、どうしたわけでしょう。

(「てっぺんからはいれ。」といったって、あながなければ、)

「てっぺんからはいれ。」といったって、あながなければ、

(はいれないではありませんか。)

はいれないではありませんか。

(のろちゃんは、ごふんほどもきのてっぺんで、じっとしていましたが、やがて、)

ノロちゃんは、五分ほども木のてっぺんで、じっとしていましたが、やがて、

(なにをおもったのか、とんきょうなこえで、)

なにを思ったのか、とんきょうな声で、

(「わかったよう。あれだよう、あれをごらん。」)

「わかったよう。あれだよう、あれをごらん。」

(とさけんで、はらっぱのいっぽうをゆびさしてみせるのでした。そこには、)

とさけんで、原っぱの一方をゆびさしてみせるのでした。そこには、

(たいようのひかりをうけて、いっぽんすぎのかげが、ながながとよこたわっていました。)

たいようの光をうけて、一本スギのかげが、長々とよこたわっていました。

(みなさん、のろちゃんは、いったいなににきづいたのでしょうか。)

みなさん、ノロちゃんは、いったいなにに気づいたのでしょうか。

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