赤いカブトムシ8/江戸川乱歩

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プレイ回数290難易度(4.4) 3293打 長文 長文モードのみ
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出典:「たのしい三年生」講談社 1958(昭和33)年4月〜1959(昭和34)年3月

赤いカブトムシ1 https://typing.twi1.me/game/414166
赤いカブトムシ2 https://typing.twi1.me/game/414325
赤いカブトムシ3 https://typing.twi1.me/game/414327
赤いカブトムシ4 https://typing.twi1.me/game/414328
赤いカブトムシ5 https://typing.twi1.me/game/414329
赤いカブトムシ6 https://typing.twi1.me/game/415430
赤いカブトムシ7 https://typing.twi1.me/game/415434
赤いカブトムシ9 https://typing.twi1.me/game/415439
赤いカブトムシ10 https://typing.twi1.me/game/415440
赤いカブトムシ11 https://typing.twi1.me/game/415442
赤いカブトムシ12 https://typing.twi1.me/game/415444
順位 名前 スコア 称号 打鍵/秒 正誤率 時間(秒) 打鍵数 ミス 問題 日付
1 Ri 6489 S 6.6 97.4% 492.8 3283 85 66 2024/11/01
2 kuma 5369 B++ 5.7 93.1% 568.6 3296 243 66 2024/10/15
3 デコポン 1671 G++ 1.7 97.1% 1886.7 3251 97 66 2024/11/02

関連タイピング

問題文

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(こばやしくんときむらくんと、ゆうこちゃんといのうえくんと、のろちゃんのごにんは、)

小林くんと木村くんと、ユウ子ちゃんと井上くんと、ノロちゃんの五人は、

(るびーのかぶとむしをとりかえすために、せたがやくのさびしいはらっぱの、)

ルビーのカブトムシをとりかえすために、世田谷区のさびしい原っぱの、

(ふしぎなほらあなへはいっていきました。)

ふしぎなほらあなへはいっていきました。

(そのほらあなのなかには、ふつうのとらのひゃくばいもある、おばけのとらが)

そのほらあなの中には、ふつうのトラの百ばいもある、おばけのトラが

(ねそべっていて、おおきなくちへ、ごにんをのみこんでしまいました。)

ねそべっていて、大きな口へ、五人をのみこんでしまいました。

(しばらくしてきがついてみると、まだ、とらのうえにころがったままで、)

しばらくして気がついてみると、まだ、トラの上にころがったままで、

(いぶくろのほうへのみこまれていくようすもありません。いのうえくんは、しっかり)

いぶくろの方へのみこまれていくようすもありません。井上くんは、しっかり

(にぎりしめていたかいちゅうでんとうで、)

にぎりしめていたかいちゅうでんとうで、

(おばけののどのおくをてらしてみました。)

おばけののどのおくをてらしてみました。

(すると、このとらのおくには、しょくどうも、いぶくろも、)

すると、このトラのおくには、しょくどうも、いぶくろも、

(なにもないことがわかりました。)

なにもないことがわかりました。

(くびだけのとらだったのです。もちろん、いきたとらではなくて、)

くびだけのトラだったのです。もちろん、いきたトラではなくて、

(きかいじかけのつくりものです。すいよせられたとおもったのは、どこか)

きかいじかけの作り物です。すいよせられたと思ったのは、どこか

(うしろのほうから、おおきなせんぷうきのようなもので、)

うしろの方から、大きなせんぷうきのようなもので、

(ふきつけられたのでしょう。)

ふきつけられたのでしょう。

(いのうえくんは、とらのくちからそとへでようとしましたが、もうくちは)

井上くんは、トラの口から外へ出ようとしましたが、もう口は

(とじられていて、どうしてもあけることができません。)

とじられていて、どうしてもあけることができません。

(しかたがないので、こばやしくんとそうだんして、おくのほうへ)

しかたがないので、小林くんとそうだんして、おくの方へ

(いってみることにしました。とらののどのおくは、いままでとおなじ)

行ってみることにしました。トラののどのおくは、いままでとおなじ

(こんくりーとのほらあなです。かいちゅうでんとうでてらしながら、)

コンクリートのほらあなです。かいちゅうでんとうでてらしながら、

など

(そこをすすんでいきますと、ぱったりとゆきどまりになってしまいました。)

そこをすすんでいきますと、ぱったりと行き止まりになってしまいました。

(「あっ。ここにどあがあるよ。」)

「あっ。ここにドアがあるよ。」

(ひとりが、やっととおれるほどのちいさいどあです。いのうえくんが、そのどあの)

ひとりが、やっととおれるほどの小さいドアです。井上くんが、そのドアの

(とってをつかんでひっぱると、なんなくあきました。まるで、きんこの)

とっ手をつかんでひっぱると、なんなくあきました。まるで、きんこの

(とびらのように、ひどくぶあつい、がんじょうなてつのどあです。)

とびらのように、ひどくぶあつい、がんじょうな鉄のドアです。

(ごにんは、そのなかへはいりました。すると、ふしぎなことに、そのおもいどあが、)

五人は、その中へ入りました。すると、ふしぎなことに、そのおもいドアが、

(すうっと、ひとりでにしまってしまったではありませんか。)

すうっと、ひとりでにしまってしまったではありませんか。

(いのうえくんはおどろいて、もういちどあけようとしましたが、こんどは)

井上くんはおどろいて、もう一どあけようとしましたが、こんどは

(いくらおしてもびくともしません。それにどあのうちがわには、とっても)

いくらおしてもびくともしません。それにドアのうちがわには、とっ手も

(なにもなく、すべすべしたてつのいたです。)

なにもなく、すべすべした鉄のいたです。

(「おやっ。ここは、どこにもでぐちのないまるいへやだよ。」)

「おやっ。ここは、どこにも出口のないまるいへやだよ。」

(それは、たたみにじょうくらいの、いどのそこのようなまるいへやでした。)

それは、たたみニじょうくらいの、いどのそこのようなまるいへやでした。

(ごにんは、こんくりーとのつつのなかにとじこめられてしまったのです。)

五人は、コンクリートのつつの中にとじこめられてしまったのです。

(かいちゅうでんとうでてんじょうをてらしてみると、まるいつつは、)

かいちゅうでんとうでてんじょうをてらしてみると、まるいつつは、

(ずっとうえのほうへつづいています。まったくいどのそことおなじです。)

ずっと上の方へつづいています。まったくいどのそことおなじです。

(「おや、あのおとはなんだろう。」のろちゃんが、おびえたこえをだしました。)

「おや、あの音はなんだろう。」ノロちゃんが、おびえた声を出しました。

(ほんとうに、へんなおとがしています。とおくで、もーたーがまわっている)

ほんとうに、へんな音がしています。とおくで、モーターがまわっている

(ようなおとです。)

ような音です。

(そのとき、かいちゅうでんとうでてんじょうをてらしていたいのうえくんが、)

そのとき、かいちゅうでんとうでてんじょうをてらしていた井上くんが、

(「あっ、たいへんだっ。」)

「あっ、大変だっ。」

(とさけんだので、みんなびっくりして、そのほうをみあげました。)

とさけんだので、みんなびっくりして、その方を見上げました。

(じつにおそろしいことが、おこっていたのです。)

じつにおそろしいことが、おこっていたのです。

(ごらんなさい。てんじょうから、てつのふたのようなものが、じりじりと)

ごらんなさい。てんじょうから、鉄のふたのようなものが、じりじりと

(おりてくるではありませんか。)

おりてくるではありませんか。

(まるいつつのうちがわへ、ぴったりはまったあついてつのふたです。それが、)

まるいつつのうちがわへ、ぴったりはまったあつい鉄のふたです。それが、

(しずかにおりてくるのです。)

しずかにおりてくるのです。

(てつのふたは、もーたーのちからで、すこしのくるいもなくおりてきます。)

鉄のふたは、モーターの力で、すこしのくるいもなくおりてきます。

(ああ、もうてをのばせばとどくところまでおりてきました。)

ああ、もう手をのばせばとどくところまでおりてきました。

(「みんな、てをのばして、ちからをあわせて、あれをささえるんだ。でないと、)

「みんな、手をのばして、力をあわせて、あれをささえるんだ。でないと、

(ぼくたち、おしつぶされてしまうよ。」)

ぼくたち、おしつぶされてしまうよ。」

(こばやしくんはそういって、まず、じぶんがりょうてをあげました。)

小林くんはそういって、まず、自分が両手を上げました。

(みんなも、そのまねをして、りょうてをあげて、てつのふたをおしもどそうと)

みんなも、そのまねをして、両手を上げて、鉄のふたをおしもどそうと

(しました。しかし、それは、ひじょうにおもいてつのかたまりらしく、)

しました。しかし、それは、ひじょうにおもい鉄のかたまりらしく、

(ごにんのちからでは、とてもささえきれません。じりじり、じりじりと、)

五人の力では、とてもささえきれません。じりじり、じりじりと、

(おりてくるのです。それにつれて、ささえているてが、だんだんさがり、)

おりてくるのです。それにつれて、ささえている手が、だんだんさがり、

(とうとうてつのふたは、みんなのあたまにくっつくほどになりました。)

とうとう鉄のふたは、みんなのあたまにくっつくほどになりました。

(もう、しゃがむほかはありません。そのつぎには、すわってしまいました。)

もう、しゃがむほかはありません。そのつぎには、すわってしまいました。

(それでもまだ、てつのふたはおりてくるのです。もう、すわっていることも)

それでもまだ、鉄のふたはおりてくるのです。もう、すわっていることも

(できないようになり、みんなはあおむけにねころんで、りょうてとりょうあしで)

できないようになり、みんなはあおむけにねころんで、両手と両足で

(ささえようとしましたが、やっぱりだめです。なんびゃっきろというおもさのてつが、)

ささえようとしましたが、やっぱりだめです。なん百キロという重さの鉄が、

(ねているかおのすぐそばまでおりてきました。)

ねているかおのすぐそばまでおりてきました。

(ゆうこちゃんは、なきだしました。のろちゃんもなきだしました。)

ユウ子ちゃんは、なきだしました。ノロちゃんもなきだしました。

(「たすけてくれえ・・・。」)

「たすけてくれえ・・・。」

(いのうえくんときむらくんが、かなしいこえでさけびました。こばやしくんさえ、)

井上くんと木村くんが、かなしい声でさけびました。小林くんさえ、

(なきだしたくなるほどでした。)

なきだしたくなるほどでした。

(ああ、ごにんは、いったいどうなるのでしょう。)

ああ、五人は、いったいどうなるのでしょう。

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