赤いカブトムシ11/江戸川乱歩

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出典:「たのしい三年生」講談社 1958(昭和33)年4月〜1959(昭和34)年3月

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赤いカブトムシ12

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問題文

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(ちかしつのてんじょうがおおきくひらいて、おとなのさんばいもあるせいどうの)

ちか室のてんじょうが大きく開いて、おとなの三ばいもあるせいどうの

(まじんが、ふわふわとちゅうにうき、そのままそらのほうへまいあがって)

まじんが、ふわふわとちゅうにうき、そのまま空の方へまい上がって

(いきました。)

いきました。

(まじんのあしにしがみついていたいのうえいちろうくんも、いっしょに、そらへまいあがって)

まじんの足にしがみついていた井上一郎くんも、いっしょに、空へまい上がって

(いくのです。)

いくのです。

(「おうい、いのうえくん。てをはなせよ。そして、したへとびおりるんだっ。」)

「おうい、井上君。手をはなせよ。そして、下へとびおりるんだっ。」

(したから、こばやしくんが、おおごえでさけびました。)

下から、小林くんが、大声でさけびました。

(まじんのあしは、ちかしつのゆかから、もうさんめーとるもうきあがっていましたが、)

まじんの足は、ちか室のゆかから、もう三メートルもうき上がっていましたが、

(いのうえくんはおもいきっててをはなし、ぱっととびおりました。)

井上くんは思い切って手をはなし、ぱっととびおりました。

(そして、こんくりーとのゆかにしりもちをついて、かおをしかめています。)

そして、コンクリートのゆかにしりもちをついて、かおをしかめています。

(「あいつ、あかいかぶとむしをくちにいれたまま、とんでいってしまったよ。)

「あいつ、赤いカブトムシを口に入れたまま、とんでいってしまったよ。

(はやくおっかけなけりゃあ。」)

早く追っかけなけりゃあ。」

(「よしっ。なわばしごだっ。」)

「よしっ。なわばしごだっ。」

(こばやしくんはそうさけぶと、おなかのしゃつのしたにまきつけていた、じょうぶな)

小林くんはそうさけぶと、おなかのシャツの下にまきつけていた、じょうぶな

(きぬひものなわばしごをするするとほどいて、そのいっぽうのはしについている)

きぬひものなわばしごをするするとほどいて、その一方のはしについている

(てつのかぎを、ひらいたてんじょうへなげあげました。)

鉄のかぎを、開いたてんじょうへ投げ上げました。

(なんどもしくじったあとで、やっとそのかぎが、てんじょうのあなのふちに)

なん度もしくじったあとで、やっとそのかぎが、てんじょうのあなのふちに

(ひっかかったのです。)

ひっかかったのです。

(しょうねんたんていだんのなわばしごは、いっぽんのきぬひもです。それに)

しょうねんたんていだんのなわばしごは、一本のきぬひもです。それに

(さんじゅっせんちごとにおおきなむすびだまがついていて、そこへあしのゆびをかけて)

三十センチごとに大きなむすび玉がついていて、そこへ足のゆびをかけて

など

(のぼるのです。)

のぼるのです。

(「じゃあ、ぼくがさきにのぼるから、みんな、あとからくるんだよ。」)

「じゃあ、ぼくがさきにのぼるから、みんな、あとから来るんだよ。」

(こばやしくんはそういって、きぬひものなわばしごをぐんぐんのぼっていく)

小林くんはそういって、きぬひものなわばしごをぐんぐんのぼっていく

(のでした。)

のでした。

(そのあとから、みんなのぼりました。ゆうこちゃんはおんなのこですから、いのうえくん)

そのあとから、みんなのぼりました。ユウ子ちゃんは女の子ですから、井上くん

(たちがうえからてをのばして、ひきあげてあげました。)

たちが上から手をのばして、引き上げてあげました。

(あなのそとへでると、そこは、くさぼうぼうのはらっぱでした。さいしょにのぼった)

あなの外へ出ると、そこは、草ぼうぼうの原っぱでした。さいしょにのぼった

(こばやしくんが、むこうへはしっていくすがたがちいさくみえます。いったい、)

小林くんが、むこうへ走っていくすがたが小さく見えます。いったい、

(どこへいこうとするのでしょう。)

どこへ行こうとするのでしょう。

(そらをみあげると、せいどうのまじんは、ふうせんのように、)

空を見上げると、せいどうのまじんは、ふうせんのように、

(たかくたかくとんでいきます。)

高く高くとんでいきます。

(「わあ、よくとぶねえ。もう、あんなにちいさくなっちゃった。」)

「わあ、よくとぶねえ。もう、あんなに小さくなっちゃった。」

(のろちゃんがさけびました。)

ノロちゃんがさけびました。

(あとでわかったのですが、せいどうのまじんはあついびにーるでできていて、)

あとでわかったのですが、せいどうのまじんはあついビニールでできていて、

(なかにかるいがすをいれたものでした。つまり、ふうせんだったのです。)

中にかるいガスを入れたものでした。つまり、ふうせんだったのです。

(ちかしつのゆかにちいさなあながあいていて、そのしたに、また、こべやが)

ちか室のゆかに小さなあながあいていて、その下に、また、小べやが

(あったのです。そこにまほうはかせがかくれていて、あなからびにーるのまじん)

あったのです。そこにまほうはかせがかくれていて、あなからビニールのまじん

(をゆかのうえにおしだしながら、ぽんぷでがすをふきこんだのです。)

をゆかの上におし出しながら、ポンプでガスをふきこんだのです。

(がすがはいるにしたがって、びにーるのまじんはふくれあがり、しまいには、)

ガスがはいるにしたがって、ビニールのまじんはふくれあがり、しまいには、

(おとなのさんばいもあるきょじんになってしまったのでした。)

おとなの三ばいもあるきょじんになってしまったのでした。

(せいどうのまじんがものをいったのは、ゆかのあなのしたから、まほうはかせが、)

せいどうのまじんがものをいったのは、ゆかのあなの下から、まほうはかせが、

(こえをかえてしゃべっていたのです。)

声をかえてしゃべっていたのです。

(まじんがくちをひらいたのは、あごにほそいいとがついていて、それをしたからひっぱると)

まじんが口を開いたのは、あごに細い糸がついていて、それを下からひっぱると

(くちがあき、いとをはなすと、くちがしまるようになっていたのです。あかいかぶとむし)

口があき、糸をはなすと、口がしまるようになっていたのです。赤いカブトムシ

(は、したにくくりつけてあったのでしょう。)

は、したにくくりつけてあったのでしょう。

(まじんがでるまえにあらわれた、たまごのおばけみたいなものも、やっぱり)

まじんが出る前にあらわれた、たまごのおばけみたいなものも、やっぱり

(びにーるでできていて、いちどがすをいれてふくらまし、みんながにげだしている)

ビニールでできていて、一度ガスを入れてふくらまし、みんながにげ出している

(あいだに、きゅうにそのがすをぬいたので、びにーるはぺちゃんこになり、ゆかの)

間に、きゅうにそのガスをぬいたので、ビニールはぺちゃんこになり、ゆかの

(あなのしたへかくれてしまったのです。)

あなの下へかくれてしまったのです。

(ちかしつがくらいので、こばやしくんたちは、そのちいさなあなのしかけがよく)

ちか室が暗いので、小林くんたちは、その小さなあなのしかけがよく

(みえなかったのでした。)

見えなかったのでした。

(そらのせいどうのまじんは、だんだんすがたをちいさくしながら、ひがしのほうへと)

空のせいどうのまじんは、だんだんすがたを小さくしながら、東の方へと

(とんでいきます。)

とんでいきます。

(ひがしのほうへかぜがふいているのでしょう。まじんは、あかいかぶとむしをくちにいれた)

東の方へ風がふいているのでしょう。まじんは、赤いカブトムシを口に入れた

(まま、そのかぜにおくられて、どこともしれずとびさっていきます。)

まま、その風に送られて、どことも知れずとびさっていきます。

(「あっ。もう、みえなくなってしまった。」)

「あっ。もう、見えなくなってしまった。」

(きむらくんがさけびました。)

木村くんがさけびました。

(そのとき、はらっぱのむこうから、こばやしくんがかけもどってくるのがみえました。)

そのとき、原っぱのむこうから、小林くんがかけもどってくるのが見えました。

(「こばやしさあん。どこへいってたの。あいつは、あかいかぶとむしをくちにいれたまま)

「小林さあん。どこへ行ってたの。あいつは、赤いカブトムシを口に入れたまま

(そらへのぼって、もう、みえなくなってしまったよ。」)

空へのぼって、もう、見えなくなってしまったよ。」

(いのうえくんがよびかけますと、みんなのそばへかけよってきたこばやしくんが、いきを)

井上くんがよびかけますと、みんなのそばへかけよってきた小林くんが、いきを

(はずませてこたえました。)

はずませて答えました。

(「あけちせんせいに、でんわをかけたんだよ。)

「明智先生に、でんわをかけたんだよ。

(あけちせんせいに、せいどうのまじんのことをしらせたらね、せんせいは、すぐにしんぶんしゃへ)

明智先生に、せいどうのまじんのことを知らせたらね、先生は、すぐに新聞社へ

(でんわしてから、じどうしゃで、あるところへとんでいってくださったんだよ。)

でんわしてから、自動車で、あるところへとんでいってくださったんだよ。

(そして、いまにむこうのそらから、みかたがとんでくるんだよ。」)

そして、いまにむこうの空から、みかたがとんでくるんだよ。」

(こばやしくんが、とうきょうのまちのほうのそらをゆびさしました。いったい、そらからなにが)

小林くんが、東京の町の方の空をゆびさしました。いったい、空からなにが

(やってくるのでしょうか。)

やって来るのでしょうか。

(さんじゅっぷんあまりもまったでしょうか。もうゆうぐれちかいむこうのそらに、ぽつんと、)

三十分あまりも待ったでしょうか。もう夕ぐれ近いむこうの空に、ぽつんと、

(くろいてんのようなものがあらわれました。)

黒いてんのようなものがあらわれました。

(「あっ、きた、きた。あれだよ。」)

「あっ、来た、来た。あれだよ。」

(こばやしくんがうれしそうにいいました。)

小林くんがうれしそうにいいました。

(てんのようなものは、だんだんおおきくなって、こちらへちかづいてきます。)

てんのようなものは、だんだん大きくなって、こちらへ近づいてきます。

(それは、いちだいのへりこぷたーでした。みなさん、しょうねんたんていだんいんの)

それは、一台のヘリコプターでした。みなさん、しょうねんたんていだんいんの

(みかたというのは、このへりこぷたーだったのです。)

みかたというのは、このヘリコプターだったのです。

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